浅草に時を超えて思いが交錯。ディケイド30周年記念作「ゆめのまにまに」

浅草に時を超えて思いが交錯。ディケイド30周年記念作「ゆめのまにまに」

俳優や音楽家のマネージメントを行い、2012年には三宅唱監督「Playback」を製作した芸能事務所ディケイド。同社の設立30周年記念映画であり、浅草に実在する古物店を舞台に不思議な人間模様を描く「ゆめのまにまに」が、11月12日(土)よりユーロスペースほかで全国順次公開される。キービジュアル、予告編、張元香織監督&こだまたいちらキャスト陣のコメントが到着した。

 

 

浅草六区の古物店〈東京蛍堂〉で、アルバイトのマコト(こだまたいち)は、不在がちな店主の和郎(村上淳)に代わって日々店番をしている。店は客足が遠のいて久しいが、それでも仲見世の店主、町内会の人々、古着物蒐集家、骨董マニア、女子高生など誰かしらが出入りしている。
夏の終わり、訳ありげな女性・真悠子(千國めぐみ)が来店。店主に会いたそうでありながら、避けているようにも見える。以後、足繁く訪れるようになった真悠子をマコトは気にし始めるが……。

多摩美術大学造形表現学部を卒業後、助監督として横浜聡子監督、菊地健雄監督、瀬々敬久監督、越川道夫監督、岨手由貴子監督などに付いてきた張元香織の⻑編監督2作目となる「ゆめのまにまに」。

主演のこだまたいちは〈メンズノンノ〉専属モデルとしてデビューし、俳優・フォークシンガーとして活躍中。彼がリードボーカルを務めるフォークバンド 〈酔蕩天使〉による映画の主題歌『サンローゼ』は11月9日より配信される。

 

 

各者のコメントは以下。

監督:張元香織
理由もなく惹かれる、直感的にいいと思う、好きで欲しくてそばに置きたい、頭から離れず夜も眠れない!
そんな強い感情について、私はよく考えます。
それは時には行き過ぎたり偏ったり、まさに人を盲目にする感情のことです。
そんな感情はどこから来てどこへ行くのか。
その思考のテーマは、古物店を舞台にすることで、映画の世界観にぴったりとはまりました。
あとは、そこから受け取ったものを、流れの隨(まにま)に、脚本に描いていきました。
東京蛍堂のような古物店は、モノだけでなく様々な色濃い感情エネルギーが集まり、留まり、放出される場所なのです。皆さんにこの映画を観てもらえること、とても楽しみにしています。

 

主演:こだまたいち
今回のお話を頂いた当初、張り切るあまり撮影地である浅草六区・東京蛍堂を中心としたありとあらゆる道をゆき、何時間も何十周も台詞を唱え…初主演のプレッシャーと興奮をマーキングしながら歩き回っていました。
張元監督が作品の根底にあるテーマ性や人物像を丁寧に紐解きながら、穏やかに熱心に肩をほぐすような話し合いを重ねて下さったお陰で、緊張していた自分も徐々に静かな集中力をもって臨めるようになりました。
同世代や下の世代の新人俳優の皆さんと切磋琢磨しながら撮影に向かっていけたこと、現場で先輩方の胸を借りながらお芝居の楽しさに改めて気づけた事、その経験は宝物です。
1991年3月、ディケイド設立と時を同じくして生を受けた自分も、同様に節目の年を迎えました。十分な過去も、十分な未来もあります。
その中で続けていく事、大事に育んでいく事、何を手に入れ何を手放すか、その選択は執着ではなく愛着によるものなのだという浪漫が、今作の最大のテーマの一つとしてスクリーンに映っていると僕は信じています。

 

出演:千國めぐみ
浅草で蒸籠を転がしたことがあります。買ったのを包んだ風呂敷の結び目が解けてしまって、落ちてゴロゴロ転がってしまったのです。大慌てでしたが、地元の人たちが蒸籠は珍しいな、と笑いながら拾い集めてくれました。
そうか、浅草の人たちはここを訪れた人間の色んな瞬間を見てきているのだ。
そう思いました。それこそ、解けたり転がったり、人間のいろいろな様を。
初めて蛍堂を訪れた帰り道でのことです。7月5日、私の誕生日でした。
この映画の、人間の、時たま可笑しくもある営み、その人間と共に過ごした古物たちが吐く濃密な空気、それらを包む浅草という街をつくる人々の様は、皆さんの目にはどう映るのでしょう。ビールを飲み飲み、お喋りしたい気持ちです。

 

出演:中村優子
蛍堂は、混沌とした浅草の一角にひっそりと在る。異世界への、入り口のように。
足を踏み入れる登場人物たちを待つのは、圧倒的なモノ、モノ、モノ。
時間や物語を経て、ただ、そこに存在するモノとの邂逅。
大切にされたモノには、大切にした誰かの人生がある。
モノに見つめられる時、私たちは、心許ない自分自身の人生を、やはり、大切にしたいのかもしれない。

 

出演:村上淳
よく若いころに絶大な信頼をしている人生の大先輩にこう言われた。
“才能は常に意識しなければすぐに斬れ味が落ちる。センスは良いとか悪いじゃない、あるかないかだ。”
僕がこの作品の完成を見たときに強く思い返した言葉です。
張元監督とは初対面ですし、作品に出演するのも演出を受けたのももちろん初です。現場単位での体感で“いい現場”だな=で必ずしも“素晴らしい作品”にはならないことも多くあるのですが、非常に素晴らしい現場でしたし、なりよりこの初号試写を観た後、数ヶ月は“この作品の素晴らしさの記憶”を書き換えたくなくて新しい映画を観ませんでした。
我が社DECADEは押し売りするような大きな体制もなく、つつましく謙虚に業界の隅のほうでやらせていただいている事務所ですが、こうして胸をはれる作品を素晴らしい監督・座組・キャストでやれたことのありがたさを肝に命じて、またさらに映画にまい進したいと思います。
みなさま、もし宜しければ“新しい才能”もしくは“素晴らしい才能”が惜しみなく投影されるスクリーン体験をぜひに。

 

 

「ゆめのまにまに」

監督・脚本:張元香織
出演:こだまたいち、千國めぐみ、遊屋慎太郎、野口千優、澁谷麻美、北澤浩志郎、岩谷健司、内藤正記、松浦祐也、和田光沙、玉りんど、藤井千帆、岡部ひろき、浦山佳樹、泉拓磨、高橋綾沙、藤入鹿、原風音、三浦誠己、山本浩司、中村優子、村上淳
主題歌:酔蕩天使「サンローゼ」(HILLS RECORDS)
企画:佐伯真吾 撮影監督:山崎裕
音楽:磯田健一郎 録音:森英司 美術:櫻井啓介 編集:菊井貴繁
サウンドデザイン:弥栄裕樹 ヘアメイク:寺沢ルミ 助監督:二宮崇 製作担当:金子堅太郎 スチール:横山創大
特別協力:浅草・東京蛍堂 文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業
101分/16:9(1.78:1)/5.1ch/2K/カラー/2022
配給:スールキートス 製作:ディケイド 宣伝:フリーストーン
©2022 ディケイド
https://www.yumenomanimani.com

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