「川の流れのように」のストーリー

早春、時代に取り残されたような海辺の小さな漁師町に、ひとりの女性が引っ越してきた。女流作家・広沢百合子。自叙伝を執筆中だった彼女は、突然東京での生活を捨て、この町にやってきたのだ。自由奔放で、都会の空気をふりまくお洒落な百合子。そんな彼女を、この地に昔から暮らす老人たちは違和感と羨望の入り交じった複雑な目で眺め、決して心を開こうとはしなかった。だが彼らは徐々に、前向きに生きる百合子に影響され、それまでの無為な生活を反省し生き生きと暮らすようになっていく。そんな折、ユキが依頼していた興信所から、実は百合子の本名は春日咲子と言い、かつての網元の娘だったとの調査結果が届く。60年前、海難事故で多くの犠牲者が出た事件の責任を問われ、家族と町を追われるように出ていった百合子は、故郷への想いを捨てきれず名前を変えてこの町に帰ってきたのだ。複雑な心境の老人たち。百合子に心寄せている一平は、事件は百合子の責任ではないと説くが、家族を失ったしんこたちの気持ちには収まらないものがあった。その頃、哲司の息子の嫁が産気づいていた。知らせを受け、哲司の家に集まる老人たち。だが、折からの暴風雨で道路は寸断。仕方なく、大きな病院のある町まで船を出すことになるが、彼らの脳裡に60年前の記憶が蘇るのだった……。しかし、船は無事に町に到着。子供も産まれる。百合子が他界したのは、それから数ヶ月後のことだった。葬式を終え、彼女の住んでいた岬の家に集まった老人たちは、百合子がカメラマンになることを夢見ている地元の青年・明に託していた1本の8ミリフィルムを見る。そこには、友人たちへの想いを語る百合子の姿が映されていた

今日は映画何の日?

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