解説
その後のアメリカ文化に影響を与えた20年代N.Y.の文学サロン“アルゴルキン・ホテルの円卓”をめぐる人間模様を、詩人・作家・映画脚本家のドロシー・パーカー(1893~1967)を中心に描く時代物。監督は「チューズ・ミー」「堕ちた恋人たちへ」のアラン・ルドルフ。製作はルドルフの師匠で、彼の監督デビュー作『Welcome to LA』(テレビ放映のみ)も手掛けた、「プレタポルテ」の巨匠ロバート・アルトマン。エグゼクティヴ・プロデューサーは「プレタポルテ」のスコット・ブシュネルと、アイラ・ドイッチマン。脚本はルドルフとランディ・スー・コバーン。撮影はジャン・キーサー。美術は「モダーンズ」などルドルフ作品の常連フランソワ・セギュアン。衣裳は「ショート・カッツ」のジョン・ヘイとレニー・エイプリル。編集はスージ・エルミガー。主演は「未来は今」のジェニファー・ジェイソン・リーで、本作で全米批評家協会主演女優賞を獲得。共演は「シェルタリング・スカイ」などのキャンベル・スコット、「ケロッグ博士」のマシュー・ブロデリック、「処刑ライダー」のニック・カサヴェテス、「プレタポルテ」のリリ・テイラー、「蒼い記憶」のピーター・ギャラガー、「フォー・ルームス」のジェニファー・ビールス、「狼たちの街」のアンドリュー・マッカーシー、「ユージュアル・サスペクツ」のスティーヴン・ボールドウィンほか。また、ルドルフ作品の常連キース・キャラダインがウィル・ロジャース役で顔を見せる。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る
ユーザーレビュー
「ミセス・パーカー ジャズエイジの華」のストーリー
1937年、ハリウッド。自作自演の短編を製作中のロバート・ベンチリー(キャンベル・スコット)は、脚本家として働くドロシー・パーカー(ジェニファー・ジェイソン・リー)とその夫アラン・キャンベル(ピーター・ギャラガー)に再会する。その10数年前、パーカーとベンチリーは『ヴァニティ・フェア』誌にいたが、二人とも自分の仕事に不満だった。ドロシーの夫(アンドリュー・マッカーシー)が第一次大戦から復員したが、夫婦関係はうまく行かない。ドロシーがクビになった。彼女はすぐに、夫ではなく無二の親友ベンチリーに泣きつき、そして彼も抗議の辞任をする。二人はフリーの書き手として悪戦苦闘しながら少しずつ名声を築いていく。彼ら文士仲間はアルゴルキン・ホテルのレストランにたむろして悪名を馳せていた。やがてその雰囲気がホテルの名物になり、専用の巨大な丸テーブルが設置される。いわゆる“アルゴルキンの円卓の騎士たち”だ。仲間たちの文士劇でベンチリーの漫談が圧倒的に成功し、彼はラジオや舞台で有名人になっていく。ドロシーはチャールズ・マッカーサー(マシュー・ブロデリック)という演劇記者と恋仲になる。彼女はやがて妊娠するが、プレイボーイのチャールズには他の愛人も事欠かない。傷心のドロシーは中絶し、さらに自殺を図ってベンチリーに助けられる。ドロシーはアルゴルキン・ホテルに住むようになるが、創作の苦悩のなかで煙草とアルコールに溺れ、生活費にも困窮していく。そんな彼女を支え続けたのはベンチリーだったが、二人のあいだに肉体関係は一度もなかった。45年、ハリウッド。ドロシーはベンチリーの死の知らせを受ける。戦前は名コンビだった夫との中は破綻寸前だった。一人酒を飲みながら、ドロシーは20年代のパーティーを思い出す。仲間のシャーウッド(ニック・カサヴェテス)や、ジョージ・S・カウフマン、それにマッカーシーはそれぞれ人気劇作家になっていた。その頃からベンチリーは次第に自己破壊的な一面を見せていたが、まだ陽気で、みなに才能にあふれる時代だった。58年、ドロシーはニューヨークにいた。ますます酒に溺れ、自分は過去の遺物になりつつある彼女だが、マジョリー・P・ウェイト生涯功労賞を受賞。授賞式で彼女は「こんなもの貰うなんて……長生きなんてするもんじゃないわ」と言い残して舞台を去った。(字幕:ドロシー・パーカーは67年、74歳で死んだ。)
「ミセス・パーカー ジャズエイジの華」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「ミセス・パーカー ジャズエイジの華」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1994 |
製作会社 | ロバート・アルトマン・プロ |
配給 | 松竹富士 |
レイティング |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1996年11月上旬特別号 | 外国映画紹介 ミセス・パーカー ジャズ・エイジの華 |
1996年9月下旬特別号 | COMING SOON【新作紹介】 ミセス・パーカー ジャズエイジの華 |
1996年10月上旬号 |
特集 ミセス・パーカー 作品評 特集 ミセス・パーカー アラン・ルドルフ監督インタビュー |