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ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2023開催決定!
2023年3月29日祝年を迎える本年のテーマは映画の未来の扉を開けるべく 「UNLOCK(アンロック)」 米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭、ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(略称:SSFF & ASIA)2023が、6月6日(火)から6月26日(月)に都内複数会場およびオンライン会場での開催を決定した。※オンライン会場では4月27日(木)より一部プログラムの配信をスタートします。 SSFF & ASIA は今年インターナショナル部門が25周年、アジア・ジャパン部門が20周年を迎え、25年における作品応募総数は10万7,844作品、参加監督数は9万9571名、観客動員数は85万人以上を数えている。祝年となる今年はSSFF & ASIA はこれまにで培ってきたフィルムメイカーやサポーターとのネットワーク、コミュニティ、映画祭としての歴史と知見を重んじながらも、『解き放て!』 UNLOCK CINEMA / UNLOCK YOURSELF / UNLOCK THE WORLDをキーワードに、既存概念から「UNLOCK(解放)」 する映画祭体験として、アフターコロナの新時代の世界を描く作品で構成された「Unlock -飛び込め 新しい世界へ‐」(6/6より上映・配信)や参加者がNFTで投票できる映像コンテスト、VR映像におけるストーリーテリングを研究するセミナーのほか、世界のクリエイターのアイディアや作品をアセットマネジメントしサポーターやオーディエンスとつなぐプラットフォームのローンチなどを発信予定のようだ。 また、コロナ禍からの解放とも言える、今年は3年ぶりの海外フィルムメイカーの来日も予定。映画祭に応募されたのは世界120の国と地域から、全5196作品。戦禍のウクライナを背景にした作品や、AIが生み出したアニメーション作品など、まさに世界の今を映すショートフィルムの数々が集まり、技術や手法は時代と共に変遷しながらも、「映画」というカルチャーが変わらず人々の心・感情を解放するものであることを力を持つこと強く感じる作品潮流が見られるとのことだ。 翌年のアカデミー賞ノミネートに通じる5部門(インターナショナル、アジア インターナショナル、ジャパンのライブアクション部門、ノンフィクション部門、アニメーション部門)はじめ、映画祭入選作品の上映・配信ラインナップは4月27日(木)に発表となるので今から楽しみに待っていてほしい。 <ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2023 概要> ■映画祭代表:別所 哲也 ■開催期間:6月6(火)~6月26日(月) ※オンライン会場は4月27日(木)~7月10日(月) ■上映会場:TORQUE SPICE & HERB, TABLE & COURT(渋谷)、二子玉川ライズ スタジオ & ホール、 ユーロライブ、表参道ヒルズ スペースオー 、赤坂インターシティコンファレンス、オンライン会場にて予定※開催期間は各会場によって異なります ■料金:会場上映:無料 (予約開始は4月27日~) ■一般からのお問い合わせ先:03‐5474‐8844 ■オフィシャルサイト:https://www.shortshorts.org/2023 ※2023ウェブサイトは4月27日にアップデート公開 ■主催:ショートショート実行委員会 / ショートショート アジア実行委員会 ※新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、時期または内容を変更する場合があります。 【ショートショート フィルムフェスティバル & アジア】 米国俳優協会(SAG)の会員でもある俳優 別所哲也が、米国で出会った「ショートフィルム」を、新しい映像ジャンルとして日本に紹介したいとの想いから1999年にアメリカン・ショート・ショートフィルムフェスティバル創立。