「法王の銀行家 ロベルト・カルヴィ暗殺事件」のストーリー
物語は、アンブロジアーノ銀行頭取ロベルト・カルヴィ(オメロ・アントヌッティ)が、教皇庁の複雑な金融のトリックのために不名誉なレッテルを貼られた金融業者シンドーナにとって変わる瞬間から始まる。ヴァチカン銀行IORの庇護を受けたカルヴィは、アンブロジアーノ銀行の管理を、内密の政治的取引によって負債を抱えた外国の関連会社に秘密裏に譲渡した。その違法活動に気づいた監査役のイタリア中央銀行は、息のかかった裁判官や検査官を使ってカルヴィを追い詰めていく。自殺を試みたり、裁判官に偽証させるなど、様々な策略を駆使しながら必死になって銀行崩壊を避けようとするカルヴィだが、IORは自らの地位が危うくなると見るや、その関係を否定する。愛する家族と自らを危険から守るため、数々の脅迫を受けながらもカルヴィは国外へ逃亡を果たすが、その後テムズ川のブラックフリアーズ橋の下で、首吊り死体で発見される……。