解説
第二次大戦も終わりに近い1944年のイタリア中部、トスカーナ地方を舞台に、連合軍を求めての脱出の旅に命を賭ける村人たちの姿を描く。製作はジュリアーニ・G・デ・ネグリ、製作主任はルチアーノ・バルドゥッチ、監督は「父 パードレ・パドローネ」のパオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ兄弟、脚本はタヴィアーニ兄第とジュリアーニ、脚本協力はトニーノ・グエッラ、撮影はフランコ・ディ・ジャコモ、音楽はニコラ・ピオヴァーニ、編集はロベルト・ペルピニャーニ、美術はジャンニ・ズバッラが担当。出演はオメロ・アントヌッティ、マルガリータ・ロサーノ、ミコル・グイデッリ、ノルマ・マルテッリ、クラウディオ・ビガリ、ミリアム・グイデッリ、レナータ・ザメンゴ、マッシモ・ボネッティ、サビーナ・ヴァヌッキなど。
ユーザーレビュー
「サン・ロレンツォの夜」のストーリー
イタリア中部のトスカーナ地方では、8月10日、聖ロレンツォの日の夜は、愛する人のために流れ星に願いをかけると叶うという言い伝えがあり、この夜も、チュチリアは、愛するわが子に、自分が6歳の時に体験した出来事を聞きとどめてくれることを願って回想するのだった。それは、第二次大戦も終わりに近づいた1944年の夏にさかのぼる。ドイツ軍の占領とファシスト支配が続く中部では、連合軍の北上が待たれていた。この地方の小さな村、サン・マルティーノの郊外の教会では、徴兵を拒否したコラード(クラウディオ・ビガリ)と、すでに身重のペリンディア(ミリアム・グイデッリ)のささやかな結婚式が行なわれていた。そのころパルチザンのニコラ(マッシモ・ボネッテイ)が、仲間のブルーノ(M・スバッリーノ)とフィレンツェから帰ってきた。傷ついたニコラを送り届けたブルーノは、自分の村へと帰っていった。ドイツ軍司令部は人家を爆破することを決定し、村人の全員を教会に集合させる。村の司教からそのことを聞いた人々は、大聖堂に向かうが、ガルヴァーノ(オメロ・アントヌッティ)は、ドイツ軍の罠かもしれないと考え、この村を脱出して連合軍を探しに行こうと決意する。ガルヴァーノと彼に従う一行は日没を待って出発した。チェチリア(ミコル・グイデッリ)も母のイヴァーナ(N・マルテッリ)と一緒にそれに加わった。一方、脱出した一行がいると知ったファシストは、追跡を開始した。ベリンディアの陣痛がはじまり、彼女は母親と村に戻ってゆく。そしておじけずいた者たちが大聖堂ヘと戻っていった。居残り組と戻って来た者たちで、大聖堂ではミサが行なわれた。突然、大爆音が轟き、多くの人々が傷つき、ベリンディアは息絶えた。ガルヴァーノ達は、米軍の居場所を知っているというダンテ(M・モンニ)という人物が率いるパルチザンを求めてアルノ川沿いを進んだ。小麦畑でダンテとその一行に出会ったガルヴァーノらは、彼らと行動を共にする。 翌朝、早起きして友だちと畑に行ったチェチリアは、そこで、二人の米兵にあい、ガムをもらう。一団に戻ったチェチリアは、米軍がいたことを知らせ、人々は喜々としてその場に急ぐが、すでに米兵は姿を消していた。そして人々は、そこにファシストの一団が来ていることを知る。激しい銃撃戦が始まった。チェチリアは仲間たちが次々に死んでゆくのを目のあたりにした。そしてファシストの親子も死んでいった。その夜、ガルヴァーノたちは、サン・タンジェロの村に行き疲れを癒した。ガァルヴァーノはコンチェッタ(マルガリータ・ロサーノ)と同室することになり、彼女に、幼い頃から想いを寄せていたことを告白した。そして二人は結ばれた。翌朝、米軍の第五師団が、この地方の町や村を解放したという知らせが入った。サン・マルティーノに帰る準備をする人々。しかし、ガルヴァーノは、ただ一人この村に残るのだった。話し終えたチェチリアの部室の窓の外では、流れ星が光った。
「サン・ロレンツォの夜」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「サン・ロレンツォの夜」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 戦争 |
製作国 | イタリア |
製作年 | 1982 |
公開年月日 | 1983年2月11日 |
製作会社 | RAI=アゲル・チネマトグラフィカ |
配給 | フランス映画社 |
レイティング | |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | カラー/スタンダード |
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