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  •   マリ出身の世界的ミュージシャンであるインナ・モジャが、音楽で人々を繋ぎ、壮大なアフリカン・ドリームを実現するために気候変動の最前線へ旅するドキュメンタリー「グレート・グリーン・ウォール」が、アースデイの4月22日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開。ポスタービジュアルが到着した。     アフリカのサヘル地域は、気候変動に直面している地球上で最も脆弱な場所の一つ。変動を食い止めるため、2007年にアフリカ大陸8000kmを横断する史上最大規模の植林プロジェクト〈グレート・グリーン・ウォール(緑の長城)計画〉が始まった。完成すれば、多くの人々の生活が改善される。 このアフリカン・ドリームを成功させるため、ミュージシャンのインナ・モジャがアフリカ横断の旅へ出た。道中でセネガルのヒップホップ創始者ディディエ・アワディ、マリのブルース・バンドのソンゴイ・ブルース、ナイジェリアのワジェなどと楽曲を制作し、ライブを重ねていく。「紛争で危険に晒されるのは常に女性」だからと、特に女性支援に情熱を燃やすインナは、紛争孤児の少女たちとの出会いなどを通して過酷な現実に衝撃を受けつつも、「夢を信じてほしい」とメッセージを発信していく。 映画は「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレスが製作総指揮を務め、カンヌ コーポレートメディア&TV大賞2020金賞、サンパウロ国際映画祭2019観客賞、レインダンス映画祭2020最優秀撮影賞に輝いた。森と夢を育む、大切な物語だ。                                      「グレート・グリーン・ウォール」 監督・脚本:ジャレッド・P・スコット 製作総指揮:フェルナンド・メイレレス 出演:インナ・モジャ、ディディエ・アワディ、ソンゴイ・ブルース、ワジェ 配給:ユナイテッドピープル 2019年/イギリス/92分/ドキュメンタリー 公式サイト:https://unitedpeople.jp/africa
  • B級映画の帝王として知られるロジャー・コーマンが製作、海外ではスラッシャー映画のマスターピースとして絶大な人気を誇る「スランバー・パーティー大虐殺」が4月5日、Blu-ray&DVDで発売される。1982年に封切られたアメリカ映画だが、日本では今年1月に劇場初公開、映像ソフトもHDリマスターの高画質で初めて発売となる。 MIT映画科出身の女性監督はなぜ “お下品ホラー” を監督したのか まずは「スランバー・パーティー」とは何か説明しよう。スランバー(Slumber)=居眠り、休眠の意で、日本では「パジャマ・パーティー」と訳されることが多い。すなわちアメリカの十代女子が友達の家に集まり、夜明かしで盛り上がるホームパーティーだ。両親が留守の夜、女子高生が部屋着でゴロゴロしながら異性の話題で盛り上がる男子禁制の女子会は、男性にとってはエッチな妄想の対象だ。よってティーンズ映画やホラー映画の格好の舞台になり、数多くの作品が題材にした。 そのようなジャンル映画であるから、本作もストーリーは非常にシンプルだ。高校の女子バスケット部員が両親が外泊した子の家に集まりパーティーを開いた夜、誰とも関係のないサイコパス中年男が電気ドリルを持って唐突に襲撃、次々と女子をドリルで突き刺し惨殺していく、それだけの展開だ。絶叫、そしてお色気シーン、さらに絶叫の繰り返し。シャワーシーン、男子学生の乱入や覗き、こっそり彼氏と会っていたイチャイチャしていた子があっさり餌食に…などお約束シーン満載で飽きさせないのはもちろんだが、それだけで本作が伝説化したわけではない。むしろ本作の魅力はジャンル映画のお下品なムードを保ちつつ、緻密な画面構成や巧みな編集で魅了する点にあった。 1982年に発表された本作はエイミー・ジョーンズの初監督作品だが、彼女は90年代にロバート・レッドフォードとデミ・ムーアが共演したラブロマンス「幸福の条件」(93年)やアレック・ボールドウィン、キム・ベイシンガー主演のリメイク版「ゲッタウェイ」(94年)で脚本家として成功、近年はTVシリーズ「レジデント 型破りな天才研修医」(2018年~)の企画・製作総指揮・脚本で大活躍している。