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復活したblur(ブラー)、メンバーの関係と歴史的ライヴを捉えた2本公開
2024年9月6日1990年代にブリットポップ・ムーブメントの中心として一世を風靡し、紆余曲折ありながら今日まで活動してきたUKロックバンド、blur(ブラー)。8年ぶりのニューアルバム『The Ballad of Darren』で復活を遂げた2023年にフォーカスした映画「blur: To The End/ブラー:トゥー・ジ・エンド」と「blur: Live At Wembley Stadium/ブラー:ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム」が、2025年1月より角川シネマ有楽町ほか全国で順次公開される。 「blur: To The End/ブラー:トゥー・ジ・エンド」は、レコーディングで集まった長年の友人でもあるメンバー4人のユニークな関係を追ったもの。「blur: Live At Wembley Stadium/ブラー:ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム」は、彼らにとって初のウェンブリー・スタジアムでのライヴを記録。まさにバンドの裏と表が見える2本となる。 [caption id="attachment_41435" align="aligncenter" width="850"] レコーディング中に海辺で談笑するベースのアレックス・ジェームスとヴォーカルのデーモン・アルバーン(「blur: To The End/ブラー:トゥー・ジ・エンド」より)[/caption] [caption id="attachment_41436" align="aligncenter" width="850"] ライヴで観客を鼓舞するデーモン・アルバーン(「blur: Live At Wembley Stadium/ブラー:ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム」より)[/caption] 「blur: To The End/ブラー:トゥー・ジ・エンド」 監督:トビー・L 出演:デーモン・アルバーン、グレアム・コクソン、アレックス・ジェームス、デイヴ・ロウントゥリー 2024年/イギリス/104分/ビスタサイズ/5.1ch/原題:blur: To The End 配給:KADOKAWA ©2024 Copyright Up The Game Limited & blur 「blur: Live At Wembley Stadium/ブラー:ライヴ・アット・ウェンブリー・スタジアム」 監督:トビー・L 出演:デーモン・アルバーン、グレアム・コクソン、アレックス・ジェームス、デイヴ・ロウントゥリー 2024年/イギリス/128分/ビスタサイズ/5.1ch/原題:blur: Live At Wembley Stadium 配給:KADOKAWA ©2024 Copyright Up The Game Limited & blur 公式サイト:https://blur-movie.com -
[caption id="attachment_41481" align="aligncenter" width="1024"] 「サンダカン八番娼館 望郷」[/caption] 知られざる歴史の断面にスポットを当てた3作品が登場する。「サンダカン八番娼館 望郷」(74)は、山崎朋子のベストセラーノンフィクションの映画化。原作は明治から大正にかけて、家が貧困なために日本から東南アジアへと売られ、現地で〝からゆきさん〞と呼ばれた娼婦たちの実情に迫ったもの。映画は栗原小巻扮する女性の近代史研究家・圭子が、田中絹代演じる元からゆきさんの老婆サキから、彼女の半生を聞き出すという形になっている。サキの回想によって語られる、人身売買されて見知らぬ国へ行った女性たちの切ない現実を、社会派の熊井啓監督が重厚に映し出した力作だ。田中絹代が人生の年輪を感じさせるサキを見事に演じ、第25回ベルリン国際映画祭では銀熊賞(女優賞)を受賞。国内でもキネマ旬報ベスト・テンの第1位と監督賞、女優賞に輝いた。他にも、スリランカを舞台に名匠・木下惠介監督が様々な男女の愛を描いた「スリランカの愛と別れ」(76)と、野村芳太郎監督がエラリー・クイーンの原作を、舞台を山口県の萩市に移して描いたミステリ「配達されない三通の手紙」(79)という、栗原小巻の70年代の主演作2本が放送される。 [caption id="attachment_41482" align="aligncenter" width="1024"] 「上海バンスキング」[/caption] 「上海バンスキング」(84)は、オンシアター自由劇場の戯曲を、深作欣二監督が松坂慶子や風間杜夫、平田満など、「蒲田行進曲」(82)の主要キャストを再び集めて作った、ジャズのサウンド溢れる群像劇。日中戦争が始まる前年の昭和11年から昭和20年の終戦までの上海を舞台に、戦争によって運命を翻弄されるジャズマンとダンサーを描いている。原作戯曲は昭和11年から16年に上海の共同租界に存在したダンスホール『ブルーバード』をモデルにした、クラブ『セントルイス』の中で物語が展開するが、映画もこのクラブから、登場人物たちが戦争を見つめていく作りになっている。さらに日本軍による中国人の虐殺シーンを入れ込むあたりに監督独自の視点が感じられ、基本は歌と踊りに情熱を燃やす人々のドラマだが、一方では外地から日本の戦争を映した作品でもある。他にもジャズに魅せられた殿様が、ジャム・セッションする中を幕末の動乱が駆け抜けていく、岡本喜八監督の時代劇「ジャズ大名」(86)や、サックス奏者レスター・ヤングをモデルにした人間ドラマ「ラウンド・ミッドナイト」(86)、チャーリー・パーカーの半生を描いた「バード」(88)など、ジャズ映画が登場する。 [caption id="attachment_41483" align="aligncenter" width="890"] 「殺人の追憶」[/caption] ポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」(03)は1980年代後半、軍事政権下の韓国で少なくとも10人の犠牲者を出した、華城連続殺人事件を基にした刑事ドラマ。容疑者が浮かんでは消えていく事件の謎をソン・ガンホ演じる刑事が追うが、自白の強要、証拠の捏造など、早く事件を終わらせたい当時の警察の体質がシビアに映し出されている。この監督第2作でポン・ジュノは韓国のみならず、世界的にも注目を浴びたが、今回は長篇監督第1作「ほえる犬は噛まない」(00)から「グエムル 漢江の怪物」(06)、「母なる証明」(09)、「スノーピアサー」(13)、米アカデミー賞作品賞に輝いた「パラサイト 半地下の家族」(19)まで、彼の長篇監督作すべてを一挙に放送する。 文=金澤誠 制作=キネマ旬報社(「キネマ旬報」2024年9月号より転載) BS松竹東急 BS260ch/全国無料放送のBSチャンネル ※よる8銀座シネマは『一番身近な映画館』、土曜ゴールデンシアターは『魂をゆさぶる映画』をコンセプトにノーカット、完全無料で年間300本以上の映画を放送。 ■9/7[土] 夜9時(再放送9/15[日]昼12時8分) 「サンダカン八番娼館 望郷」 監督:熊井啓 出演:栗原小巻、高橋洋子、田中絹代ほか © 1974 仕事/東宝 ■9/19[木] 夜8時 「上海バンスキング」 監督:深作欣二 出演:松坂慶子、風間杜夫、平田満、宇崎竜童 ほか © 1984 松竹・テレビ朝日 ■9/20[金]夜8時(再放送9/22[日]昼12時) 「殺人の追憶」 監督:ポン・ジュノ 出演:ソン・ガンホ、キム・サンギョン、パク・ヘイル ほか © 2003 CJ E&M CORPORATION, ALL RIGHTS RESERVED 詳細はこちら:https://www.shochiku-tokyu.co.jp/special/eiga/
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映倫 次世代への映画推薦委員会推薦作品 —「ぼくのお日さま」
2024年9月6日出会いは光と影の両面をもたらす 小学6年生タクヤ(越山敬達)は野球もアイスホッケーも身が入らず、上達しない。彼は同じリンクでフィギュアの練習に打ちこむさくら(中西希亜良)の華麗な舞に心を奪われ、彼女の真似をして無心にフィギュアのステップを試みては転倒する。不純な動機から入ったにせよ、何かに打ちこむ心性を持ちうるかどうか。そんなタクヤを発見し、フィギュアの世界へ導く荒川コーチ(池松壮亮)の情熱が心を打つ。若年世代にとって出会いがいかに大切であるかを痛感させる存在だ。 奥山大史監督は前作「僕は神様が嫌い」と同様、今回も撮影・脚本・編集を兼任し、自己の作品世界を妥協することなく構築。