2001年には名称を「ショートショート フィルムフェスティバル(SSFF)」とし、世界のショートフィルムの祭典へと発展。2004年には米国アカデミー賞公認映画祭に認定され、同年、アジア発の新しい映像文化の発信・新進若手映像作家の育成を目的とし、「ショートショート フィルムフェスティバル アジア(SSFF ASIA 共催:東京都)」が誕生し、現在は 「SSFF & ASIA」を総称として映画祭が開催されています。2018年には映画祭20周年を記念し、グランプリ作品はジョージ・ルーカス監督の名を冠した「ジョージ・ルーカス アワード」となり、 翌1月には、20周年記念イベントとして「ショートショートフィルムフェスティバル in ハリウッド」も開催。2019年の映画祭からは、アカデミー賞推薦枠がインターナショナル部門、アジアインターナショナル部門、ジャパン部門およびノンフィクション部門の各優秀賞4作品へと拡大し、2022年からはアニメーション部門の優秀賞を含む5作品が、翌年のアカデミー賞短編部門へのノミネート候補とされる権利を獲得となりました。SSFF & ASIAは映画祭を通じて引き続き、若きクリエイターを応援しています。 制作=キネマ旬報社 -
兵馬俑の少年&人間の少女が地底世界を冒険する「兵馬俑の城」、福山潤や寿美菜子が日本語吹替
2023年3月29日命を授かった兵馬俑の少年と家族を奪われた人間の少女による地底バトル&ラブファンタジーを描き、第24回上海国際映画祭最優秀アニメーション作品賞にノミネートされた中国発3DCG映画「兵馬俑の城」が、6月16日(金)よりグランドシネマサンシャイン池袋ほかで全国公開。日本版ビジュアルが到着し、日本語吹替版キャストが発表された。 中国で大ヒットし、日本では2022年の〈電影祭〉で話題を呼んだ「兵馬俑の城」が、日本語吹替版となって新たに上映。楽天家で心優しい兵馬俑の少年モンユエンの声を福山潤、家族を奪われた人間の少女シーユイを寿美菜子、青銅でできた山羊のシャオバオを中島ヨシキ、兵俑軍の統帥であるシアホウ将軍を星野貴紀が担当する。 日本版ビジュアルは、壮大な地底世界を前にしたモンユエンとシーユイの姿を捉える。ふたりに待ち受ける運命とは? 〈吹替キャストのコメント〉 福山潤/モンユエン役 吹き替え版でモンユエンの声を担当します福山潤です。 中国から凄いクオリティの作品がやってきたモノだと、収録資料を拝見した時に感じました。 素晴らしい映像と音楽と王道なストーリーに魅力的に息づくキャラクター達のお芝居に声を付けていけることは声優としての悦びを強く感じさせてくれました。 僕が担当するモンユエンは真っ直ぐ自分の夢に向かって進みます。 その過程で出逢う人と出来事に自分なりに真っ直ぐ演じました。 より多くの方々にご覧になって頂けますと幸いです。宜しくお願い致します! 寿美菜子/シーユイ役 シーユイを演じさせてもらいます、寿美菜子です。 オーディションで初めて彼女を見た時から、一目惚れでした(笑) 美しく可憐。更に強さとかっこよさも持ち合わせたシーユイを演じられて本当に嬉しいです。 今作に出会う少し前に、日本で兵馬俑展が行われていて、広告を見て心惹かれていました。 残念ながらその時は観に行けなかったので、オーディション時に、今作の世界に入りたい!と強く願ったことを覚えています。 アフレコは共演者とスタッフの皆さまと駆け抜けることができました。 飽きさせない展開、絵や音のこだわりから、アフレコ中も沢山刺激をもらい大興奮でした。 ぜひ劇場で、兵馬俑のみんなが暮らす世界を旅してください。 中島ヨシキ/シャオバオ役 シャオバオの吹き替えを担当させていただきました、中島ヨシキです! 青銅製の山羊の見た目をしているシャオバオは、 その場を和ませてくれる可愛らしい本作のマスコット的存在…でしょうか。 なかなか担当させていただくことの少ないキャラクターなのですが、とても楽しく収録させていただきました! モンユエンとシーユイを中心に俑たちの世界で巻き起こる壮大なストーリー!お楽しみに! 星野貴紀/シアホウ将軍役 オーディション原稿の時点でキャラクターの方向性はだいぶ見えていたので、実際に演じることが決まって素直に嬉しかったですね。 