もともとMIT(マサチューセッツ工科大学)の映画科に学び、アメリカン・フィルム・インスティチュートの学生映画祭で優勝という才能の持ち主で、映画祭の審査員だったマーティン・スコセッシは彼女を「タクシー・ドライバー」(76年)の監督助手に呼んだという。 低予算映画の監督をとるか、「E.T.」の裏方をとるか その後フィルム・エディターとして頭角を現した彼女は監督になる夢捨てがたく、当時のニュー・ワールド・ピクチャー社長ロジャー・コーマンに懇願、オクラ寸前だったリタ・メイ・ブラウンの脚本を使い本作のパイロット版を撮って認められ、制作費25万ドルで本作を完成させる。彼女は同じタイミングでスピルバーグの「E.T.」(82年)の編集作業のオファーが来ていたというから、彼女にとって初監督は大きな決断だった。 このような才女の演出による「スランバー・パーティー大虐殺」はその通俗的で暴力的な内容にもかかわらず、多くのファンを作り出した。そもそもこの映画はホラーなのかコメディなのか。絶妙なタイミングで大げさな残酷カットが次々と登場する本作は、試写会では見せ場のたび大爆笑が起きてエイミー監督を当惑させた。しかしプロデューサーのコーマンは「最高のプレビューだな」と絶賛。彼の自伝「私はいかにハリウッドで100本の映画をつくりしかも10セントも損をしなかったか」(早川書房)の中でも「この映画はある意味で、ニュー・ワールド最高の作品といってもよいものだった」と賛辞を残している。 ホラーでありコメディ、そして女性映画でもある映画的含みの豊かさ この映画が作られた1982年といえばホラー映画は全盛期を迎えていた。「悪魔のいけにえ」(73年)はすでに10年前にあったし、「ゾンビ」「ハロウイン」(78年)、「13日の金曜日」(80年)、「死霊のはらわた」(81年)など斬新な恐怖映画が続々と公開されている。ただ本作のように恐怖と笑いが鮮やかにブレンドされた映画はまだ少なく、ゆえに新しい傾向として受け入れられたのだろう。その後の「悪魔のいけにえ2」(86年)や「死霊のはらわたII」(87年)がストレートなホラーからコメディへとシフトした背景や、後年の「スクリーム」(97年)シリーズなどへの影響を感じる。 暴力的な男性が電気ドリルで若い女性を次々と貫いてゆく、それはまさに男性視点のセックスのストレートな比喩だが、本作は監督、脚本ともに女性であり、それが映画を興味深いものにしている。本作を女性映画として見れば、スランバー・パーティーにおける少女たちの入り組んだ人間関係、最後に殺人鬼を倒すミシェル・マイケルズとその妹との愛憎など、ショック場面以外のところで人間味を細かやかに描写していし、殺人犯の倒され方に、男性にやられっぱなしにならないと主張する女性の強い意思表明が感じられる。ドリル殺人鬼の最期に隠されたメッセージを見れば、これは歴然と女性の映画である。ちなみにコーマンが制作した2本の続編(第2作『マドロック・キラー』87年、第3作『狙われた女子高生/スタッブ・イン・ザ・ダーク』90年)と2021年に南アフリカで撮られた同名のリブート作もすべて女性監督で撮られているのも意味深である。 このような含蓄の豊かさこそ、本作を公開から40年を経て古びないものにしている。この見事なテクニックで緻密に演出された映像を、映画製作を目指す人たちは優れたカッティングの教科書として参考にするべきだ。Blu-ray特典として収録された監督や出演者らの貴重なインタビューを含む約23分のメイキング回顧録も必見。殺人鬼役のマイケル・ヴィレラの発言には発見が多く感銘を受ける。ぜひとも手元に置いておきたい一枚である。 文=藤木TDC 制作=キネマ旬報社   https://youtu.be/I-E8jhdw8lg 「スランバー・パーティー大虐殺」 ●4月5日(水)Blu-ray&DVDリリース ▶Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray:5,170円(税込)  【映像特典】(約40分) ・メイキング回顧録 約23分 ・隣家の男(リッグ・ケネディ)約13分 ・予告編(シリーズⅠ.Ⅱ.Ⅲ)約4分  ・フォトギャラリー ●DVD:4,180円(税込) 【映像特典】 ・予告編(シリーズⅠ+Ⅱ+Ⅲ) ●製作1982年/アメリカ/本編77分 ●出演:ミシェル・マイケルズ、ロビン・スティル、マイケル・ヴィレラ、デブラ・デリソ、アンドレ・ホノレ ●監督:エイミー・ジョーンズ/脚本: リタ・メイ・ブラウン/プロデューサー:アーロン・リップスタッド、エイミー・ジョーンズ/撮影:スティーヴン・ポージー/編集:ショーン・フォーリー/音楽:ラルフ・ジョーンズ ●発売・販売元:株式会社アクセスエー 販売協力:株式会社ハピネット・メディアマーケティング ©1982 New World Pictures