28歳ながら、前作のサン・セバスティアン国際映画祭での最優秀新人監督賞に続き、今作はカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で上映され、約8分間ものスタンディングオベーションで讃えられたという。少年少女の単純なサクセスストーリーだとしたら、これほどの国際的評価には繋がるまい。世界の映画界はそんなに甘いものではない。 奥山大史はすぐに見つかる答えや予定調和で終始させていない。練習し、上達し、打ち解ける。アイスリンクに差し込む恩寵的な午後の光に包まれながら氷上で舞う姿を、奥山自身もスケート靴を履いて滑走しながらカメラを回す。目くるめくスピード感で背景が流れていくが、彼らの成長する姿はしっかりと画面中央に留められている。 一方、荒川コーチは同性の恋人と暮らしているが、残念ながらそのことが物語に影を落としてしまう。こうした背景についてどう受け止めていくかが、ここで問われてもいる。他者への想像力を醸成し育むための未解決なヒントが、本作には込められているのである。 文=荻野洋一 制作=キネマ旬報社(「キネマ旬報」2024年9月号より転載) https://www.youtube.com/watch?v=rzmKFW5Uf1c 「ぼくのお日さま」 【あらすじ】 吃音をもったアイスホッケー少年タクヤは、フィギュアスケートを練習する少女さくらの姿に心を奪われる。さくらのコーチ荒川は、ホッケー靴のままフィギュアのステップを真似ては何度も転ぶタクヤを見つけると、タクヤに自分がかつて愛用した靴を貸し、フィギュアの世界へいざなう。荒川の提案で、タクヤとさくらはペアを組んでアイスダンスの練習を始める。 【STAFF & CAST】 監督・撮影・脚本・編集:奥山大史 出演:越山敬達、中西希亜良、池松壮亮、若葉竜也 ほか 配給:東京テアトル 日本/2024年/90分/G 9月13日(金)より全国にて順次公開 © 2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINÉMAS 公式HPはこちら -
映像監督・写真家として活躍する奥山由之が、東京・二子玉川の川沿いにある古ぼけたベンチを舞台に、人々の何気ない日常を切り取っていく「アット・ザ・ベンチ」。2023年9月30日に第1編、2024年4月27日に第2編がVimeoで無料公開されて反響を呼んだが、このたび第5編まで合わせたオムニバス長編として、11月15日(金)よりテアトル新宿、109シネマズ二子玉川、テアトル梅田ほか全国で公開することが決定した。 キャストは広瀬すず(第1編・第5編)、仲野太賀(第1編・第5編)、岸井ゆきの(第2編)、岡山天音(第2編)、荒川良々(第2編)、今田美桜(第3編)、森七菜(第3編)、草彅剛(第4編)、吉岡里帆(第4編)、神木隆之介(第4編)。奥山監督の熱望した俳優が顔を揃えた。 奥山由之 コメント 僕の散歩コースの途中には、川沿いにぽつんと佇む1つの古いベンチがあって、“川沿いにぽつん”と言っても、水辺に近いわけではなく、車道沿いにあるバス停のそれでもなく、芝生の広場の真ん中になぜかそれはあって、球遊びをしている子供たちや、犬の散歩をする人たちがチラホラいるのだけれど、みんな邪魔そうにするわけではなく、かといって座るわけでもなく、ただただ通り過ぎていく。 そのベンチと関わる人を見たことがないので、実は誰にも見えていないのではないかと思ったこともあるのだけれど、恐らく、ベンチの設置場所としては風変わりなスタイルをとっていることで、「あぁ座りたいなぁ」とは思わせない絶妙な調度よくなさがあるのだろう。そのベンチの周辺一帯だけがなぜかコンクリートの地面であることも不思議でならない。 僕がそいつに目をつけてからもう何年も月日が経っているのだけれど、一向に撤去される気配はなく、そいつはやはり誰にも見えていないのかもしれない。 そんなある日、近くで大きな橋の工事が始まった。 東京という街は、いつだってうねるように、まるで生き物のように、部分的な変化を続けている。便利になったり、綺麗になったり、勿論いいこともあるのだけれど、いつの間にか無くなってしまう景色を懐かしむ間もなく、記憶は塗り替えられてしまう。愛着を抱いていた場所でさえ、久しぶりに訪れると「前はどんな様子だったけ…」なんて忘れてしまうこともしばしばだ。 変わりゆく景色の中で、変わらずそこにいるベンチ。