記事
「しから始まるもの」の検索結果
(50件)
-
香港の名優アンソニー・ウォン主演、民族と世代を超えた交流劇「白日青春-生きてこそ-」
2023年11月7日「インファナル・アフェア」などの名優アンソニー・ウォン主演で、香港に暮らすタクシー運転手と難民の少年との交流を描いた「白日青春-生きてこそ-」が、1月26日(金)よりシネマカリテほかで全国順次公開。ポスタービジュアルが到着した。 難民の国際中継地である香港。パキスタン移民の両親に育てられたハッサン(サハル・ザマン)は、自分の将来がそこにないと知っており、一家でのカナダ移住を夢見ていた。ところが父が交通事故で命を落としてしまう。 1970年代に本土から香港に密入境し、現在はタクシー運転手として働くチャン・バクヤッ(アンソニー・ウォン)。警察官になった息子のチャン・ホンとはうまくいっていない。 難民が組織するギャング団への加入を余儀なくされたハッサンは、警察に追われる身に。バクヤッはハッサンの逃亡を手伝おうと決意し、二人に絆が芽生える。そんな中でハッサンは、バクヤッこそが父の死亡事故を引き起こした運転手であると知り……。 アンソニー・ウォンは第59回金馬奨最優秀主演男優賞を受賞。これが映画初出演となるサハル・ザマンは、第41回香港電影金像奨最優秀新人俳優賞を10歳で獲得した。 マレーシア生まれで香港に移住した自身の思いを投影しつつ、長編1本目となる本作を撮り上げたラウ・コックルイ(劉國瑞)監督は「父の愛を渇望する息子と、息子を理解しようともがく父親の物語」と話す。プロデューサーは「西遊記」シリーズなどの監督であるソイ・チェン(鄭保瑞)。民族と世代を超えたヒューマンドラマに胸を打たれる。 「白日青春-生きてこそ-」 監督・脚本:ラウ・コックルイ 影監督:リョン・ミンカイ プロデューサー:ヴィーノッド・セクハー(Vinod Sekhar)、ソイ・チェン(鄭保瑞)、ウィニー・ツァン(曾麗芬)、ピーター・ヤム(任硯聰) 出演:アンソニー・ウォン、サハル・ザマン、エンディ・チョウ、インダージート・シン、キランジート・ギル 2022年/香港・シンガポール/広東語・ウルドゥ語/カラー/DCP/シネマスコープ/ステレオ/111分/原題:白日青春/英題:The Sunny Side of the Street/日本語字幕:橋本裕充/字幕協力:大阪アジアン映画祭/PG12/配給:武蔵野エンタテインメント PETRA Films Pte Ltd © 2022 公式サイト:hs-ikite-movie.musashino-k.jp -
闇夜の怪奇事件を “目撃” した盲目の男が真相に迫る姿を描き、韓国で初登場No.1および年間最長No.1を記録したサスペンススリラー「梟ーフクロウー」が、2月9日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国公開。ポスタービジュアルと特報映像が到着した。 病の弟を救うために宮廷で働く、盲目の天才鍼医ギョンス。ある夜、王の子の死を “目撃” し、追われながらも謎を解くために奔走する。リミットは朝日が昇るまで──。 朝鮮王朝時代の〈仁祖実録〉(1645年)に記録された “怪奇の死” に、新たなイマジネーションを加えて生まれた本作。百想芸術大賞で作品賞・新人監督賞・男性最優秀演技賞の3冠に輝き、11月開催の第59回大鐘賞映画祭でも多くの部門にノミネートされている。狂気に満ちた予測不可能な物語に注目だ。 「梟ーフクロウー」 監督:アン・テジン 出演:リュ・ジュンヨル、ユ・ヘジン 2022年/韓国/118分/原題:올빼미/英題:THE NIGHT OWL/日本語字幕:根本理恵/G/配給:ショウゲート © 2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & C-JES ENTERTAINMENT & CINEMA DAM DAM. All Rights Reserved. 公式サイト:fukurou-movie.com
