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「ゆから始まるもの」の検索結果
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南イタリアの小島を舞台に、実在した高名な詩人パブロ・ネルーダと郵便配達の青年との友情を描き、ロングランヒットを記録した「イル・ポスティーノ」(1994)。製作30周年とパブロ・ネルーダの生誕120周年に合わせ、4Kデジタルリマスター版となって11月8日(金)より角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で順次公開される。漫画家ヤマザキマリのイラストと著名人のコメントが到着した。 郵便配達の青年マリオを演じたマッシモ・トロイージは、心臓に病を抱えながら撮影に臨み、クランクアップの12時間後に41歳で永眠した。到着したイラストは、配達人に採用されてすぐ制帽を被るマリオに、父親が「もうその恰好?」と突っ込むシーンを描いたもの。 パブロ・ネルーダ役は「ニュー・シネマ・パラダイス」のフィリップ・ノワレが務め、第68回アカデミー賞で作曲賞に輝いたスコアはルイス・エンリケス・バカロフが手掛けている。 https://www.youtube.com/watch?v=UQnm2_dUOE0 〈コメント〉 詩の力、詩のまた無力寄せ返す波うちぎわのイルポスティーノ ──俵万智 詩は水なんだと思った。 美しくて、命のために必要で、時に政治の種になる。 そして誰のものでもある。 ──俵万智(歌人) 人の感性を解き放つ「言葉」というものの意味を、奥深く、丁寧に捉えた作品。何度見ても色褪せず、未来に残る名作。 ──ヤマザキマリ(漫画家・文筆家・画家) 偉大な詩人が若者に詩の原理を教える。 若者は自分なりに詩を書いて、それで恋が実る。 風景も脇役もよく、スクリーンに楽しさがあふれる。 ──池澤夏樹(作家・詩人) 輝くバンドネオンの音色。ガルデルの歌。ノスタルジーに駆られタンゴを踊る南米人。どれも印象的だが、マッシモ・トロイージが命を賭して演じた弱き男、マリオの純粋さこそ何よりも美しい。 ──小松亮太(バンドネオン奏者) 生まれて初めて詩を読んだ主人公マリオが詩人に感想を伝えるシーンに、本作の美しさが凝縮している。 ──長島有里枝(アーチスト) まるで別世界の美しい景色の中で、彼らの真っすぐな心と数々の詩が優しく胸に迫り続ける至高の作品 ──渡辺早織(俳優・タレント) Story ナポリの沖合いの緑あふれる島に、チリから亡命してきた高名な詩人パブロ・ネルーダが滞在することに。内気な青年マリオは、郵便配達人となってネルーダに手紙を届けながら交流し、詩の魅力を知る。そしてバーで働くベアトリーチェに一目惚れし、ネルーダに相談するが……。 「イル・ポスティーノ 4Kデジタル・リマスター版」 監督:マイケル・ラドフォード 音楽:ルイス・エンリケス・バカロフ 原作:アントニオ・スカルメタ 出演:マッシモ・トロイージ、フィリップ・ノワレ、マリア・グラツィア・クチノッタ 1994年/イタリア・フランス/イタリア語、スペイン語/109分 原題:Il Postino 配給・宣伝:セテラ・インターナショナル ©R.T.I. S.p.A.–Rome, Italy, Licensed by Variety Distribution S.r.l–Rome, Italy, All Rights reserved. 公式サイト:ilpostino4k.jp
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作曲家・中山晋平の生涯を中村橋之助主演&神山征二郎監督で描く「シンペイ 歌こそすべて」
