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「るから始まるもの」の検索結果
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孤独と喪失感を抱えた少年少女3人のひと夏の出来事を紡ぎ、第79回ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ部門で“未来の映画賞”に輝いた新鋭グラハム・フォイ監督の初長編「メイデン」が、4月19日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。親友であるカイルとコルトンを追った劇中映像と、カイルを演じたジャクソン・スルイターのスチールが到着した。 https://www.youtube.com/watch?v=Pixk7P8cbHE 初主演となったジャクソン・スルイターは、映画の舞台でもあるカルガリーで1998年に創業したスケートボードショップ〈Ninetimes Skateshop〉や、アメリカのスニーカーブランド〈Vans〉がスポンサーに付くプロのスケートボーダーだ。到着したスチールは、ニューヨーク・タイムズなどで写真を撮影するアーティスト・Brendan George Koの手によるもの。若き日のリヴァー・フェニックスを彷彿させるスルイターに注目だ。 スチールのクレジット:Photo by: Brendran George Ko Story カルガリー郊外に暮らす高校生のカイルとコルトンは親友だ。住宅地をスケートボードで駆け抜けたり、川で遊んだりと気ままに過ごしている。ある日、二人は将来の夢を語り合い、日が暮れた頃にカイルは鉄橋を歩いていく。列車の音に気づいたコルトンは知らせるが、その声は届かなかった。 内気なホイットニーは、絵を描いたり日記を綴ったりすることに慰めを見出している。社交的な親友のジューンとの仲がこじれ、メールで決別を告げられた彼女は、ひとしきり考えた後でリュックを背負って家を出て行く──。 提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション 配給:クレプスキュール フィルム © 2022 FF Films and Medium Density Fibreboard Films. 新鋭グラハム・フォイ監督が思春期を夢幻的に紡ぐ。ヴェネチア映画祭で受賞「メイデン」
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ジュネ&キャロのダークファンタジー「ロスト・チルドレン」が4Kレストア版で公開
2025年4月15日「デリカテッセン」の奇才ジャン=ピエール・ジュネ&マルク・キャロが、弟を誘拐された怪力男がストリートに生きる少女と共に救出に向けて奔走するさまを描いた「ロスト・チルドレン」(1995)。4Kレストア版で、6月20日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて公開される。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 主人公の怪力男ワンをロン・パールマン、少女ミエットをジュディット・ビッテが演じ、水槽に住む頭痛持ちの“脳”の声をジャン=ルイ・トランティニャンが担当。衣装はジャン=ポール・ゴルチエ、音楽はデイヴィッド・リンチ作品でおなじみのアンジェロ・バダラメンティが手掛ける。ダークな世界にはみ出し者たちのイノセンスが煌めくメルヘンを楽しみたい。 https://www.youtube.com/watch?v=IXvYk_pzwCg 「ロスト・チルドレン 4Kレストア版」 監督:ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ 出演:ロン・パールマン、ジュディット・ビッテ、ドミニク・ピノン、ダニエル・エミルフォルク 1995年/フランス・スペイン合作/113分/フランス語 提供:JAIHO 配給:Diggin’ © 1996 STUDIOCANAL 公式サイト:https://www.lostchildren4k.com -
西野亮廣の絵本を映画化した「映画 えんとつ町のプペル」(2020)の続編として、不思議な世界での新たな冒険を描いた「映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜」が、2026年の春に公開される。西野が主人公ルビッチを描画する姿を捉えた映像、ならびに仕上がったイラストが解禁された。 [caption id="attachment_49085" align="aligncenter" width="567"] © CHIMNEY TOWN[/caption] 前作の物語から1年後のハロウィン。青空を取り戻したえんとつ町で、ルビッチはプペルを失った寂しさを乗り越え、次の一歩を踏み出そうとしていた。するとネズミに誘われて不思議な世界に迷い込み、新たな冒険を繰り広げることに。