解説
15歳の少女と中国人青年の愛人関係を描く、マルグリット・デュラス原作の自伝的ベストセラー小説の映画化。監督は「子熊物語」のジャン・ジャック・アノー、製作は同作のクロード・ベリ、脚本はアノーとやはり「子熊物語」のジェラール・ブラッシュの共同、撮影はロベール・フレス、音楽は「カミーユ・クローデル」のガブリエル・ヤーレが担当。
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ユーザーレビュー
「愛人 ラマン」のストーリー
1929年、フランスの植民地インドシナ(現在のヴェトナム)。メコン川をゆったりと渡る船の上で、田舎町サデックの自宅から寄宿舎のあるサイゴンに帰る途中の少女(ジェーン・マーチ)に、黒いリムジンから降りてきた中国人の男性(レオン・カーフェイ)が声をかけた。男は32歳で、この植民地で民間不動産の全てを掌握している華僑資本家の息子だという。少女は何となく興味をひかれ、男の車に乗り込んだ。その日から男は毎日リムジンで少女の学校の送り迎えのために現れた。ある日、少女は誘われるままに、中華街ショロン地区の騒がしい通りにある薄暗い部屋に連れていかれる。秘密めいたその部屋で、少女は誘うように男を求め、男は少女を抱いた。こうして始まった2人の愛人関係は、誰にも知られることなく続いていく。少女の父親は植民地で死に、母親(フレデリック・マイニンガー)が貯金をはたいて買った土地は詐欺にあい耕作不能地であった。生きていくために母親は小学校を経営しているが、上の兄(アルノー・ジョヴァニネッテイ)は阿片で働く意欲を失い、下の兄(メルヴィル・プポー)をいじめ抜いている。異国の地での貧しい暮らしに家族の心はすっかり荒んでいた。母親は娘の変化に気づきながらも、娘を通して金品を援助してくれる男を黙認するしかなかった。激しい欲望に引きずられるように重ねてきた2人の逢瀬だったが、ピリオドを打つ時がやってきた。男は父親の命令通り中国の富豪の娘と結婚式をあげ、少女は家族とともにフランスに帰国することになった。「金のために抱かれたと言ってくれ」「お金のために貴方に抱かれたわ」。フランスへの旅立ちの日、船の上から男のあの黒いリムジンが見えたとき、「男を愛していたのかもしれない」とふと思った少女は、初めて涙を流した。
「愛人 ラマン」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「愛人 ラマン」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ラブロマンス |
製作国 | フランス イギリス |
製作年 | 1992 |
公開年月日 | 1992年5月9日 |
上映時間 | 116分 |
製作会社 | レン・プロ=ティモシー・バリル・プロダクション |
配給 | 日本ヘラルド映画 |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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