主人公であるモンユエンの憧れになれるように、また乗り越えていく壁になれるように、キャラクター感をだいぶ強めに演じさせていただきました。『俑』がキャラクター化されているということもあり、治療の方法ですとか、ダメージの時の描写ですとか、独特でリハーサルをしながらも「なるほどなぁ…!」と唸りました。 オリジナリティあふれ、見どころの多い作品です。 ド派手なアクションとほんのり切なくなるストーリー…是非、ご期待ください!! Story 中国歴代の皇帝によって作られた兵馬俑。それらは神より命を授かり、巨大な地下都市を作り上げていた。 兵馬俑の雑用係モンユエンが住む秦陽城は、凶暴な霊獣たちの襲撃に悩まされている。その脅威に立ち向かうシアホウ将軍に憧れたモンユエンは、精鋭部隊〈鋭士〉へ入りたいと希望するが、そのためには「霊獣・地吼(ディーホウ)を捕まえよ」との条件が出される。 さっそく旅立ったモンユエンが出会ったのは、謎多き少女シーユイだ。冒険の中で広く美しい世界を知りながら、ふたりは惹かれ合い、モンユエンは家族を探すシーユイの力になりたいと願う。そしてついに地吼を追い詰めるが……。 「兵馬俑の城」 【オリジナル版スタッフ】 製作:尚琳琳、鄭志昊、徐天福、李暁東、蔡懐軍、支穎 プロデューサー:劉艶娟、李小虹、李錦、王磊、任旭、黄帆順 監督:林永長 副監督:陳嬌艶 脚本:徐蕓、崔鉄志、王鋼 ビジュアルエフェクト監督:張雅蓓、王強 編集特別監修:王懐佩、唐緒恒 美術監督:郭尚振、王剣龍、李弘毅 音楽:黄英華 音楽監修:秦早 制作スタジオ:Fantawild Animation Inc. 【日本語吹替版スタッフ】 演出:菊田浩巳 翻訳:藤原由希 音響制作:楽音舎 日本語吹替版制作統括:ライブ・ビューイング・ジャパン、面白映画 日本語吹替版配給:ライブ・ビューイング・ジャパン、エレファントハウス 提供:Fantawild Animation Inc.、面白映画、Open Culture Entertainment 声:福山潤、寿美菜子、中島ヨシキ、星野貴紀 ©︎Fantawild Animation Inc. 公式HP:https://heibayounosiro.jp 公式Twitter:@heibayounosiro -
憧れの映画業界で新人社員が直面する闇。ジュリア・ガーナー主演「アシスタント」
2023年3月29日映画業界で働く新人アシスタントが業界の闇に直面していく姿を、『オザークへようこそ』『令嬢アンナの真実』のジュリア・ガーナー主演で描き、サンダンス国際映画祭2020スポットライト部門とベルリン国際映画祭2020パノラマ部門に出品された「アシスタント」が、6月16日(金)より新宿シネマカリテ、恵比寿ガーデンシネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかで全国順次公開。ティザービジュアルと場面写真が到着した。 名門大学を卒業したばかりのジェーン(ジュリア・ガーナー)は、映画プロデューサーになる夢を抱いて激しい競争を勝ち抜き、有名エンターテインメント企業に就職。業界の大物である会長のもと、ジュニア・アシスタントとして働き始めるが、そこは華やかさと無縁の殺風景なオフィスだった。早朝から深夜まで平凡な事務作業に追われ、ハラスメントは常態化。ジェーンは自分が即座に交換可能な下働きであることも、チャンスを掴むには会社にしがみついてキャリアを積むしかないこともわかっている。そんなある日、会長の許されない行為を知ったジェーンは、ついに立ち上がることを決意するが……。 『ジョンベネ殺害事件の謎』(2017)のキティ・グリーン監督が、〈#Me Too運動〉にも繋がる職場での膨大なハラスメントをリサーチし、ニューヨーク・タイムズスクエアの裏手のオフィスでたった18日間で撮り上げた本作。 ティザービジュアルは、顔のない人形を用いた作品を発表する3DCGアーティスト・POOLが手掛けた。その匿名的な作風は、数多の名もなき労働者たちの痛みと沈黙を結晶化した映画にマッチしている。POOLは「自分の目の前で当たり前に起きている女性蔑視や抑圧を再確認させられます。