解説
ドイツの雑誌クイックに連載されたヘルベルト・ライネッカーの同名小説の映画化で、敗戦の混乱の中に生きる母親の美しさを描いた一篇。ギュンター・リッタウが脚色、「進め! ベンガル連隊」のラズロ・ベネデクが監督した。撮影監督はルドルフ・フィットナーとゲオルク・ジーベルト、撮影はギュンター・ゼンフトレーベン、音楽はヴェルナー・アイスブレナー。製作には、「カリガリ博士」「会議は踊る」などの製作者エリッヒ・ポマーが当っている。主演はテレーズ・ギーゼ(この映画で五五年度ベルリン映画祭に主演女優賞を獲得)、「街道強盗」のハンス・クリスチャン・ブレッヒ、「誰が祖国を売ったか!」のアリス・トレフなど。
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ユーザーレビュー
「戦場の叫び」のストーリー
一九四五年三月、後退する東部戦線によってごったがえす小さな駅。西部への最後の列車に乗ろうと、各地から人々が集った。その中で、疎開児童につきそうアスムッセン(ヒルデ・クラール)は夫を戦争で失い、昨夜一人の息子を戦線に送った。もう一人の先生ベルクマン(テレーズ・ギーゼ)も二人の子供が出征した淋しい身で、これに女医、若い裁縫師とその弟が一団に加わった。彼女たちはベルクマンに率いられ、前戦の司令部に出頭し、児童の安全を守るため将軍(エヴァルト・バルザー)に自分たちの出征している息子を返してくれと懇願する。だが、息子たちの属する第二大隊は前線で連絡もとれない。意を決したベルクマンたちは、危険を犯して前線に行き、大隊長(ベルンハルト・ヴィッキ)に会って息子たちと面会することができた。だが若者は誰一人帰ろうとしない。戦争はすでに敗北し、彼らは絶望しているのだ。アスムッセンは隊長を説得し、冷い命令よりもむしろ人間的な決断を求めるうち、二人の間には愛情がめばえた。だが激しい攻撃の関始--。若者たちははじめて戦争の恐怖を知ったが、陣地はすでに包囲されている。後退の命令はなかったが、意を決した隊長は、彼女と息子たちをつれて、包囲を突破、撤退した。将軍は隊長の誠意を理解したが、軍人としての義務から、隊長を拘禁しようとする。だが、再びはじまった敵の攻撃に、将軍は隊長と息子たちの一隊に前進命令を下す。死地へ行く男達を見ながら、母親達には戦争への怒りが燃え上る。
「戦場の叫び」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「戦場の叫び」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 戦争 |
製作国 | ドイツ オーストリア |
製作年 | 1955 |
公開年月日 | 1957年11月19日 |
製作会社 | エリッヒ・ポマー・プロ=A・フレイ・プロ |
配給 | 東映=映配 |
レイティング | |
カラー/サイズ | モノクロ |
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