解説
組長の命令で新人歌手売り出しに狂奔するやくざの姿を描く。小林信彦原作の同名小説の映画化で、脚本は「アイコ十六歳」の内藤誠と桂千穂の共同執筆、監督は「“BLOW THE NIGHT!” 夜をぶっとばせ」の曽根中生、撮影は「のぞき」の鈴木耕一がそれぞれ担当。
ユーザーレビュー
「唐獅子株式会社」のストーリー
三年ぶりに刑務所から出所した須磨組組員ダーク荒巻は、島田組のチンピラに襲われ、九死に一生を得てようやく組の所在地にたどりついた。ところが、そこには、「唐獅子通信社」の見慣れない看板が……。親分の新し物病が始まったらしく、兄貴分の哲は専務と呼ばれ、組の様相は一変していた。翌日、ダークの出所祝が須磨邸で開かれた。シェフは親分の長男・安輝。コック姿で料理を運びやくざ稼業には全く関心がない。そこへ親分の娘・輝子が現れ、「これからはビデオの時代」と提案する。かくて、唐獅子ビデオの看板が掲げられた。さらに、親分は芸能社を作り、どこで見つけてきたのか新人歌手・伊吹ひとみを東京のテレビ局主催のスーパースターコンテストで優勝させろと命令する。ところが、ひとみは体は魅力的だが、歌の方はカラッきしダメ。そして、ダークがマネージメント、原田が歌のレッスンを担当することになった。デビュー曲も出来上がり、東京へ飛んだダークたちは、クラブでまずテレビ局のプロデューサーと評論家を買収する。そこに島田組が現われ、三人は捕まり、監禁された。翌朝、やっとの思いで抜けだしたダークたちは、コンテスト会場にギリギリで到着し、「唐獅子ロック」を歌ったひとみは優勝した。その夜、ダークの自分への愛の独り言を聞いたひとみは、彼に抱いてくれと告げるが断られ外に飛び出した。大阪に戻ったひとみは哲の前で、ダークにベタベタする。ある日、島田組がひとみのマンションにやって来た。居合わせたダークとひとみは逃げだし、やがてモーターボートでの闘争が始まった。そこに、島田組とダークの争いを心配していた栗林警部補が助けに入り、足をゲガする。次の日、栗林を見舞ったダークとひとみは、奥さんに死なれ子供をたくさん抱えて困っている彼の姿を見た。坂津音楽祭当日、子供を連れてお祝いにかけつける栗林に、意を決してダークは「ひとみはあんたが好きだから嫁にもらってくれ」と頼む。そんなダークを哲が「よくやった。惚れた女を他人に渡すはのつらい」と慰めるのだった。
「唐獅子株式会社」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「唐獅子株式会社」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1983 |
公開年月日 | 1983年12月17日 |
上映時間 | 102分 |
製作会社 | 東映東京 |
配給 | 東映 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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