2024年11月6日『シャボン玉』『ゴンドラの唄』『東京音頭』など2000曲もの童謡・歌謡曲・音頭・民謡を残した作曲家・中山晋平(1887~1952)の生涯を、歌舞伎役者の中村橋之助を主演に迎え、名匠・神山征二郎監督が描いた「シンペイ 歌こそすべて」が、11月22日(金)より長野県先行公開、2025年1月10日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷などで公開される。ポスタービジュアルと場面写真が到着した。 晋平が自身の音楽の理解者と知って結婚を決める敏子役で志田未来、『東京行進曲』や『東京音頭』の作詞家・西條八十役で渡辺大、劇団芸術座の俳優・沢田正二郎役で染谷俊之、『シャボン玉』などの作詞者で童謡界の三大詩人といわれた野口雨情役で三浦貴大、晋平の芸術の師である劇作家・島村抱月役で緒形直人が出演。ナレーションは岸本加世子、脚本は「クライマーズ・ハイ」「孤高のメス」「凪待ち」「碁盤斬り」の加藤正人が担当した。 〈コメント〉 志田未来 脚本を読んだ時、誰もが一度は聴いたことのある、長い時代愛され続けてきた数々の名曲の裏には、たくさんの人の思いが詰まって完成されているんだと知り、温かい気持ちになりました。 演じさせていただいた敏子は、一途に晋平さんを愛していらっしゃって、当時の日本女性を象徴するかのような凛とした女性だと感じていました。映画の中で実際に年齢を重ねていく役どころでもありましたので、しっかりと差を見せられるように意識して演じていました。特に大切にしていたのは、晋平さんと出会ったころの初々しさです。 養子に迎える女の子が歌を歌うシーンは実際に現場でも親心のような気持ちになっていました。その敏子の見守る姿からの歌や子供たちへの愛情などを感じでいただきたいと思っています。 音楽を題材にしている映画ですので、ぜひ、劇場のほうに足を運んでいただき五感でこの映画を楽しんでいただけたら嬉しいです。 渡辺大 西條八十氏といえば、夏のお祭りや神宮球場では今や欠かせない、誰でもどこかで聞いたことのある名曲、「東京音頭」の作詞家として存じ上げておりました。西條八十氏は当時は恐らくとてもモダンでまた、そこはかとなくセンセーションを起こそうと挑戦的になっていた方だったと思います。 曲作りにあたり感覚を研ぎ澄ませ、また当時の検閲にも負けず、中山晋平氏と鎬(しのぎ)を削った場面は僕の大好きなシーンの1つです。そこで芽生える友情も見ていただけたら嬉しいです。 ぜひ劇場でご覧下さい。 染谷俊之 役者として大大大先輩である沢田正二郎さんの役を務めさせて頂き、大変光栄です。 僕も舞台で殺陣などをする機会があるのですが、その殺陣を大衆演劇のスタイルとして確立した方で、今の演劇の形があるのは沢田正二郎さんのおかげと思うと感謝の思いでいっぱいです。 都内にお墓があるという事で、撮影が始まる前にお墓参りをし、演じさせて頂く思いを伝えて、撮影が終わってからもう一度行き、感謝の気持ちをお伝えしました。 神山監督の元、とても素敵な作品になっていると思います。 ぜひ映画館でご覧ください! 三浦貴大 実在する人物を演じるのは、大変な緊張感がありました。 それも、誰もが知る歌を作り出した、野口雨情という人物を演じるにはずいぶん頭を悩ませました。 軽やかで、温かい人物でありながら、歌への情熱は強く持っている。 ひとつひとつ、口調、仕草にいたるまで丁寧に演じていきました。 中山さん、西條さんと共にいるシーンに特に注目していただきたいです。 是非劇場で御覧ください。 「シンペイ 歌こそすべて」 出演:中村橋之助、志田未来、渡辺大、染谷俊之、三浦貴大、中越典子、吉本実憂、高橋由美子、酒井美紀、真由子、土屋貴子、辰巳琢郎、尾美としのり、川﨑麻世、林与一、緒形直人 ナレーション:岸本加世子 監督:神山征二郎 企画・プロデュース:新田博邦 脚本:加藤正人、神山征二郎 音楽:久米大作 撮影・編集:小美野昌史 照明:淡路俊之 録音:治田敏秀 美術監督:新田隆之 助監督:菱沼康介 装飾:工藤秀昭 エンディングテーマ:『ゴンドラの唄』上條恒彦 後援:長野県 特別後援:公益社団法人 日本作曲家協会 協力:中野市、上田市、須坂市、松本市、長野市 製作:「シンペイ」製作委員会 配給:シネメディア 2024年/日本/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/127分 ©「シンペイ」製作委員会2024 公式サイト:http://shinpei-movie.com/ -
日向坂46四期生総出演「ゼンブ・オブ・トーキョー」、主題歌にのせたメイキング公開