この映画がその気づきへの入り口になる事を切に願っております」とコメントを寄せている。 ハラスメントを蔓延させる組織のシステムに、自らも気づかぬうちに加担していると気づいたジェーンは、いかなる選択をするのか? 他人事では済まされない、痛烈な告発劇に注目だ。 〈海外レビュー〉 観るものを引きつける、緊迫のリアルタイムスリラー。映画という形式で表明された重要な文化的声明。── IndieWire (紙の切り傷のような)浅い傷を無数に負わせ続ける差別。その実態を雄弁に語る。── Rolling Stone 静かな叫び。焼けつくように強烈。── FILM COMMENT 不気味で鮮烈。力強い映画。── VANITY FAIR 大胆で勇敢。「アシスタント」は時代の変化を感じる。── The Playlist 観客を虜にする、ジュリア・ガーナーの痺れるような演技。── Awards Circuit ジュリア・ガーナーの演技は並外れている。── DEADLINE 画期的。完璧に計算されている。── Roger Ebert.com 「アシスタント」 監督・脚本・製作・共同編集:キティ・グリーン 製作:スコット・マコーリー、ジェームズ・シェイマス、P・ジェニファー・デイナ、ロス・ジェイコブソン サウンドデザイン:レスリー・シャッツ 音楽:タマール=カリ キャスティング:アヴィ・カウフマン 出演:ジュリア・ガーナー、マシュー・マクファデイン、マッケンジー・リー 2019年/アメリカ/英語/87分/2:1/カラー/原題:The Assistant 配給・宣伝:サンリスフィルム © 2019 Luminary Productions, LLC. All Rights Reserved. 公式サイト:https://senlisfilms.jp/assistant/ -
〈追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭〉開催。メインビジュアルと予告編が解禁
2023年3月28日「勝手にしやがれ」で世界を驚かせて以降、ヌーヴェル・ヴァーグの旗手として新作を発表するごとに注目を浴びると同時に、そんなカテゴライズを嘲笑うように観る者を挑発し、煙に巻き、固定観念に唾を吐き続け、2022年9月13日に世を去ったジャン=リュック・ゴダール。そんな巨人の1960・80年代を中心とした9作品を上映する〈追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭〉が、4月28日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ有楽町で開催される。メインビジュアルと予告編が到着した。 ビビッドな赤が目を引くメインビジュアルには、アンナ・カリーナが初めて出演したゴダール映画「小さな兵隊」や各国で物議を醸した「ゴダールのマリア」はじめ、全作品のスチールが配されている。 「カルメンという名の女」で使用されたベートーヴェン『弦楽四重奏曲』にのせて始まる予告編は、「小さな兵隊」からダンスシーンが有名な「はなればなれに」、最も美しいゴダール映画の一本と評される「ゴダールの決別」まで、名シーンとともに上映作を紹介していく。 ゴダールの何が革新的で、何が人々を熱狂させたのか。今回の特集は、ゴダールなくして生き続ける「映画」を見つめる好機となる。 〈上映作品〉 「小さな兵隊」Le Petit Soldat 1960年/脚本:ゴダール/撮影:ラウル・クタール/音楽:モーリス・ルルー 出演:ミシェル・シュボール、アンナ・カリーナ、ラズロ・サボ 極右のOAS(秘密軍事組織)およびこれと対立する組織FLN(アルジェリア民族解放戦線)の間で翻弄される男女のスパイを描いた長編第2作。60年に完成していたが、アルジェリア戦争を主題とし、両組織による拷問を批判的に描いたことで63年まで公開されなかったいわくつきの作品。アンア・カリーナが初めて出演したゴダール映画でもある。ふたりは本作完成後に結婚した。 「カラビニエ」Les Carabiniers 1963年/原作:ベニャミーノ・ヨッポロ/脚本:ゴダール、ジャン・グリュオー、ロベルト・ロッセリーニ/撮影:ラウル・クタール/音楽:フィリップ・アルチュイ 出演:マリノ・マゼ、アルベール・ジュロス、ジュヌヴィエーヴ・ガレア、カトリーヌ・リベイロ 題名は「歩兵たち」の意。