  • 2000年代=セカチュー、2010年代=キミスイ、2020年代=セカコイ 映画を見る視点や視座が変わったなと認識するようになったのは、自分自身が父親になってからだ。特に、主人公が若い場合は自然と親目線で物語を追いかけたり、その人物の肉親となり周囲の大人たちの立場や心情を先に理解するのが、もはやデフォルトになっている。……なものだから、思春期の男女が織りなすラブストーリーに対しても、「こんな恋がしたい、もしくはしたかった」ではなくて、「ウチの子もこんな恋をしたらいいのにな」という思いの馳せ方に、いつしか変わっていた。 自分に置き換えてキュンとしたのも今は昔だが、10代の忘れ得ぬ恋を描いた映画は普遍的なコンテンツとして、その時々を生きる若者たちの胸をときめかせ続ける。「世界の中心で、愛をさけぶ」(04)然り、「君の膵臓をたべたい」(17)然り。この2作を2000年代と2010年代を象徴する “悲しくもこの上なく美しき恋と青春の物語” と定義するなら、2020年代にその系譜を継ぐ一篇は「今夜、世界からこの恋が消えても」を置いてほかにない。偶然とはいえ “セカチュー” に “キミスイ” そして “セカコイ” と、ともに呼びやすい略称があることに、どことなく関連性を感じたりもするわけだが──ともあれ、このほど“セカコイ”の円盤=Blu-ray&DVDがリリースされるとの果報が届いた。劇場で観た人も初見の人も、思いもよらないストーリーが展開していく本作のきめ細やかに練られたシナリオの妙を、じっくりと味わえるはず。そう、2回目、3回目と鑑賞を重ねるごとに気づきや発見があるのが、この作品の深みなのだ。 自己肯定感の低かった主人公・透を変えたヒロイン・真織との出会い ただでさえ、思春期ってヤツはややこしい。素直になれなかったり、自分らしさが見つからずに惑ったり、つい周囲の面々との対比で自己肯定感が上がらなかったり──。だが、主人公の神谷 透(道枝駿佑)と日野真織(福本莉子)は、単純に思春期の悩みや葛藤とだけ向き合えばいいだけの境遇にはない。というのも、透は母亡き後の父との二人暮らしで家事をこなさなければならず、青春どころじゃないのが実情だったからだ。一方、真織は事故の後遺症で一度眠ると1日の記憶を丸々忘れてしまう「前向性健忘」という難病を抱えていて、寝る前にその日の出来事を日記に細かく記さざるを得ない事情があった。 ところが 、同じ高校に通いながら、お互いに接点のなかった2人が出会うところから珠玉の青春恋愛映画は色づき始める。 内向的な級友へのいじりをやめる条件として、クラスメイトに促されるまま学年で人気のある真織へ嘘の告白をするも、これまた「お互いに絶対に本気で好きにならないこと」を条件にOKをもらい、透はキツネにつままれたような心持ちに。誰もが玉砕を想像していたニセの告白は、思いがけず “偽りの恋” となって透と真織の日常を変えていくが、やがて「前向性健忘」が超えるべきハードルとして2人の前に立ちはだかる。そして、透にもまた真織に伝えていないことが一つだけ、あった──。 二度とないタイミングで道枝駿佑が見せた刹那的な存在感 いつしか、最初に決めた「本気で好きにならない」ルールを破って真織に恋心を募らせていく透を演じたのは、これが映画初主演となる道枝駿佑。撮影時、リアルに10代だった彼が織りなした感情のグラデーションが、実に刹那的で目と胸に染みいる。映画の序盤は髪型や表情といった見た目で透の自己肯定感の低さを印象づけ、真織と出会って以降は彼女が1日の終わりに楽しく日記をつけられるようにと、明るい青年へと変化していくさまをまさに等身大で体現せしめた。筆者は「キネマ旬報NEXT vol.44」(22年7月発売)で道枝をインタビューした際、「今まさに20歳の節目を迎えようとしている端境期ならではの繊細さが、実在感をともなって芝居からにじみ出ている。彼にとっての “いま” が無意識に落とし込まれた表現の根源に迫りゆく中で見えてきたのは、良い意味での“未完成”的な魅力だ」とテキストで評したが、それほどの適時性が、この映画には満ち溢れている。