2024年11月5日日向坂46の四期生全員出演×熊切和嘉監督(「私の男」「658km、陽子の旅」)により、クセつよ女子高生11人の東京巡りを描いた「ゼンブ・オブ・トーキョー」が全国で公開中。Conton Candyの主題歌『急行券とリズム』にのせたメイキング映像が到着した。 https://www.youtube.com/watch?v=RdX7TZhM-fY 藤嶌果歩(羽川恵役)と宮地すみれ(梁取茜役)による“守谷君論争”、仲良し4人組“ぽぽず”の読み合わせ、役作りでバッサリとショートにした渡辺莉奈(桐井智紗役)など見どころ満載。 そして桐井が憧れるアイドルとして出演した小坂菜緒の姿も。「(日向坂46に)入ったきっかけが小坂さんだったのですごく嬉しかったです」と渡辺は振り返る。 さらには映画終盤の“あのシーン”のメイキングも登場。フレッシュでエネルギッシュな四期生に元気をもらえること間違いなしだ。 Story 修学旅行で東京を訪れた11人の女子高生。班長の池園は東京の“ゼンブ”を味わうべく完璧にスケジュールを組み立て、班員たちと巡るのを楽しみにしていた。ところが待ちに待った自由行動の日、なぜか班はバラバラに。スカイツリーの下で一人きりになった池園は、「まさかマルチバース? 異世界転生?」と疑いつつも観光に繰り出す。実は班員はそれぞれ思惑を秘めているのだった……。 配給:ギャガ ©2024映画「ゼンブ・オブ・トーキョー」製作委員会 ▶︎ 日向坂46四期生×熊切和嘉監督。女子高生たちが大都会を駆ける「ゼンブ・オブ・トーキョー」 ▶︎ 日向坂46四期生総出演「ゼンブ・オブ・トーキョー」、小坂菜緒(日向坂46)の出演など新情報が一挙解禁 -
密告者となって戦時を生きた女性の物語「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」
2024年11月5日「ぼくは君たちを憎まないことにした」(2022)のキリアン・リートホーフ監督が「水を抱く女」(2020)のパウラ・ベーアを主演に迎え、“被害者”から“加害者”に転じて戦時を生き抜いた女性の実話を映画化した「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」が、2025年2月7日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で公開される。 1940年8月のベルリン。18歳のステラ・ゴルトシュラーク(パウラ・ベーア)は、アメリカに渡ってジャズシンガーになることを夢見ていたが、ユダヤ人であるため実現の望みはなかった。3年後、工場で強制労働に従事していた彼女は、ユダヤ人に偽造パスポートを売るロルフと出会って恋に落ちる。そして同胞が息を潜めて暮らす中、ロルフを手伝いながら街で自由を謳歌するのだった。 ところがゲシュタポに捕まると、アウシュヴィッツへの移送を免れるため、隠れているユダヤ人の逮捕に協力する。そして終戦後、裏切り者のステラは同胞に裁かれることに──。歴史に翻弄された女性のドラマを見届けたい。 「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」 監督・脚本:キリアン・リートホーフ 出演:パウラ・ベーア、ヤニス・ニーヴーナー 2023年/121分/ドイツ・オーストリア・スイス・イギリス/ドイツ語・英語 原題:Stella. Ein Leben.(英題:Stella. A Life.) 日本語字幕:吉川美奈子 配給:クロックワークス 映倫:PG12 © 2023 LETTERBOX FILMPRODUKTION / SevenPictures Film / Real Film Berlin / Amalia Film / DOR FILM / Lago Film / Gretchenfilm / DCM / Contrast Film / blue Entertainment -
第37回東京国際映画祭でナンニ・モレッティ監督特集が行われ、最新作「チネチッタで会いましょう」(2023)と旧作「赤いシュート」(1989)「親愛なる日記」(1993)の全3本を上映。その後のトークイベントで、深田晃司監督、三島有紀子監督、岡本太郎氏がモレッティの魅力を語った。 「渕に立つ」がカンヌ映画祭で受賞するなど世界的評価の高い深田晃司監督は、「モレッティ監督作品はとても好きですね。始めて衝撃を受けたのは『息子の部屋』なんですが、映画史上稀に見る美しいエンディングだと思いました。自分にとってイタリア映画というのは特別で、凄いという感覚を持っているのですが、昨今のイタリア映画を見るとセンチメンタルだったりウェルメイドというイメージがあって。だけどフェリーニ監督作とか古典はどこかでドライだったり、それが現代のイタリア映画には無くなってしまっていたと感じていた時に、モレッティ監督の作品を観てこれだ!