解説
音楽教育に30年間を捧げた高校教師の半生を描いた心温まる人間ドラマ。監督は「ビルとテッドの大冒険」「飛べないアヒル」のスティーブン・ヘレク。製作はテッド・フィールド、マイケル・ノリン、ロバート・W・コート。「母の贈り物」のパトリック・シェーン・ダンカンのオリジナル脚本で、スコット・クループと共同でエグゼクティヴ・プロデューサーも兼任。撮影は「ターミナル・ベロシティ」のオリヴァー・ウッド。美術はデイヴィッド・ニコルズ、編集はトゥルーディ・シップ、音楽は「未来世紀ブラジル」「ドンファン」の名手マイケル・ケイメン。使用曲はベートーヴェンの交響曲第5・第7番、バッハの『ト長調メヌエット』はじめ、ガーシュイン、レイ・チャールズ、ジョン・レノンなど多彩。主演は「アメリカン・プレジデント」のリチャード・ドレイファスで、劇中で演奏するピアノも吹き変えなしで担当。共演は「愛を殺さないで」のグレン・ヘドリー、テレビシリーズ「マーフィー・ブラウン」(NHKで放映)のジェイ・トーマス、「マグノリアの花たち」のオリンピア・デュカキスほか。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
アメリカのある田舎町の高校に就職した教師の30年間の教師人生を描いた作品。このような作品としては「長い灰色の線」なんかがある。「長い灰色の線」は単純に感動したんだけど、この映画見ていると、なんか観ている側に感動させてやろう、というような意図が見え隠れして、ちょっと引いてしまった。確かに感動物だけど。
映画のスタートから、車の形をみて1960年代だろうなあと思った。映画の途中途中で、各時代背景の映像が挿入されて、ストーリーがいつの時代かわかるようになっている。というか、そんなもん入れないでもわかるように作らんかい、とも言いたいが。それと、先生と生徒の関係をメインに持ってきている。夫婦や子どもとの関係をもっと描いてほしかった。ラスト、歌手になるためにニューヨークに行ったロウィーナが出てくるかと思ったが、それは出てこないんだ。
役者ではオリンピア・デュカキスを久しぶりに観た。1980年代に活躍していた女優だ。リチャード・ドレイファスはこの映画の頃は40代中盤くらいだろうが、若いねえ。
本当は3.4点だけど、ウルウルしたんで3.6点にした。
どなたかが書いていたけど、ほんと、邦題は意味がわからないよな。
「陽のあたる教室」のストーリー
1965年、30歳のグレン・ホランド(リチャード・ドレイファス)は作曲の時間が欲しくてバンド演奏をやめ、新設のジョン・F・ケネディ高校の音楽教師になる。だが実際に教壇に立ってみると生徒にはまるで聞く気がなく、オーケストラの授業もてんでバラバラ。彼はそんな生徒たちに音楽に興味を持たせ、彼らの心を少しでも豊かにすることに次第に熱中していく。妻のアイリス(グレン・ヘドリー)は写真の仕事で家計を助けながら夫を温かく見守る。67年に息子が生まれ、ジョン・コルトレーンにちなんでコールと名付けた。だが彼は先天的な聾者で、息子にも音楽を教えたかったホランドは深く悲しむ。ベトナム戦争でグレンの元教え子にも戦死者が出る。ホランド夫妻は息子を聾唖専門の学校に入れ、自分たちでも手話を習いだすが、アイリスの熱心さとは裏腹に、グレンは逃避するように仕事に没頭するのだった。三年生の演劇祭の出し物がガーシュインをテーマにしたレビューに決まった。グレンは主演にロウィーナ・モーガンという才能あふれる少女を見いだし、歌手が夢だという彼女を励ます。上演が成功した晩、ロウィーナは夢を実現しにニューヨークに行くから、先生も一緒に行って作曲家になれと誘う。だがグレンは昔のバンド仲間に彼女の面倒を見てくれるよう手配し、自分は町に残る。80年、ジョン・レノン暗殺。コール(ジョー・アンダーソン)は父が口の不自由な自分には音楽が分かるまいと思っていることを激しく非難する。グレンはショックを受け、聾唖者のためのコンサートに取り組む。そのコンサートで彼は息子のためにレノンの『Beautiful Boy』を手話つきで歌うのだった。95年、教育予算の削減で芸術系の授業がカットされ、グレン・ホランドは辞職する。引退の当日、過去30年間の教え子たちが学校の講堂いっぱいに集まる。60歳のホランド先生は、自分が平凡な音楽教師でいるあいだにかけがえのない豊かな“作品”を世に送りだしていたことに気づく。
「陽のあたる教室」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「陽のあたる教室」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1995 |
公開年月日 | 1996年4月27日 |
製作会社 | ポリグラム・フィルム・エンターテインメント=インタースコープ・コミュニケーション |
配給 | 日本ヘラルド映画 |
レイティング |
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