タイミングが少しでも早くても遅くても、透の印象は違っていただろうし、“セカコイ” のニュアンスも変わっていたように思えてならない。 加えて、ドラマ『消えた初恋』でも共演した福本莉子との親和性の高さも、透と真織の紡いだ日々をかけがえのないものへと昇華させていることに着目すべきだろう。そういった幾多のめぐり合わせが相まって、「今夜、世界からこの恋が消えても」は出色の青春恋愛映画に仕上がったことは、言うまでもない。 映画の解像度がさらに上がるビジュアルコメンタリーで何度も “おかわり” なお本編もさることながら、「豪華版」に収録された道枝と福本による「ビジュアルコメンタリー」も必見だ。各シーンの撮影エピソード(海辺のロケで、福本がトンビにサンドイッチをかっさらわれた逸話は劇場公開取材時にも披露されたが、その詳細が映像つきで明らかにされている)だったり、本人たちの目線と心情から透と真織について語られていたり──と、より映画の解像度が上がるコメントの連続で、実に興味深い。同席がかなわなかった三木孝浩監督からの質問状が2人に適宜渡され、その回答からも撮影期間と現場がいかに充実していたかが見てとれる。また、道枝は普段から大阪弁だが、同郷ながらあまり方言が出ない福本も時折つられてネイティブな言葉で話しているのも、刺さる人にはキュン要素かと。 古今東西、おそらく初恋をそのまま実らせた人たちよりも、遠き日の思い出になった人の方が多いと想像する。見方によっては、喪失感を味わうことで次なる一歩を踏み出すための通過儀礼と言えるかもしれない。だが、それでも我が子にはいずれ恋をしてほしいと願う。 透が真織を本気で好きになったように。そして、真織が透を忘れなかったように。 文=平田真人 制作=キネマ旬報社   https://youtu.be/g32MSwptSEo 「今夜、世界からこの恋が消えても」 ●2月15日(水)Blu-ray&DVDリリース ▶Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray豪華版(3枚組):8,580円、DVD豪華版(3枚組):7,480円 【本編ディスク】 ・予告編集(特報/予告/TVスポット) 【特典ディスク①】 ・イベント映像集(七夕イベント/完成披露試写会/初日舞台挨拶/大ヒットイベント) ・メイキング映像 ・公開記念特番「透と真織が教えてくれたこと」フルver ・TikTok 小説(全17回分) 【特典ディスク②】 ・ビジュアルコメンタリ― 道枝駿佑(なにわ男子)×福本莉子が撮影秘話を語り尽くすファン必見のコメンタリー 【封入特典】 ・ブックレット(24P) ●DVD 通常版:4,180円 【本編ディスク】 ・予告編集(特報/予告/TV スポット) ●2022年/日本/本編121分 ●出演:道枝駿佑(なにわ男子)、福本莉子、古川琴音、前田航基、西垣 匠、松本穂香、野間口徹、野波麻帆、水野真紀、萩原聖人 ●原作:一条 岬『今夜、世界からこの恋が消えても』(メディアワークス文庫/KADOKAWA刊) ●監督:三木孝浩 ●脚本:月川 翔、松本花奈 ●音楽:亀田誠治 ●主題歌:「左右盲」/ ヨルシカ(UNIVERSAL J) ●発売元:KADOKAWA/博報堂 DY ミュージック&ピクチャーズ 販売元:東宝 ©2022「今夜、世界からこの恋が消えても」製作委員会
  • 「推しがいるって幸せじゃん」 劇中に登場するこの台詞のように、どっぷりハマるほど好きなものがあるのは幸せなことかもしれない。 5月12日に劇場版も全国公開となるTVドラマ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』。岡山の女性地下アイドルに心奪われた女性を主人公に描いた青春コメディの本作は、アニメ化もされており、“推し武道”の愛称もある平尾アウリ原作の大人気同名漫画を連続ドラマ化したもので、そのBlu-rayとDVDが2月15日に発売された。 元アイドルの松村沙友理が真逆のドルオタ役に挑戦 岡山で暮らすフリーターのえりぴよ(松村沙友理)は、偶然に地元のマイナー地下アイドル『ChamJam』(チャムジャム)の野外イベントを見かけたのをきっかけに、そのメンバーの市井舞菜(伊礼姫奈)に人生全てを捧げる熱狂的オタクとなってしまう。