韓国ドラマの“あるある”が詰まった「週末ドラマ」 笑いと涙にあふれた人生に共感！

韓国ドラマの“あるある”が詰まった「週末ドラマ」 笑いと涙にあふれた人生に共感！

多くの人たちがリラックスした時間を過ごす土日の８時台に放送されることから、高視聴率枠として知られる韓国の「週末ドラマ」。約半年にわたって放送されるため話数も多く、登場するたくさんのキャラクター、一人一人のエピソードがていねいに描かれていくのが最大の魅力だ。5月11日（水）よりDVDリリースされる『人生最高の贈り物〜ようこそ、サムグァンハウスへ〜』では、 “サムグァンハウス”と呼ばれる家に暮らす家族たちと下宿人を中心に、波乱万丈のストーリーが綴られていく。

韓国ドラマの“あるある”が詰まった、温かい家に集う人々の波乱万丈の物語

オーナーから管理を任されたサムグァンハウスで、長女ビッチェウン（チン・ギジュ）、次女ヘドゥン（ボナ）、長男ラフン（リョウン）と共に暮らすスンジョン（チョン・インファ）。家政婦として長年働き、料理上手で知られる彼女の家では、歌手としての成功を目指すファクセ（イン・ギョジン）も、家族のような下宿人として過ごしていた。デザイナーになるという夢を抱きながら、大家族を養う母を助けるためインテリア設置技師として働いていたビッチェウンは、ある現場で建築事務所社長のジェヒ（イ・ジャンウ）と最悪な出会いを果たす。

『お願い、ママ』の脚本家ユン・ギョンアと『たった一人の私の味方』の演出家ホン・ソックがタッグを組んだ『人生最高の贈り物』。週末ドラマを知り尽くした二人だけに、韓国ドラマの“あるある”がたっぷり詰まっている。まず、第一は「出生の秘密」。実は、スンジョンの子どもたちは３人全員が養子で、その中の一人であるビッチェウンは、ファッションメーカー代表のジョンウォンが実母であることに気づかぬまま、彼女の会社に就職する。やがて、２人はお互いが何者であるかに気づいていくのだが、同時にジョンウォンの養女で、会社では上司となるソアとの間に緊張感が高まっていく。

また、ビッチェウンと次第に親しくなるジェヒの父親である会社社長ジョンフが「記憶喪失」になってしまうのも見どころ。頑固で気難しい性格で周囲から煙たがられていた彼が、人が変わったのかと思えるほど穏やかな性格となる。まるで一人二役のようなチョン・ボソクの演技にも注目したい。

幸せを探す若者たちの人間模様

ビッチェウンとジェヒとの恋の行方も見逃せない。ラブコメの定番である“最悪の出会い”から始まった二人の関係は、お互いを励まし合いながら、やがて強い絆へと変わっていく。家を出たジェヒがサムグァンハウスの下宿人となって以降は、周囲に恋人同士であることを隠しながら一つ屋根の下で暮らすトキメキも強まっていく。逆境にも負けず、自らの力で道を開いていくビッチェウン役を『初対面だけど愛してます』のチン・ギジュ、そんな彼女を温かく見守るジェヒには『たった一人の私の味方』を始め、多くの週末ドラマに出演してきたイ・ジャンウが扮している。

一方、ビッチェウンの妹ヘドゥンは、アイドルとしてデビューができないまま、芸能事務所の職員として働いている。もう一度、舞台に立つ日を夢見ている彼女は、偶然、知り合ったジュナと親しくなっていくのだが、彼は姉ビッチェウンの実母であるジョンウォンの息子で……という密な人間関係も週末ドラマらしい。ヘドゥン役は最新作の『二十五、二十一』でフェンシングの世界チャンピオンを堂々と演じたボナ。アイドルグループ宇宙少女のメンバーとしてだけでなく、俳優としての評価も急上昇している彼女が初々しい姿を見せている。さらに、大学に通っていると母に嘘をついたまま、配達のアルバイトをしている弟ラフンを『18アゲイン』のリョウンが演じている。

ベテラン俳優たちの演技にも注目

幅広い年齢のキャストが演じるキャラクターたちが揃うのも週末ドラマならではの楽しさだ。血のつながらない娘と息子たちを心から愛し、下宿人たちからも慕われるスンジョン役を『いとしのクム・サウォル』のチョン・インファ、ビッチェウンの実母でファッションメーカー代表のジョンウォンを『青い海の伝説』のファン・シネが演じている。また、『愛の不時着』で知名度を上げたキム・ソニョンがスンジョンの妹マンジョン役で登場。医者という職業を持ちながらも、かなり破天荒な性格の人物を、生き生きと演じている。家庭でも職場でも恐れられていたジェヒの父ジョンフが記憶喪失によって激変する姿を見事に演じ分けた『金持ちの息子』のチョン・ボソクはKBS演技大賞で最優秀賞に選ばれた。妻ミンジェを演じた『浪漫ドクター　キム・サブ』シリーズのチン・ギョンとも、息の合ったやりとりを見せている。

若い恋人たちの恋の行方と、彼ら彼女らを取り巻く大人たちのにぎやかで人間味にあふれた物語が描かれていく『人生最高の贈り物』。１話、１話と、見ていくうちに、いつの間にか、大家族の一員となって一緒に暮らしているような気分になってくること間違いなしだ。

文＝佐藤 結／制作＝キネマ旬報社