イタリア人作家ヨッポロの同名舞台劇に基づく寓話的反戦・反帝国主義風刺劇。前年に同劇を演出したロッセリーニが、脚本家の一人として名を連ねている。架空の国の貧しく学のない若者2人が、世界の富をわがものにできるとの甘言に釣られ、「王様」の徴兵に応じて出征。破壊と略奪の限りを尽くすが……。ジャン・ヴィゴに捧げられている。 「はなればなれに」Bande à part 1964年/原作:ドロレス・ヒッチェンズ/脚本:ゴダール/撮影:ラウル・クタール/音楽:ミシェル・ルグラン 出演:クロード・ブラッスール、アンナ・カリーナ、サミー・フレイ 先頃邦訳が刊行されたアメリカ人作家ヒッチェンズの小説に基づく作品。若者2人組とナイーヴな娘が織り成す三角関係および犯罪計画を軸とした、奔放な悲喜劇。物語の内と外を自在に出入りする、ゴダール自身のナレーションもユニーク。タランティーノ、ベルトルッチ、ハートリーら本作への偏愛を隠さない映画作家やミュージシャンは数多い。 「ウイークエンド」Week-end 1967年/脚本:ゴダール/撮影:ラウル・クタール/音楽:アントワーヌ・デュアメル 出演:ジャン・ヤンヌ、ミレーユ・ダルク、ジャン=ピエール・カルフォン 各々愛人がいて、密かに互いを殺す機会を窺うプチブル夫婦。ふたりは遺産相続のため妻の実家へ車を走らせるが、この長旅はトラブルや奇妙な人物たちの出現により、混沌とした非現実的なものへ変貌していく……。性と政治の季節に作られたポストモダン的な黒い喜劇。移動撮影で捉えた交通渋滞は、映画史上最も長いシーンの一つとされる。 「パッション」Passion 1982年/脚本:ゴダール/撮影:ラウル・クタール/ヴィデオ撮影:ジャン=ベルナール・ムヌー 出演:イザベル・ユペール、ミシェル・ピコリ、ハンナ・シグラ 野心的なポーランド人監督が、欧州古典絵画の数々を活人画として再現する芸術映画製作に取り組む。国際的製作班による「(完成しない)映画作りを描いた映画」としての側面を持つ本作は、夏の陽光に満たされたかつてのゴダール映画「軽蔑」を冬の光の中で再創造する。ここでも物語は芸術(創造行為)と生活(性や金銭をめぐる諸問題)の間を往還するだろう。 「カルメンという名の女」Prénom Carmen 1983年/脚本:アンヌ=マリー・ミエヴィル/撮影:ラウル・クタール、ジャン=ベルナール・ムヌー 出演:マルーシュカ・デートメルス、ジャック・ボナフェ、ミリアム・ルーセル テロリストと思しき集団と共に銀行を襲撃する美貌の娘カルメンと、彼女と恋に落ちた警備員ジョゼフが辿る数奇な運命。そこにカルメンのおじで精神病院に入院中の元映画監督ジャン(ゴダール自身が演じる)およびベートヴェンの弦楽四重奏曲を練習する演奏家集団が交差し、悲喜劇的なラストですべてが合流する、ゴダール流“カルメン映画”。 「ゴダールのマリア」Je vous salue, Marie 1985年/脚本:ゴダール/撮影:ジャン=ベルナール・ムヌー/編集:アンヌ=マリー・ミエヴィル 出演:ミリアム・ルーセル、ティエリ・ロード、ジュリエット・ビノシュ 聖母マリアをスイスの女子学生マリーに変換し、イエスの処女生誕を現代に置き換えて語り直した挑発的な作品。カトリック教義への言及、マリー役のルーセルの全裸場面があり、ヨハネ・パウロ2世が批判するとともに大きな物議を醸した。上映禁止となった国、抗議活動や爆破予告の対象となった劇場もある。 「ゴダールの探偵」Détective 1985年/脚本:アラン・サルド、フィリップ・セトボン、ゴダール、アンヌ=マリー・ミエヴィル/撮影:ブリュノ・ニュイッテン、ピエール・ノヴィオン、ルイ・ビイ 出演:ジャン=ピエール・レオ、ジョニー・アリディ、ナタリー・バイ 探偵と刑事、ボクシング関係者、飛行士夫妻、老いたマフィアらが滞在中のホテルで交差する姿を、スター俳優を起用して描いた犯罪群像悲喜劇。「マリア」の制作資金を稼ぐためにゴダールが引き受けた企画で、カサヴェテス、イーストウッド、ウルマーに捧げられているのも商業的要請の中で見事な犯罪劇を撮った彼らへのオマージュと受け取れる。 