って思ったんです。ナンニ・モレッティの人間への距離感が現代的だから、いつまで経っても古びない。何かに従属してない映像って素晴らしいなと思いました」と称賛。 自作「一月の声に歓びを刻め」にトト・モレッティと名乗る人物を登場させるほどのモレッティアーノ(=モレッティの熱狂的なファン)である三島有紀子監督は、「モレッティの映画は、存分に知的で人間的にクレイジーだけど魅力的で、明るい未来や希望を感じさせてくれる。本作では映画監督としてだけでなく人間としても傷ついた瞬間を切り取っているなと思いました。ダンスシーンは、誰かに見せるための踊りではなく、誰かと一緒にリズムを刻んでいくコミュニケーションとしての踊りですよね」「モレッティは『自分は映画の力を信じている』と発言していましたが、私もそう思っています。『チネチッタで会いましょう』は幸福感に満ちた映画です」と語る。 イタリア映画祭の立ち上げに携わり、モレッティと交流のあるイタリア研究者の岡本太郎氏は、「何回かお会いしていますが、エキセントリックで映画のままな人。モレッティの映画の面白さは、筋通りに観客を引っ張っていく手法ではなく、色んな矛盾や一言で説明できないことが沢山あるところ。迷うことが正しいという過程を描いているのです。シンプルに伝えたいけど伝えられなかったり、いろんな考えがあることは大事だと気づかされます。収まりきらないものを収まりきらずに見せることで世界の形を表現することができる」と掘り下げた。 https://www.youtube.com/watch?v=bqEhzYYHAWg また、「チネチッタで会いましょう」が11月22日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開されるのを前に、著名人のコメントも到着した。 こんなにも待ち遠しく、観終わった後、明るく幸せな未来を感じる映画は久しぶりだ。 ナンニ・モレッティ監督の映画はいつも辛辣で可笑しい。 しかも今回は映画監督の話であり夫婦の話であり、世界の話だ。面白くないわけがない。 物語のラストに、子供のようにくるくると回り始めるシーンがある。 監督もスタッフも役者たちも。主人公と共にわたしも【映画で物語を描き直すという飛躍】に救われた。 観客のみなさまもきっと劇場を出る時には、心がくるくると回り始めるに違いない。 ──三島有紀子(映画監督) 社会を鋭く観察、映画と人生を語り続けるモレッティ。 ローマとチネチッタを舞台に、ズレて、こんがらがった状況をイタリア人ならではの粘り強さとで切り抜けようとする。 笑い、戸惑い、諦念、そして最後は幸せになれるか? これは見逃せない! ──宮嶋勲(ジャーナリスト「最後はなぜかうまくいくイタリア人」著者) 映画をコントロールしようとすればするほど、人生が制御不能になっていく監督。 こだわりや執着よりも「手放す」ことの大切さを教えてくれる作品です ──辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト) ジョヴァンニ、わがまま過ぎやしませんか? 長く映画界を生きてきた監督の、頭の中そのものみたいなパレードシーンはもう、拍手を送るしかありませんでした! ──大九明子(映画監督) にっちもさっちも行かなくなると、古い日記を開いてみる。新聞の切り抜きやコンサートの半券、怒っている字。 甘さや酸っぱさが重なる。 「チネチッタで会いましょう」は、ミルフィーユのようなイタリアへの招待だ。 ──内田洋子(ジャーナリスト) ほぼ同年代の私にはちょっとした清涼感のあるいい映画だった。 ──和田秀樹(精神科医) Story 5年に1本のペースで映画を撮り続けてきた監督のジョヴァンニ。プロデューサーでもある妻に支えられ、頭の中は新作のアイディアでいっぱい、完璧な日々だと思っていた。ところが自分は世間や家族の気持ちからズレていたと気づかされる。 妻に別れを切り出され、フランス人のプロデューサーが詐欺師と判明したことで映画製作は中断。ついには妻がプロデュースする映画に難癖をつけて撮影を一晩とめてしまい、Netflixを頼ってみるものの脚本にダメ出しされる。失意のジョヴァンニがやがて見つける大切なものとは? © 2023 Sacher Film–Fandango–Le Pacte–France 3Cinéma 配給:チャイルド・フィルム ▶︎ ナンニ・モレッティが描く映画監督の悲哀「チネチッタで会いましょう」