果たして元の世界に戻れるか──? 引き続き西野が製作総指揮と脚本、STUDIO4℃がアニメーション制作、廣田裕介が監督を務め、ルビッチのボイスキャストは新たにオーディションで決定する。 〈コメント〉 西野亮廣(製作総指揮・脚本) 前作の公開から随分と時間が経ってしまいましたが、そのあいだ、僕らはずっと水面下で準備を続けてきました。 ようやく皆様に、続篇の公開をお知らせできることを心から嬉しく思っています。 これから公開までの限られた時間は、「今の時代にこの物語を届ける意味」、そして「その表現が映画でなければならない理由」に真摯に向き合い、この作品に人生を賭けて取り組んでいきたいと思っています。 物語の根底にあるのは、僕自身が20代前半に体験した、“遠くへ行ってしまい、もう帰ってこなくなった友人を、ただただ待ち続けた日々”です。 あの日の記憶を掘り起こしながら、この物語を書きました。 ぜひ、大切な人と一緒に、映画館でご覧いただけたら嬉しいです。 田中栄子(STUDIO4℃) 前作は「えんとつ町」という一つの町だったのでなんとかなりましたが、今回はイマジネーションの世界で、しかも2つの異世界が交錯するんです。煙で覆われたモックモクの「えんとつ町」を綺麗に描くだけでも大変なのに、新しく登場する異世界の新キャラの数は相当数あって、ダンスもあり、喧嘩もあり、歌もあり、これはやばいと思った時はもう遅かったですね。この作品の魅力に取り憑かれて、もっともっと面白くできないかと、スタッフ全員が、西野さんのマジックに夢中になっていたんです。 プペルのいない「えんとつ町のプペル」は描けないから、続篇はないと思っていましたが、西野さんの仲間を思う心の深さには驚かされました。今回の作品も西野さんの原体験が基本になっていることを知って、感動しています。スタッフの飽くなき努力の結晶と西野さんのイマジネーションの世界にぜひご期待ください。 https://www.youtube.com/watch?v=P1-fhU4QAPE 「映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜」 製作総指揮・脚本:西野亮廣 監督:廣田裕介 アニメーション制作:STUDIO4℃ 原案:「チックタック 約束の時計台」にしのあきひろ著(幻冬舎) 配給:東宝、CHIMNEY TOWN © 西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜」製作委員会 公式サイト:poupelle.com
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フランシス・フォード・コッポラが理想都市を舞台に描く一大叙事詩「メガロポリス」
2025年4月15日巨匠フランシス・フォード・コッポラが構想に40年を費やし、理想都市を舞台に波乱のドラマを紡いだ一大叙事詩「メガロポリス」が、6月20日(金)より全国公開される(IMAX®上映あり)。ポスタービジュアルと予告編が到着した。 舞台はアメリカの大都市ニューローマ。そこでは貧富の格差が社会問題となっていた。天才建築家のカエサル・カティリナは新都市〈メガロポリス〉の開発を推進するが、財政難の中で利権に固執する市長のフランクリン・キケロと対立。さらに一族の策謀に巻き込まれ、絶体絶命の危機を迎える──。 H.G.ウェルズ原作の映画「来るべき世界」に触発されたコッポラは、1980年代より脚本を構想。そして2001年には台本の読み合わせを行うなど撮影の準備を進めていたが、同時多発テロにより中断を余儀なくされ、2007年には支援も途絶え、企画は暗礁に乗り上げる。 それでも諦めなかった理由を「この作品は私の中でまだ孵化し続けていた。というのも、私は作り方を知らない映画を作るのが好きだからだ。作り方を知らなければ、映画が作り方を教えてくれる。それに耳を傾けると、とてもエキサイティングなんだ」とコッポラは説明。約300回も脚本を書き直し、2021年に自身のワイナリーの一部を手放して私財1億2000万ドルを投じ、制作を再開する。そしてキャリアの集大成というべき一作を作り上げた。 建築家カエサル・カティリナ役は「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバー、市長フランクリン・キケロ役は「キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド」のジャンカルロ・エスポジート、キケロの娘のジュリア役は「ワイルド・スピード」シリーズのナタリー・エマニュエルが担当。そしてオーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ ヴォイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマンらが脇を固める。 映画は2024年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門でプレミア上映され、「映画とその無限の可能性に興奮し続ける映画作家の作品」(The New York Times)、「『メガロポリス』は映画である以上に体験であり、体験として忘れがたい」(Detroit News)と称賛された。 