-
“農場にキャバレー” の実話にもとづく「ショータイム!」。強烈キャラ勢揃いの場面写真
2023年11月6日実話をもとに、潰れかけた農場にキャバレーを作ろうと思い立った主人公と仲間たちの奮闘を、フレンチ・ポップスの名曲とともに描いた「ショータイム!」が、12月1日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国順次公開。個性的なパフォーマーたちを捉えた場面カットが到着した。 フランスの中南部で酪農を営むダヴィッドだったが、3代続いた農場が経営危機で差し押さえられることに。裁判所で猶予は2ヵ月しか与えられず、途方に暮れる帰り道、ネオンサインの眩しいキャバレーを見つける。 そこで目にしたのは、ダンサーであるボニーの魅惑のパフォーマンス。ダヴィッドは納屋をキャバレーに改装して農場を再建しようと思いつき、折しもクビになったボニーをスカウト。演出の鬼となったボニーは、集まったワケありパフォーマーを鍛えながら、ステージを作り上げていく。そしてオープンが迫るも、思いがけない事態が……。 ダヴィッドを演じるのは「セラヴィ!」(17)のアルバン・イワノフ、ボニー役にはダンサーとしての才能も開花したサブリナ・ウアザニ。のどかな農場と煌びやかなキャバレーとのコントラストも楽しい、笑いと涙のヒューマンコメディだ。 「ショータイム!」 監督:ジャン=ピエール・アメリス 脚本:ジャン=ピエール・アメリス、マリオン・ミショー、ジャン=リュック・ガジェ 脚本協力:ミュリエル・マジェラン 撮影:ヴィルジニー・サン=マルタン 音楽:カンタン・サージャック 出演:アルバン・イワノフ、サブリナ・ウアザニ、ベランジェール・クリエフ、ギイ・マルシャン、ミシェル・ベルニエ 2022/フランス/フランス語/ビスタ/109分/原題:Les Folies Fermières/字幕翻訳:中沢志乃/配給: 彩プロ 映倫G © 2021 - ESCAZAL FILMS - TF1 STUDIO - APOLLO FILMS DISTRIBUTION - FRANCE 3 CINÉMA - AUVERGNE-RHÔNE-ALPES CINÉMA 公式サイト:https://countrycabaret.ayapro.ne.jp -
中国新世代チャン・チー監督の鮮烈な初長編。夢と現を彷徨する「海街奇譚」
2023年11月6日中国の新たな才能チャン・チー監督が、寂れた港町を訪れた男が不可思議な事件の数々に遭遇していくさまを鮮烈な映像で紡いだサスペンス「海街奇譚」が、2024年1月よりシアターイメージフォーラムほかで全国順次公開。本国オリジナルビジュアルを使用したティザーポスターが到着した。 失踪した妻の故郷を、男は捜索のため訪れる。そこは離島の港町で、海難事故による住民の行方不明が相次いでいた。やがて男は、妻の面影を持つ女と出会うが……。 カブトガニの仮面、消えた “仏” の頭、永遠の8月5日、呪われた海──。夢と現、過去と現在を彷徨する迷宮の物語を、1987年生まれでこれが初長編となるチャン・チー監督が、卓越したイマジネーションおよび映像感覚で描き出す。原題の「海洋動物」が示すように、海の生物をメタファーとした演出が施されているのもポイント。 映画は第41回モスクワ国際映画祭審査員特別賞(シルバー・ジョージ)、第18回イスタンブール国際インディペンデント映画祭批評家協会賞(メインコンペティション)を受賞。幻惑の映画世界に没入したい。 「海街奇譚」 脚本・監督:チャン・チー 撮影:ファン・イー 視覚効果:リウ・ヤオ 音楽:ジャオ・ハオハイ 美術:ポン・ボー 共同脚本:ウー・ビヨウ 編集:シュー・ダドオ 出演:チュー・ホンギャン、シューアン・リン、ソン・ソン、ソン・ツェンリン、チュー・チィハオ、イン・ツィーホン、ウェン・ジョンシュエ 2019年/112分/中国/映倫G/原題「海洋動物」/英題「In Search of Echo」 配給・宣伝: Cinemago ©︎Ningbo Henbulihai Film Productions/Cinemago -
