解説
ジュール・ヴェルヌの小説『中国での中国人の苦難』(Tribulations of a Chinese in China)をダニエル・ブーランジェとフィリップ・ド・ブロカが脚色、「リオの男」のフィリップ・ド・ブロカが監督したアクション編。撮影はエドモン・セシャン、音楽は「柔らかい肌」のジョルジュ・ドルリューが担当した。出演は「リオの男」のジャン・ポール・ベルモンド、「何かいいことないか子猫チャン」のウルスラ・アンドレスのほかに舞台出身のジャン・ロシュフォール、ヴァレリー・インキジノフなど。製作はアレクサンドル・ムヌーシュキンとジョルジュ・ダンシジェール。
「カトマンズの男」のストーリー
莫大な父の遺産をもち、あらゆる快楽にあき果てて、生きている意義も見出せないという現代の退屈男アルチュール(J・P・ベルモンド)は、自殺方法の研究をしては実行しているがいつも失敗している。彼は一家と共に世界一周航海にでて、香港についた時、株の大暴落で破産したことを告げられた。これで自殺の名目ができたと喜んだのも束の間、中国人の友人ゴーに止められた。どうせ死ぬなら有意義に死ねと言い、彼に二百万ドルの生命保険をかけた。そして一ヵ月以内に優雅に殺してあげるというのだ。その直後からアルチュールの行くところ、常に怪しい二人の尾行者がつきまとうのだった。そうなると自殺志願者のアルチュールも生命の危険を感じて、懸命に逃げまわるというおかしな話になった。港のバーに逃げこんだ時、ストリッパーのアレキサンドリーヌ(U・アンドシス)にかくまってもらった。彼女は考古学者のタマゴで、アルバイトにストリッパーをやっているのだという。彼は一目で好意をもったが、恋を語っているヒマはない。ゴーともう一度話し合おうとしたが氏は不在。彼を追ってネパールへ行った。例によって二人の尾行者がついてくる。だが調べてみると二人は保険会社がつけたボディ・ガードだった。そしてアルチュールの生命を狙っているのは、保険金を狙うアルチュールの婚約者の母から殺しの依頼を受けた香港ギャングのボス、フォリンスターだった。本格的殺し屋に狙われる運命となったアルチュールはアレキサンドリーヌと共に、はでな市街戦を行い、中国海に脱出。マレーのジャングルでも大奮戦。そしてついにフォリンスターに打ち勝った。アレキサンドリーヌと共にやっと生きる喜びを得たのも束の間、破産宣告は間違いだったことがわかり、またまた昔どおりの退屈男にもどってしまうのだった。
「カトマンズの男」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「カトマンズの男」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | アクション |
製作国 | フランス イタリア |
製作年 | 1965 |
公開年月日 | 1966年5月14日 |
製作会社 | レ・フィルム・アリアニ=ヴィディス・フィルム |
配給 | 日本ユナイト映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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