現代のアメリカを古代ローマと重ねたことについて、コッポラは「アメリカが共和制ローマの再来であることは明らかだ。ニューヨークに行けば、ローマ時代の建物で埋め尽くされていることに気づかされるだろう。私の意図は、古代ローマを模倣した現代のニューヨークを舞台にしたローマ叙事詩を書くことだった」と語っている。主人公カエサルは未来に希望をもたらせるか? 壮大な物語をスクリーンで堪能したい。 https://www.youtube.com/watch?v=mpSZoVlTIrk 「メガロポリス」 脚本・製作・監督:フランシス・フォード・コッポラ 出演:アダム・ドライバー、ジャンカルロ・エスポジート、ナタリー・エマニュエル、オーブリー・プラザ、シャイア・ラブーフ、ジョン・ヴォイト、ローレンス・フィッシュバーン、タリア・シャイア、ジェイソン・シュワルツマン、ダスティン・ホフマン 2024年/アメリカ/英語/138分/カラー 原題:Megalopolis 配給:ハーク、松竹 提供:ハーク、松竹 © 2024 CAESAR FILM LLCALL RIGHTS RESERVED 公式サイト:hark3.com/megalopolis -
見過ごされてきた3本を上映する〈アメリカ黒人映画傑作選〉、識者コメント公開
2025年4月14日これまで見過ごされてきたアフリカ系アメリカ人監督の秀作を上映する〈アメリカ黒人映画傑作選〉が、4月18日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次開催される。ラインナップはキャスリーン・コリンズ監督「ここではないどこかで」(1982)、ビリー・ウッドベリー監督「小さな心に祝福を」(1984)、ジュリー・ダッシュ監督「海から来た娘たち」(1991)の3本。このたび識者のコメントが到着した。 [caption id="attachment_49026" align="aligncenter" width="850"] 「海から来た娘たち」Images Courtesy of Park Circus/The Cohen Film Collection[/caption] 杏レラト(黒人映画歴史家) LAの反逆者たちとNYブラックインディ。スパイク・リー出現前の70〜80年代の若き黒人映画人のムーブメント。多くがその名前や歴史を知らないのは、公開されることがなかったからだ。大手映画会社では叶わなかった自分たちの映画には、他とは違うアメリカ文化、歴史、民話、生きざま、音楽、芸術、性、女性の社会進出、社会への抵抗が前衛的かつ耽美的にフィルムに収められ、「自分たちの映画を作る」はスパイクらに引き継がれた。時に切なさといった共感を覚えるのは、人種・時を超えた普遍的ゆえ。日本での公開は奇跡であり、最高の喜び。 榎本空(文筆家・翻訳家) 私はあなたが理解できない沈黙。 ブラック・シネマという系譜。人々が奴隷制の余生を生きるために、がんじがらめの生をよりよいものへと変えるために必要としたもう一つのイメージ。 物語は前触れもなく動き、時の流れを錯乱する。唐突にはじまるダンスに、出口のない言葉の応酬と諦めたような瞳に、己の傷を鎧へと変えようと呼びかける女の言葉に、四百年の歴史の隅々までが詰まっている。 ハッピーエンドはない。美しい生は一瞬の鮮明さのうちに捉えられ、刻々と配列を変えていく肉体の躍動のうちに見出される。誰もそんな物語の名前を知らない。 だから刮目せよ。その声に耳をすませ。イメージを肉体に刻め。 押野素子(黒人文学翻訳者) 自立した黒人女性の葛藤がにじみ出る『ここではないどこかで』、不況に苦しむ庶民の生々しい姿を描いた『小さな心に祝福を』、アフロフューチャリズム作品のプロトタイプともいえる『海から来た娘たち』。いずれもタイプはまったく異なりますが、どれも心から「観てよかった」と思える発見に満ちた傑作です。個人的なお薦めは、『小さな心に祝福を』の夫婦喧嘩シーン。映画史上最高にリアルとも言えるやり取りの中で、黒人女性の健気さ、悲しさ、やるせなさ、さらにはユーモアまでもが、ありありと浮かび上がります。 中村隆之(早稲田大学/環大西洋文化研究) 「知られざる傑作」はいつでも存在する。大学で哲学を教える女性の一夏を通じて「愛とは何か」を知的かつエレガントに問い、観る者すら誘惑する『ここではないどこかで』。失業中の中年男性の家族の苦境と悲哀を、モノクロの映像でブルージーに唄い続ける『小さな心に祝福を』。奴隷制の壮絶な過去を生き延びてきた家族の迫り来る生き別れを女性たちの視点から語る、黒人映画の不朽の叙事詩『海から来た娘たち』。ブラック・ディアスポラ文化に関心のある方は、次があるか分からないこの機会を絶対に見逃さないでほしい。 https://www.youtube.com/watch?v=moK9K0bP7os 提供:マーメイドフィルム 配給:コピアポア・フィルム アフリカ系アメリカ人監督の知られざる秀作3本を上映〈アメリカ黒人映画傑作選〉