「恋人たちの時刻」のストーリー

札幌に住む西江洸治は医大を目指す予備校生。彼は歯科医院で、先日海岸で不良達に強姦されそうになっているのを救けた女性と再会した。その女性、村上マリ子に魅かれた洸治はデートに誘うが、彫刻のモデルをしているからと断られる。彫刻家との約束で、作品が完成するまで男性とつき合ってはならないというのだ。彫刻家、桑山の妻、啓子は乳ガンで入院中。桑山は利加子という女と愛人関係を続けながら、住み込みモデルのマリ子に身の回りの世話をさせていた。ある日、洸治はマリ子から呼びだされ、かつての親友、山崎典子の行方を探してほしいと頼まれた。早速小樽を訪れ、典子が住んでいたアパート、通っていた理容学校を訪ね歩くが、浮かびあがったのは典子のすさんだ生活ぶりだった。一定の金額で誰とでも寝る女だったというのだ。典子が通っていた“海猫屋”の踊り子イゾルデは「典子は優しかっただけ、好きになってくれた男の子と寝られる女は偉いと思う」と語る。札幌に戻った洸治は、典子に会ったらきっと魅かれるとマリ子に告げた。マリ子は何故か、もう典子を捜さないでくれと憤るのだった。不思議に思いながらも好奇心に駆られた洸治は、典子の実家のある漂津に向かった。そして、典子の義理の母と親友に会い、彼女の写真を手に入れ典子はマリ子だということを知る。マリ子は過去を知ってもらえば、洸治も自分が嫌いになるだろうと思っていた。だが徐々に洸治に魅かれ、過去を知られるのが恐くなっていたのだ。洸治はマリ子の過去を知っても、自分の気持は変わらないと告げ、その夜二人は結ばれた。しかし、愛を重ねるうちに洸治の心にこだわりが湧いてくる。彼はマリ子の体に歯と唇で印をつけた。マリ子は洸治と暮らすことになった。その事を伝えに桑山宅を訪れた彼女は、彼の妻の死を利加子から知らされる。その利加子も別の男と結婚することも……。マリ子の脳裏に桑山と出会った思い出がよぎる。彼は札幌の街を、空腹にみまわれ、さまよっていたマリ子に救いの手をさしのべ、彼女に生き直すチャンスを与えたのだ。桑山に愛されていたことを知ったマリ子は、初めて彼に抱かれ別れを告げた。翌日、就職の面接に出かけた洸治がアパートに戻ると、マリ子の姿はなく別れを記した置手紙があった。空港でマリ子を見つけた洸治に、彼女は桑山とのことを告げ旅立っていった。

今日は映画何の日?

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