解説
「実験的、芸術的、冒険的、半SF」とゴダール自身が名付けた、SFによる文明批評映画。監督・脚本・脚色・台詞は「ウィークエンド(1967)」のジャン・リュック・ゴダール、撮影は「ウィークエンド(1967)」のラウール・クタール、音楽はポール・ミスラキ、録音はルネ・ルヴェール、編集はアニエス・ギュモがそれぞれ担当。出演は「左利きのレミー」のエディ・コンスタンティーヌ、「ジュスチーヌ」のアンナ・カリーナ、「トプカピ」のエイキム・タミロフ、他にハワード・ヴェルノン、クリスタ・ラングなど。一九六五年ベルリン映画祭グランプリ、同年トリエスタSF映画祭グランプリ受賞作品。
映画館で観る
配信で観る
TVで観る
ユーザーレビュー
「アルファヴィル」のストーリー
一九八四年のある晩、左利きの探偵レミー・コーション(E・コンスタンチーヌ)は、地球(外界)から九〇〇〇キロはなれた星雲都市アルファヴィルに到着した。彼の任務はブラウン教授(H・ヴェルノン)を救い出すか、不可能ならば殺すことと、先に派遣されて消息を絶ったアンリ(A・タミロフ)の行方を探索することだった。ホテルにつくや、レミーは誘惑婦(C・ラング)の誘いを受けめんくらってしまった。こればかりではなく、この都市はどこかおかしかった。新聞も雑誌もなく、人々はアルファー60という電子指令機の命令のままに動いていた。やがて、彼の前に教授の娘ナターシャ(A・カリーナ)が接待係として現われた。彼女はしきりに外界の話に興味を示すのだった。その後、レミーは苦労をしてアンリを探しあてたが、彼はアルファー60の洗脳的拷問によって廃人同様の姿になっていた。その彼が息を引きとる直前、アルファビルは思考構造が全く符号化された人間の住む世界で、アルファー60の目標は完全なる技術社会であることをレミーに告げた。ナターシャに案内されたレミーは、ブラウン教授が祭司を務める公開死刑を見学した。これは、論理を尊重せず感情を抱いた人間たちを殺すショーであった。レミーはそこで教授にインタビューを申し込もうとしたが、その為に逮捕されアルファー60の訊問をうけた。アルファビルはブラウン教授一派の力で急速な発展をみせたが、彼等も機械の奴隷にすぎなかった。釈放されたレミーはホテルに戻り、ナターシャにエリュアールの、「苦悩の首都」を読んで聞かせた。“愛”“悲しみ”“やさしさ”という言葉の意味を彼から聞いたナターシャは、過去に自分が父親と一緒に誘拐されて来たことを思い出していった。そして、遂に正体を見破られたレミーが拷問されるのを見て、思わず涙を流した彼女は、反逆罪で告発された。そこで、レミーは一挙に反撃に出た。教授を射殺、アルファー60を破壊した彼は、自爆寸前のアルファビルを後に、ナターシャと脱出した。いま、地球に向う車の中で、ナターシャは初めてレミーに「愛する」という言葉をかけるのだった。
「アルファヴィル」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|
「アルファヴィル」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | SF |
製作国 | フランス イタリア |
製作年 | 1965 |
公開年月日 | 1970年5月30日 |
上映時間 | 99分 |
製作会社 | ショミアーヌ・プロ=フィルム・ストゥディオス |
配給 | ATG |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダード |
音量 | モノラル |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1994年7月上旬特別号 | グラビア アルファヴィル |
1966年10月下旬号 | 邦洋異色シナリオ アルファヴィル |
1970年7月上旬夏の特別号 | 映画批評 アルファヴィル |