「軽蔑 60周年4Kレストア版」―― 大スター、バルドーと組んだゴダール作品
2023年11月3日ちょっとした細部の妙味――先日のことだ。再放送されていた往年の人気TVドラマ、山田太一脚本、木下惠介アワーの名作『二人の世界』(70〜71)を再見していたら、ある回で栗原小巻扮するヒロインの実家の部屋にゴダールの映画「軽蔑」のポスターが貼ってあるのに改めて気付き、目を奪われた。 一応ちゃんと説明しておくと「軽蔑」とはジャン=リュック・ゴダール監督の長篇6作目、1963年(日本では翌64年)に公開されたフランス・イタリアの合作映画だ。「ゴダール作品は難解」というイメージがあるけれどもかような国民的ドラマの〝小道具〞に使われるほどのポピュラリティを備えていたのだ。またこの「軽蔑」の場合、主演がフランスを代表するスター、ブリジット・バルドーだったのも大きい。金髪で完璧なスタイルのセックスシンボルにしてファッションアイコンゆえに、浸透度がより高かったのである。 彼女は、劇作家(ミシェル・ピコリ)の夫に「私はあなたを軽蔑する。もう愛はないの」と告白、その唐突な心変わりと仕返しが描かれてゆく。そこには傲慢な米国人プロデューサー(ジャック・パランス)が絡んでいて、夫は大作映画の脚本のリライト要請に悩んでいた。原作はイタリアの大家アルベルト・モラヴィアなのだが、ゴダールは当時の妻、女優アンナ・カリーナとの関係を生々しく反映させており、さらには創造性を捨てて、ハリウッド的な商業主義に与する世の趨勢に本作を通じて異を唱えてもいるのだった。 しかし、そもそもバルドーが主役の時点で商業映画になってしまう。ではゴダールはどうしたか? 矛盾を引き受けながら「二重性の戦略」を取った。要はスターの輝きはしっかり捉えつつ彼女の役柄が放つ〝軽蔑の視線〞によって映画自体をところどころ、異化してみせたのだ。そして劇中撮影される大作(ギリシャ神話『オデュッセイア』)とこの夫婦の物語をクロスさせ、監督には複雑なキャリアを持つ巨匠フリッツ・ラングを本人役で起用、下に付くスタッフ役にゴダールも交ざってリアリティラインを崩そうと試みている。 無論、他のゴダール作品同様、色彩のコンポジションが映画を感覚的に導いていき、夫婦の〝心の漣さざなみ〞を表現するジョルジュ・ドルリューの甘美な音楽も素晴らしい。ちなみに1970年9月21日に「軽蔑」は、『二人の世界』と同じTBS系の『月曜ロードショー』で初放映され、後者は同年12月1日からスタート。例のポスターは、葛藤する夫婦繋がりで選ばれたのかも知れぬ。 文=轟夕起夫 制作=キネマ旬報社 (「キネマ旬報」2023年11月号より転載) https://www.youtube.com/watch?v=2e11nlW7AIc 「軽蔑 60周年4Kレストア版」 1963年/フランス/ 104分 監督:ジャン=リュック・ゴダール 出演:ブリジット・バルドー、ミシェル・ピコリ、ジャック・パランス、ジョルジア・モール、フリッツ・ラング 配給:ファインフィルムズ ◎11月3日(金・祝)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて © 1963 STUDIOCANAL - Compagnia Cinematografica Champion S.P.A. - Tous Droits réservé 公式HPはこちら