解説
跳梁跋扈するマフィアの黒い手に操られるイタリアの社会機構。その魔手に侵された警察権力の脆弱と男の正義を描く。監督は「禁じられた恋の島」のダミアーノ・ダミアーニ。ダミアーニとフルヴィオ・ジッカの原案をダミアーニ自身とサルバトーレ・ラウリーニが共同脚色。撮影はクラウディオ・ラゴーナ、音楽は「昨日にさようなら」のリズ・オルトラーニ、編集はアントニオ・シチリアーノが各々担当。出演は「続荒野の用心棒」のフランコ・ネロ、「小さな巨人」「キャッチ22」のマーティン・バルサム、「キャンディ」のマリル・トロ、クラウディオ・ゴーラ、アルトゥーロ・ドミニチ、ミシェール・ガンミノ、ルチアーノ・ロルカス、ジャンカルロ・プレートなど。日本語版監修は高瀬鎮夫。テクニカラー、テクニスコープ。
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ユーザーレビュー
「警視の告白」のストーリー
マフィアの大物フェルジナンド・ロムンノ(A・ドミニーチ)は政財界の要人に深く食い入り、これを意のままに操っていた。警察署長ジャコモ・ボナビア(M・バルサム)は、親友リツォ(G・プレート)をロムンノに惨殺された過去をもち、以来、復讐を誓ったボナビアは、警官になると数回にわたりロムンノを逮捕したが、強力な組織をたのむロムンノは、いささかの傷手も負わなかった。執念のかたまりとなってロムンノを追うボナビアは、妹セレナ(M・トーロ)を凌辱された怨みをもち、いまでは精神に錯乱をきたしている殺し屋リ・プーマ(L・ロルカス)の犯罪者心理につけいり、ロムンノ殺害のための傀儡に仕たてあげ、収容所から解き放した。あやつられるが如くロムンノの事務所におどりこんだプーマは、三人の殺し屋の銃弾を浴びて倒れた。既にロムンノは姿を消していたのである。長官マルタ(C・ゴーラ)が差し向けた若い検事補トレイニ(F・ネロ)は、正義感をたぎらせて捜査に踏み入った。ベテラン警察署長と若き検事補がお互いに深い信頼感を抱き始めた頃、ロムンノはボナビア失墜を狙って策をめぐらした。トレイニは、このロムンノの画策にひっかかり、ボナビアの仕組まれた犯罪証拠を信じこみ、ボナビアに逮捕状をつきつけた。解雇されたボナビアは、檻から解き放たれた獣のように猛り狂い、街はずれの船着場でロムンノを発見するや、積もり積った怨念を打ち払おうとするように無数の弾丸を全身にぶち込んだ。凄まじい執念のこもった敢行を目にして、トレイニは、再びボナビアへの信頼を取り戻した。開廷されたボナビアの裁判に、重要参考人として召喚されたセレナが絞殺死体となって発見された。獄中のボナビアを訪れたトレイニは、話が進むうち、驚くべき事実につきあたった。セレナ殺害の夜セレナからトレイニに電話があった時、最初に電話を受けたのはマルタ長官だったのだ。熱気したトレイニはマルタ長官と対峙した。しかし自信に満ちたマルタ長官は、いささかの動揺も示さなかった。トレイニに冷笑を浴びせてマルタ長官は裕々と引きあげた。ちょうどその頃獄中のボナビアに、同房の二人の囚人の異様な目がそそがれ、廊下を移動しようとしたボナビアは突然、鋭い刃物で腹をえぐられた。
「警視の告白」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「警視の告白」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | イタリア |
製作年 | 1971 |
公開年月日 | 1971年11月11日 |
製作会社 | ユーロ・インターナショナル・フィルム |
配給 | 松竹映配 |
レイティング | |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
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