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「機関車先生(1997)」のストーリー
昭和30年代の瀬戸内海・葉名島の水見色小学校に、遠く北海道から臨時の先生が赴任してきた。先生の名前は吉岡誠吾。彼は幼い頃の病気のせいで話ができず、7人の生徒たちは、そんな彼に「口をきかん」からと、機関車先生とあだ名をつけ、うちとけていく。島の経済は戦後の不景気の煽りを喰って、苦しい状況にあった。級長の妙子の一家が網元・美作重太郎の借金から島を出ていくことになり、ガキ大将の修平の父親も、少しでも借金を返そうと無理をして漁に出た東シナ海で遭難死する。厳しい現実に打ちのめされていく子供たちに、誠吾は愛情をもって接していった。ところが、美作のところの素平が仕掛けた喧嘩に手を出さず、やられっぱなしだった誠吾の姿を見て、生徒たちは先生に対する信頼感をなくしてしまう。だが夏休みに広島の浦津で行われた剣道大会で、修平たちは小学生の部に出場。誠吾も青年の部に出場し、強敵を破って優勝したことで子供たちや美作らの信用を取り戻した。しかしその後、佐古校長のもとに正規の新任教師が決まったとの連絡が入る。子供たちや島の人たちは機関車先生にいて欲しいと頼むが、誠吾は新しい先生の気持ちをおもんぱかり、故郷へ帰っていった。別れ際、修平は亡くなった父親と約束していた、大樹にひっかかった帽子を取ることに成功し、それを機関車先生に見せるのであった。