ラヴィ・ド・ボエーム

らびどぼえーむ La Vie de boheme
上映日
1992年7月18日

製作国
フィンランド

制作年
1992
上映時間
103分

レーティング
一般映画
ジャンル
ドラマ

check解説

パリを舞台に、3人の芸術家のボヘミアン生活を描く。監督・製作・脚本は「コントラクト・キラー」のアキ・カウリスマキ、原作はアンリ・ミュルジェールの小説『ボヘミアン生活の情景』(Scenes de la vie de boheme)、撮影はティモ・サルミネンが担当、音楽はセルジュ・レジアニが歌う「僕は飲む」、しのはらとしたけが歌う「雪の降る町を」などの既成曲を使用している。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     過去に公開時と1993年1月の2回観ているんだけど、殆ど内容を覚えていませんでした。あの鱒を食べるところ、双頭の鱒の絵面は覚えていた。
     売れない芸術家3人とそのうちの1人画家のロドルフォ(おなじみマッティ・ペロンパー)とミミの恋愛映画だ。よくあるストーリーで最後は...。これもコメディタッチで描いているけど、悲劇かもしれないね。アキ・カウリスマキが作っているんでそんなに感情移入するでもなく、淡々とラストに持って行く。
     殆どの映画紹介サイトではフィンランド製作となっているが、舞台がフランスで台詞もフランス語、役者もフランス人が多く出ており、製作がフィンランドだけという事はないだろう。ちなみにウェキ先生は他にスウェーデン、フランス、ドイツも製作国としてあげているが。
     それにしても相変わらず、美男美女が出ないなあ。もっと美しい女優を出せば良いのに。ペネロペ・クルスくらいの美人が出ていればもっとのめり込んだのに(大向こうからルッキズム野郎とぼろくそに言われそう)。でもカウリスマキ映画では浮いてしまうか。
     出演者にルイ・マルやサミュエル・フラーが出ている。あのレストランのシーン、なんか見た顔だなと思ったらルイ・マルだったんだ。サミュエル・フラーはあの金持で雑誌の編集を頼む爺さんだ。ジャン=ピエール・レオは「コントラクト・キラー」に続いての出演だ。カウリスマキがもうヨーロッパでは確かな評価を得ている証拠だろう。
     主人公ロドルフォの設定がアルバニアからの不法移民の設定であり、フランスではこの頃にはすでにアルバニア人の移民が来ていたんだ。「96時間」でアルバニア移民の犯罪集団を相手にしていたが、アルバニアの1990年前後の民主化以来移民が増えていたのだろう。
     で、ここまで映画の内容のこと、殆ど書いていない。うーん、いまいちかな。アキ・カウリスマキらしいとぼけた雰囲気で作られているのだが、ストーリー展開が単純でありきたりの悲恋物語になってしまっている。もう一ひねりほしかったな。
     映画の途中でカップル3組でピクニックに行くシーンがあるのだが、川辺で遊んでいる映像はジャン・ルノワールの「草の上の昼食」を思い出す。
     ラストに日本語の“雪の降る町を”が流れる。アキ・カウリスマキが特に日本に造詣が深いと言うのではなく、映画のラストにあう音楽がたまたま“雪の降る町を”だったのだろう。だって、カウリスマキの映画ってバンバン、ロックやジャズやカントリーがかかりまくっているから。特にフィンランドの音楽をって拘っていない。そういや、この曲が流れていたの、なんとなく思い出した。

「ラヴィ・ド・ボエーム」のストーリー

芸術家の町、パリ。作家のマルセル(アンドレ・ヴィルムス)は家賃不払いのためアパルトマンを追い出され、途方に暮れて入ったレストランでロドルフォ(マッティ・ペロンパー)というアルバニアからやって来た画家に出会い、意気投合する。芸術談議に花が咲いた2人はそのままマルセルのアパルトマンへ戻るが、そこには既に次の住人、音楽家のショナール(カリ・ヴァーナネン)が。かくして3人のボヘミアンな生活が始まった。やがてマルセルは新聞王ガソット(サミュエル・フラー)をだまして雑誌編集の仕事を手に入れ、ロドルフォにも肖像画を依頼してきた資産家のブランシュロン(ジャン・ピエール・レオー)というパトロンが見つかった。さらにロドルフォは隣室の友人を訪ねてきた女性ミミ(イヴリヌ・ディディ)と知り合い、2人の間に恋が芽生える。一時は不法在留がばれ、ロドルフォはアルバニアに強制送還され、その間ミミは別の金持ちの男とつきあっていたが、ロドルフォがパリに戻ってくると2人のよりもまた戻る。こうしてロドルフォ、ミミ、マルセル、その恋人ミュゼット(クリスティーヌ・ムリーニョ)、ショナール、そしてロドルフォの愛犬ボードレールたちの、束の間だが幸福な生活が続いた。だが雑誌の赤字が続きマルセルはガソットに見捨てられてしまい、貧乏な生活に愛想がついたミュゼットは故郷の地主に嫁ぐことを決め、ミミも前の恋人のところに戻ってしまう。再び3人に戻った男たちは、味気ない日々を送ることとなった。時が流れ、ミミが再び彼らのもとに姿を現わした。彼女は不治の病に冒されていた。男たちは全てを投げ売って手術費用を稼ぎ、ミミを入院させるが、花が咲く美しい季節の訪れとともに遂にミミは帰らぬ人となる。「ひとりにしてくれ」と呟くロドルフォ。静かに病院をあとにする男たちの後ろ姿に、「雪の降る町を」の歌がかぶさっていく…。

「ラヴィ・ド・ボエーム」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「ラヴィ・ド・ボエーム」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 フィンランド
製作年 1992
公開年月日 1992年7月18日
上映時間 103分
製作会社 スプートニク
配給 シネセゾン
レイティング 一般映画
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ モノクロ/ビスタ
音量 モノラル

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