古ぼけた座面はなんだか頼りなく、妙な味わいと個性を放っていて、後ろから眺めたときの、まるでおじいちゃんのような哀愁感に僕は心を奪われ、「いま、このベンチを作品として残しておかないと後悔しそうだ」と思い立ち、ベンチだけを舞台に、誰かの会話を集めたオムニバス映画を作ることに決めました。 というわけで…『アット・ザ・ベンチ』は、変わり続ける東京という街の中で、変わらずに残したい“とあるベンチ”を舞台に、四季折々、ある日のある人たちのちょっとした思い出の時間を紡ぎたい、という個人的な願いからスタートした自主制作映画です。 その思いに呼応して、仲間が1人増え、また1人増え…といった具合に、みんなが“個人”としてベンチに集まってくれました。そうして形成された、サッカーチーム1つ分くらいの僕らは、手弁当ながらも、自分たちでやれる限りのことをやってみよう、という考えで1編ずつをじっくりと作り上げてきました。ある個人の「こういう映画を作りたい」という思いのもとに、同じく「作ってみようよ」という純粋な思いで集まってくれた人たちがいる、そうして作り上げられた作品は、また誰かの「こういう映画が好きだな」という温かな気持ちに届くと嬉しいな、と思っています。 これ以上に純粋な創作は、生涯の中で何度と出来ることか分かりません。 一緒に作って下さった皆さま、本当にありがとうございました! 「アット・ザ・ベンチ」 監督:奥山由之 出演:広瀬すず(第1編・第5編)、仲野太賀(第1編・第5編)、岸井ゆきの(第2編)、岡山天音(第2編)、荒川良々(第2編)、今田美桜(第3編)、森七菜(第3編)、草彅剛(第4編)、吉岡里帆(第4編)、神木隆之介(第4編) 脚本:生方美久(第1編・第5編)、蓮見翔(第2編)、根本宗子(第3編)、奥山由之(第4編) 音楽:安部勇磨 企画・製作:奥山由之 プロデューサー:佐野大 撮影:今村圭佑 録音:佐藤雅之 美術:野田花子 衣裳:伊賀大介 ヘアメイク:小西神士、くどうあき 編集:平井健一、奥山由之 助監督:鈴木雄太 制作担当:神谷諒 カラリスト:小林千乃 オンライン編集:土屋瀬莉 グラフィックデザイン:矢後直規 配給宣伝協力:池田彩乃 制作・配給:SPOON 2024年/日本/86分/カラー/ビスタ/5.1ch/英題:AT THE BENCH ©2024 Yoshiyuki Okuyama/Spoon Inc, All Rights Reserved. 公式サイト:https://www.spoon-inc.co.jp/at-the-bench/
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ホラー映画を中心に次々と斬新な作品を生み出す、プロデューサーのジェイソン・ブラム率いるブラムハウス・プロダクションズと、ライオンズゲートがタッグを組んだ「イマジナリー」。 可愛らしいテディベアと友情をはぐくむ少女と家族の周囲で巻き起こる、不可解な現象と想像を絶する恐怖を描き全米を震撼させた話題作が、11月8日(金)より日本公開。予告映像とポスタービジュアルが解禁された。 ポスタービジュアルは不安そうな表情を浮かべる少女アリスと、奥からこちらを見つめる“チョンシー”と名付けられたテディベアの姿が印象的。「死ヌマデ、一緒っていったよね?」というキャッチコピーに、“チョンシー”の底知れぬ狂気と執念を感じさせる。 また、本予告映像は、古びたテディベアとの出会いと、家族を襲う想像を絶する恐怖の一端が描かれる。ナレーションを担当したのは、アニメ『ハイキュー!!』の日向翔陽役や、『王様ランキング』のカゲ役を担当している声優の村瀬歩。すべての声をひとりで務め、本予告に恐怖の花を添える。 子どもの頃に誰しもが経験したことがあるであろうお人形遊び。その平和な遊びに不穏な空気と狂気を混ぜ込み、恐怖を更なる高みへと押し上げたブラムハウスの最新作に注目したい。 https://youtu.be/P05rJQxzmQc 「イマジナリーフレンド」 製作:ジェイソン・ブラム、ジェフ・ワドロウ、p.g.a 監督:ジェフ・ワドロウ 脚本:ジェフ・ワドロウ、グレッグ・アーブ、ジェイソン・オレムランド 出演:ディワンダ・ワイズ、トム・ペイン、テーゲン・バーンズ、パイパー・ブラウン、ベロニカ・ファルコン、ベティ・バックリー、マシュー・サトー 原題:IMAGINARY 配給:東宝東和 © 2024 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved. 公式HP:https://imaginary-movie.jp/ 公式X :@IMAGINARY_JP