それは収入の全てを推しである舞菜に貢ぎ、自らの服装は高校時代の赤ジャージのみという徹底ぶりで、24時間推しのことを想い、声の限りを尽くして推しの名前を叫ぶ姿は、いつしかオタク仲間からも一目置かれる“伝説”的存在となっていた。 一方、グループ内で最もファンが少なく、内気でシャイな性格の舞菜は、単推し(一人のメンバーを一途に応援すること)してくれるえりぴよを認知しながらも、緊張のあまり“塩対応”してしまう……。「いつか舞菜が武道館のステージに立ってくれたなら……死んでもいい!」と断言する伝説の女性ドルオタ(アイドルオタク)えりぴよのまっすぐでひたむきな活動を、オタク仲間たちとの交流やChamJamメンバー側のドラマも交えつつ、ユーモア満載で軽快に綴っていく。 主人公のえりぴよ役を演じるのは、元乃木坂46の松村沙友理。公式コメントで「かつて推されていた側に立っていた私が、今回は推しを推す側を演じさせていただくということでとってもご縁を感じています!」と語っているとおり、トップアイドルだった松村が、真逆のドルオタを演じているのが面白い。「自分もアイドルだったこともあって、ファンの方からの視点で見えることがとても新鮮で、私自身こうやって応援していただいていたんだなと、自分に刺さるものがとってもありました!」ともコメントしているが、かなりぶっ飛んだキャラクターを、テンション高く振り切って演じており、見事なハマリぶりをみせている。モデルやバラエティでの活躍が目立つ中、女優としても二面性のある悪女役などで注目されてきたが、本作での思い切りのよい芝居は、コメディエンヌとしての実力も証明した。 劇中アイドルグループに扮するのは注目の若手女優&現役ガールズユニット そして、7人組の岡山の地下アイドル『ChamJam』のメンバーを演じるのは、注目の若手女優の中村里帆、和田美羽、伊礼姫奈の3人と、4人組の現役ガールズユニット『@onefive』。この7人が本当のアイドルグループさながらに演じてみせ、劇中でダンスや歌を披露するだけでなく、彼女たちのドラマも描かれる。また、彼女たちが歌う曲は、好評を博したアニメ版の楽曲を、このドラマ版キャスト7人でリメイクしたもの。アレンジはアニメ版に続き実写版でも劇伴音楽を担当する日向萌が手掛けており、アニメ版へのリスペクトを感じさせる。その他のキャスティングでは、えりぴよのオタク仲間役を、お笑い芸人『レインボー』のジャンボたかお、『MEN'S NON-NO』専属モデルの豊田裕大らが演じており、こちらも原作ファン納得のハマリぶりだ。 アイドル沼にハマる人の想いが理解できる青春群像 「推し」や「死ぬ」などの強い言葉が入ったタイトルを見て、オタクを描いた作品と敬遠する人もいるかもしれないが、本作はユーモアと愛を持ってドルオタの沼にハマってしまう人の生態をポップに描いた、誰もが楽しめる作品だ。劇中に、「接触」(握手会やサイン会など交流イベント全般の総称)、「鍵開け」(握手会で一番目に握手すること)など、専門用語の紹介がテロップとナレーションで入るのも親しみやすい。また、ドルオタをユーモラスに描いたり、理解できない人がいることは描いても、バカにして笑わせたり、俯瞰から見ると滑稽だといったような描き方はしない。 例えばChamJamのメンバーやその運営スタッフが、えりぴよの過剰な偏愛ぶりを目撃した際、驚きや戸惑いはしても、ひいたりバカにしたりという描写はない。推す側も、その思いを受けて推される側も、本気で真っ直ぐに向き合う姿を笑いと感動の青春群像として描いている。とはいえハマる人たちやアイドルを闇雲に礼賛した描き方をしているわけでもなく、フラットな視点での描写を心がけていることも感じられ、共感できるかどうかは人それぞれだと思うが、アイドルの沼にハマる人の生態やどういう気持ちでハマっていくのかがよく理解できる物語となっている。実際に同じような推しがいる人には、気持ちがわかりすぎて泣けるという反響があったのも、見ているうちに納得できるはずだ。 また、恋人のような気持ちで推しているファンもいれば、メジャーデビューへの礎となることを尊いものだと考えて無償の愛を注ぐファンもいて、主人公が同性アイドルを推していることも含めて多様な「推し」の形が描かれる。推されるアイドル側の想いや地方の地下アイドルの悲哀なども描かれ、推す側、推される側の双方に、深い想いや熱狂があり、まさに青春なのだ。アイドルに限らず、「推し」がいることや熱中して応援できるものがあることは幸せかもしれないと、笑いながら思えてくる。 