解説
「二百万人還る」のジャン・ドレヴィルが一九五四年に監督した色彩王朝劇でカソリックとプロテスタントの闘いを描く。アレクサンドル・デュマの原作から「楽聖ベートーヴェン」のアベル・ガンスが映画用ストーリーを書き、「女性の敵」のジャック・コンパネーズが脚色に当った。台辞も同じく「女性の敵」のポール・アンドレオータである。イーストマンカラーの撮影は「女性の敵」のロジェ・ユベールと「鉄路の斗い」のアンリ・アルカンの共同、音楽は「妄執の影」のポール・ミスラキ。出演者は「現金に手を出すな」のジャンヌ・モロー、「七つの大罪」のフランソワアズ・ロゼェ、イタリア俳優アルマンド・フランチオーリ、ロベール・ポルト、アンリ・ジュネス、アンドレ・ヴェルシーニらである。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る
ユーザーレビュー
「バルテルミーの大虐殺」のストーリー
一五七二年八月二十四日ルウヴル宮でシャルル九世の妹マルゴ王女(ジャンヌ・モロー)と新教徒のナヴァル公アンリとの結婚式が行われた。これは十二年にわたる新旧両教徒の争いに終止符を打つべき政略結婚であり、更に宮廷の実権を握る太后カトリイヌ(フランソワーズ・ロゼー)は、ひそかに新教徒大虐殺を計画していた。パリのナヴァル公へ危険を告げる密書を携えて馬を急がせる青年貴族ド・ラ・モオル伯(アルマンド・フランチオーリ)は、やはりパリの旧教派の首魁ド・ギイズ公の許へ急ぐ貴族ココナスと知り合った。パリへ着いたド・ラ・モオルは新教徒の大物コリニを狙撃しようとする犯人を追って城内に入り、偶然、ひそかに慕っていたマルゴ王女に会った。しかし、ド・ラ・モオルは彼の用件を聞いた王女がナヴァル公を呼びに行っている間に旧教派一味に捕えられ密書を奪われてしまった。太后カトリイヌは息子シャルル九世やド・ギイズ公らと計って聖バルテルミイの夜新教徒虐殺の命を下し、城の内外は修羅の巷と化した。牢を脱れたド・ラ・モオルは群がる敵を相手に奮戦したがココナスのために重傷を負い、危ういところをマルゴ王女の寝室にかくまわれた。ド・ラ・モオルに愛を感じるようになったマルゴは、彼をかくれ家へ送って養生させたが、ここには王女の侍女アンリエットに助けられたココナスも来ており、二人は宗教を超えて無二の親友となった。ある夜、黒いマスクをした二人の遊女がかくれ家を訪れたが、実は遊女に身をやつしたマルゴと侍女で、この夜マルゴとド・ラ・モオルはかわらぬ愛を契った。一方、新教徒ナヴァル公を暗殺しようとする太后は砒素をしみこませた本を彼に贈ったが本は誤って太后の息シャルル九世の手に渡った。ナヴァル公は身の危険を感じ、シャルル九世の催した狩猟を利用して脱出しようとしたが失敗、応援にかけつけたド・ラ・モナルとココナスは逮捕された。砒素の毒に冒されたシャルル九世は死の直前に正義に目ざめ、後事をナヴァル公に托して逝去した。ド・ラ・モオルとココナスはマルゴ必死の努力も空しく遂に断頭台上の露と消えた--。マルゴ王女を伴って一旦都を離れたナヴァル公は数年後即位してアンリ四世となった。
「バルテルミーの大虐殺」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|
「バルテルミーの大虐殺」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | 歴史劇 |
製作国 | フランス |
製作年 | 1954 |
公開年月日 | 1955年3月29日 |
製作会社 | ルックス=ヴァンドオム |
配給 | 泰西映画=新外映 |
レイティング | |
カラー/サイズ | カラー |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1955年3月上旬号 | 外国映画紹介 バルテルミーの大虐殺 |
1955年3月下旬号 | グラフィック バルテルミーの大虐殺 |
1955年5月下旬号 | 外国映画批評 バルテルミーの大虐殺 |