「ゴダールの決別」Hélas pour moi 1993年/脚本:ゴダール/撮影:カロリーヌ・シャンプティエ 出演:ジェラール・ドパルデュー、ロランス・マスリア、ベルナール・ヴェルレー ある男がスイスの小村で数年前に起きた出来事を調査する。一連の回想から浮上したのは、夫が出張中、妻のもとに夫の姿を借りた神が訪れた、という摩訶不思議な話だった……。ゼウス神が夫に化けて人妻と過ごすギリシャ神話のエピソードに想を得て、人間の欲望、苦悩、歓びをめぐる真実を経験したいという神の願望を描いた物語。シャンプティエの撮影と相まって、最も美しいゴダール映画の一本と評される。 〈追悼 ジャン=リュック・ゴダール映画祭〉 主催:マーメイドフィルム 配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム 宣伝:VALERIA 公式HP:jlgfilmfes.jp -
ホン・サンスが女性の友愛と連帯を綴る。ベルリン映画祭銀熊賞「小説家の映画」
2023年3月28日名匠ホン・サンスが、「逃げた女」のキム・ミニと「あなたの顔の前に」のイ・ヘヨン共演で女性たちの友愛と連帯を綴り、第72回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員大賞)に輝いた「小説家の映画」が、6月30日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほかで全国順次公開。日本版ポスタービジュアル、予告編、場面写真が到着した。 本作でベルリン国際映画祭3年連続4度目の銀熊賞受賞という快挙を達成したホン・サンス。公私にわたるパートナーのキム・ミニと、前作「あなたの顔の前に」で初めて組んだベテランのイ・ヘヨンというキャスティングについて「まず最初にキム・ミニを主役にしようと決めました。それからこの前の映画で一緒に仕事をしたイ・へヨンに出演してもらうことに決めました」と明かす。また、俳優と舞台を決めてから物語を紡ぐ手法は今回も健在で「キャスティングは映画作りで最も重要かもしれません。今回はイ・へヨンに会って、小説家が自分の映画を作る、というアイデアを着想しました。人と会い、その人から印象を受け取り、それに刺激され想像力とアイデアを働かせて映画を作っていくのです」と語っている。 キム・ミニはイ・ヘヨンとの初共演について「イ・へヨンとの仕事は俳優としてはこれが初めてでしたが、彼女が主演した『あなたの顔の前に』で私はプロダクション・マネージャーを務めています。ホン・サンスと仕事する俳優たちは、自分がどのような人物を演じることになるのかと大いに期待しています。小さな撮影チームですが、だからこそみんなで協力しあって、リラックスした雰囲気の中で撮影します。イ・へヨンはまわりにとても居心地の良い雰囲気を作り出す人で、一緒の仕事は素晴らしかったです。この映画は人間関係についての映画ですが、それについて彼女からたくさんのことを学びました」と振り返っている。 「これまでにないほどパーソナル」(Indie Wire)、「奇跡のエンディング」(Film Comment Magazine)と称えられた映画世界を楽しみたい。 Story 執筆から遠ざかっている著名作家のジュニ(イ・へヨン)。音信不通の後輩を訪ねる旅で偶然出会ったのは、第一線を退いた女優のギルス(キム・ミニ)だった。初対面ながら、ジュニはギルスを主役に短編映画を撮りたいと申し出る。名声を得ながらも葛藤を抱えたふたりのコラボレーションの行方は……。 「小説家の映画」 監督・脚本・製作・撮影・編集・音楽:ホン・サンス 出演:イ・へヨン、キム・ミニ、ソ・ヨンファ、パク・ミソ、クォン・ヘヒョ、チョ・ユニ、ハ・ソングク、キ・ジュボン、イ・ユンミ、キム・シハ 2022年/韓国/韓国語/92分/モノクロ・カラー/1.78:1/モノラル 原題:소설가의 영화 英題:The Novelist’s Film 字幕:根本理恵 配給:ミモザフィルムズ © 2022 JEONWONSA FILM CO. ALL RIGHTS RESERVED 公式サイト:http://mimosafilms.com/hongsangsoo/