さすがロバート・アルドリッチ、平凡な西部劇は作らない。この映画、ラストの決斗シーンは有名だよね。私もラストの決斗シーンのことは知っていたけど、映画を観るのは初めて。ひと味、ふた味違う西部劇にしてくれている。
まずはバート・ランカスター。あの常にニタニタしているところが良いねえ。いかにも下品さとしたたかさを表している。そして腹の中は何を考えているか判らない。一方のゲーリー・クーパー。ゲーリー・クーパーと言ったらスマートで2枚目で清潔なイメージなのに、この映画では南北戦争で敗れた南軍の将校崩れの役だ。戦争前はそれなりに大きな牧場を持っていた様だが、今は落ちぶれてメキシコくんだりまで金を稼ぎにやってきている。それまでのゲーリー・クーパーのイメージからはほど遠い。でもどこか上品さが出ている。
で、2人とも銃の腕は抜群で早撃ちの名手でもある。このベン(ゲーリー・クーパー)とジョー(バート・ランカスター)が組んで、ジョーの部下とともにメキシコ政府に雇われて、政府のお金をベラクレスまで届ける護衛役となる。途中途中で革命軍の襲撃を受けたり、お金を横取りしよとする連中と戦いながら道中は進んで行く。
カメラをローアングルで撮影したりして迫力を出している。また、革命軍が建物の上にぐるりと立って、ベン達一味を取り囲むのは圧巻だろうなあ。こういうシーンは映画館で観ないといけないよなあ。
ラストの決斗シーン、もっと溜めがあると思っていたら意外とあっさりなのね。悪役が撃たれた後、暫くして倒れるというのはこの映画以降ではないか。日本映画でも斬られた側がゆっくりと倒れるのもこの映画からではないか。
バート・ランカスターは個性派俳優でいろいろ出ていたけど、やっぱりヴィスコンティ映画に出たのは大きかったよね。個人的には「フィールド・オブ・ドリームス」で老齢となった彼が出てくるのが好きなんだけど。
アーネスト・ボーグナインも良いねえ。チャールズ・ブロンソンは気がつかなかった。