Blu-ray BOXには特典コミックスやメイキングも収録 2月15日に、Blu-rayとDVDが発売されるが、特製収納ボックス仕様のBlu-rayには、様々な特典が収められる。初回限定特典としては、『「推しが武道館いってくれたら死ぬ」コミックス 第8.5巻』を収録。総計64頁の同書には、原作者の平尾アウリ描き下ろし漫画『第44.5話』や、松村らメインキャストによるコメントインタビューを掲載。描き下ろし漫画は、ドデカバームクーヘンが登場する原作第8巻の44話に続く、YouTube企画の物語で、チャンネル登録者数を増やすべく、ChamJamがミニドラマ撮影に初挑戦するという。 さらに、Blu-rayには、総計56分に及ぶ映像特典も収録。『撮影舞台裏メイキング』では、2話毎に変わるエンドロール映像用にダンスの練習をしていた松村に「さすがプロだ」「すげ~」と感嘆の声があがったり、ChamJamキャストの楽し気なオフショットなど、オール岡山ロケで行われた和やかな撮影現場の様子を見ることができる。松村がクランクアップ時に「一生終わらないでほしい」と語っていることからも、充実した撮影現場だったことが窺える。他にも、放送でも注目度の高かった劇中歌のキャストパフォーマンスの完全版を見ることができる『スペシャルダンスクリップ』を収録。ChamJamの『ずっと ChamJam』『Fall in Love』と、ChamJamのライバル“めいぷる♡どーる”の『@スイーティー』の3曲それぞれに、ミュージックビデオver.とダンスショットver.の2種類が収められている。 なお、その『ずっと ChamJam』『Fall in Love』『@スイーティー』と、劇中音楽を収めた『ドラマ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」音楽集』も発売中。そして、5月12日には、「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」も公開。お互いを大切に想っているのにすれ違い続けてきた、えりぴよと舞菜のもどかしくて歯がゆい新たなエピソードはもちろん、ChamJamの初披露曲や“東京進出!?”も描かれるようで、まずはドラマ版をぜひともおさえておきたい。 文=天本伸一郎 制作=キネマ旬報社 ドラマ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』音楽集 ●好評発売中 ¥3,300(税込) ▶音楽集の詳細情報はこちら 【仕様・特典】 ・原作:平尾アウリ描き下ろしジャケット ・特製20Pブックレット(音楽作家陣による全曲ライナーノーツ収録) <ライナーノーツ寄稿作家> ・日向萌 劇伴音楽 作曲・編曲/「ずっと ChamJam」「Fall in Love」編曲 ・ヒザシ 「ずっと ChamJam」作詞・作曲 ・平尾アウリ 「ずっと ChamJam」作詞協力 ・Funta 「Fall in Love」作詞・作曲 ・渡辺翔(「@スイーティー」作詞・作曲) ・fu_mou(「@スイーティー」編曲) 【収録曲数】 全29曲予定(劇伴22曲+劇中歌4曲+劇中歌インスト3曲) ドラマ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』Blu-ray & DVD ●2月15日(水)Blu-ray BOX&DVDリリース(全10話) ▶Blu-ray&DVDの詳細情報はこちら ●Blu-ray BOX:19,800円(税込) 【特典・仕様】 ■特製収納ボックス ■映像特典(56分)  ・撮影舞台裏メイキング  ・スペシャルダンスクリップ/「ずっと ChamJam」「Fall in Love」「@スイーティー」  ※ミュージックビデオ ver. & ダンスショット ver.の2種類をそれぞれ収録 【初回限定特典】 ■「推しが武道館いってくれたら死ぬ」コミックス 第8.5巻(64P) <収録内容> ・原作平尾アウリ描き下ろし漫画『第44.5話』  YouTubeチャンネル登録者数を増やすべく、ChamJamがミニドラマ撮影に初挑戦。  ドデカバームクーヘンが登場する原作第8巻・44話に続く、ChamJam YouTube企画の物語。 ・キャストコメントインタビュー  えりぴよ役 松村沙友理  五十嵐れお役 中村里帆/松山空音役 MOMO(@onefive)/伯方眞妃役 KANO(@onefive)  寺本優佳役 GUMI(@onefive)/水守ゆめ莉役 SOYO(@onefive)/横田文役 和田美羽/市井舞菜役 伊礼姫奈  メイ役 喜多乃愛/瑠璃役 速瀬愛/ひなか役 根岸可蓮/玲奈役 片田陽依  基役 豊田裕大/くまさ役 ジャンボたかお(レインボー) ●DVD:13,200円(税込) ※【販売店舗別先着購入者特典】などはこちらからご確認ください ●2022年/日本 ●出演:松村沙友理、中村里帆、MOMO(@onefive)、KANO(@onefive)、SOYO(@onefive)、GUMI(@onefive)、和田美羽、伊礼姫奈、豊田裕大、ジャンボたかお(レインボー) ●監督 : 大谷健太郎、北川瞳、高石明彦 ●脚本 : 本山久美子 ●音楽 : 日向萌 ●主題歌 : 「未来図」 @onefive (avex trax) ●企画・プロデュース : 清水一幸 ●プロデューサー : 辻知奈美、矢ノ口真実(The icon)、高石明彦(The icon) ●音楽制作 : ポニーキャニオン ●制作協力 : The icon ●制作著作 : 「推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会・ABC ●原作 : 平尾アウリ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」(リュウコミックス) ©平尾アウリ・徳間書店/「推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会・ABC ©平尾アウリ/徳間書店 **************************************************** 【映画化決定!】 2023年5月12日 全国公開 「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」 映画公式サイト:https://oshibudo-movie.com/ ****************************************************
  •   エッフェル塔の建設に挑むギュスターヴ・エッフェルの日々を、ある女性への秘めた想いとともに描いたヒューマン・ラブストーリー「エッフェル塔~創造者の愛~」が、3月3日(金)より新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国公開。主演のロマン・デュリスとヒロインを務めたエマ・マッキーの2ショットインタビュー映像が到着した。     ロマン・デュリスは「世界有数の塔を創造した事実に圧倒された」と言い、「塔を見上げると思わず息をのむ迫力だ。観客に説得力があるかが気になるね。僕が作業員を使って、これを建造した男に見えるかと多少の不安があった。でも有名な天才を演じるのはやりがいのある仕事だよ」と役への思いを述べる。 エマ・マッキーは衣装について「時代劇の衣装だけど衣服のすべてが当時のまま再現されているわけじゃないの。大筋では時代考証に従いながらも生地はデニムを使っていたりする」と明かしたうえで、「時代劇の衣装にしてはかなりの解放感だったわね。型に押し込まれることなく演技できたのはよかった」とスタッフの仕事を称える。 歴史上の有名人を演じることへの責任感を問われたロマンは、「僕は役者として、チームの一員として映画を作っているんだ。ギュスターヴ・エッフェルもみんなの作品だ」「僕は役者にすぎないんだ。役の背後にいるのが心地いい」と回答。 自身初のフランス語映画となったエマは「映画の話が来たのは、フランス映画に出たいと思っていた時期だった」と振り返り、共演のロマン・デュリスについては「人間としても俳優としても、彼の誠実さを尊敬していた」、映画については「エッフェル塔の映画よ。気になるでしょ!楽しかったし出てよかった」と満足気だ。           © 2021 VVZ Production – Pathé Films – Constantin Film Produktion – M6 Films 配給:キノフィルムズ ▶︎ エッフェル塔の建設に秘められた愛の物語。ロマン・デュリス主演「EIFFEL」

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