解説
先住民のインディアンとカトリック神父との間の確執を単なる白人文化の勝利として終わらせず、現代における民族、宗教等の社会的問題までをも視野に入れて描いた問題作。異なる文化圏へ布教に向かう神父の苦悩、逡巡が、カナダの壮大で圧倒的な美しさを誇る自然の風景を背景に描かれている。92年カナダ・アカデミー賞で最優秀監督賞・最優秀作品賞など計6部門を受賞。監督は「ドライビング・MISS・デイジー」で90年アカデミー賞最優秀作品賞に輝いたブルース・ベレスフォード。エグセクティヴ・プロデューサーは「ドライビング・MISS・デイジー」、「炎のランナー」、「ガンジー」、「ダンス・ウィズ・ウルブス」等を手懸けたジェイク・エバーツ。原作・脚本は、ヒッチコックの「引き裂かれたカーテン」などの脚本を手懸けたブライアン・ムーア。音楽は「リトル・ロマンス」で79年アカデミー最優秀音楽賞を受賞し、「アメリカの夜」、「日曜日が待ち遠しい!」などのフランソワ・トリュフォーとのコンビが有名なジョルジュ・ドルリューで、92年3月に死去した彼の映画音楽の遺作となった。出演は「モントリオールのジーザス」のロタール・ブルトー、「モアイの謎」のサンドリーヌ・ホルトなど。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
TVで観る
ユーザーレビュー
「ブラック・ローブ(1991)」のストーリー
1634年、ケベックではインディアンへの布教活動がカトリック教会によって行なわれていた。黒い僧衣のため“ブラック・ローブ”と呼ばれる伝道師ラフォーグ(ロタール・ブルトー)は、ヒューロン族の住む村への伝道の旅を命じられる。彼の道先案内人はチョミナ(オーガスト・シュレンバーグ)率いるアルゴンキン族の者達であった。大工のダニエル(エイデン・ヤング)を供に連れたラフォーグの旅が始まる。道中、呪術師にラフォーグは悪魔だと聞かされたチョミナ達はラフォーグを置いて、立ち去ってしまう。チョミナの娘アヌーカ(サンドリーヌ・ホルト)を慕うダニエルもまた彼の元を去ってしまうが、ラフォーグとの約束を破った事を恥じるチョミナはアヌーカやダニエル等を連れて、彼の元に戻る。戻ったチョミナ等とラフォーグはそこでイロコイ族の襲撃を受け、捕らえられ、拷問を受ける。夜、隙を狙って彼らは逃亡に成功する。河に辿り着いたラフォーグ等であったが、チョミナは拷問によって傷つき、目前の死を自覚し、ラフォーグ等に先へ向かうよう命じる。チョミナを置いて、先に進むラフォーグ等であったが、アヌーカは彼にチョミナの予言では彼がこれから独りで行く事になっていると告げる。それを承諾したラフォーグは、ダニエルとアヌークと別れ、旅立ち、ヒューロン村へと辿り着く。ヒューロン村では疫病が襲っており、ジェローム神父が洗礼の儀式によって病が治ると村人達に言聞かせていた。ラフォーグはジェローム神父に反発を感じるが、やがて自ら洗礼の儀式を始める。
「ブラック・ローブ(1991)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|
「ブラック・ローブ(1991)」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | 社会派 |
製作国 | カナダ |
製作年 | 1991 |
公開年月日 | 1995年5月13日 |
製作会社 | アライアンス・コミュニケーションズ |
配給 | ケイエスエス |
レイティング |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1995年5月上旬号 | グラビア 《New Releases [新作映画紹介]》 ブラックローブ |
1995年7月上旬夏の特別号 | 劇場公開映画批評 「ブラック・ローブ」「告白」 |