解説
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【DVD】小林多喜二 ≪HDニューマスター版≫
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
そりゃあ監督が今井正なら観るわなあ。で、失望してしまう。
小林多喜二の伝記映画で、彼の情報があまりないのであろうか、彼の書いた作品から引用しながら描いている。狂言回しを置いて時々現在の風景を撮すのも尺稼ぎであろうか、あるいは多喜二情報の不足部分を補完する意味もあったのだろうか。
映画の冒頭でいきなり多喜二が警察に捕まり、拷問死するところから始まる。ところで話は変わるが「裏切りのサーカス」では、スパイが敵に捕まった時に備えて、あらかじめ白状してもいい情報を決めている、と言う。多喜二達もそういう機知をきかしていれば死ななかったかも。まあ、あの時代に素人集団では無理だろうけど。
閑話休題。彼の屍を見ながら突然狂言回しが出てきて話が始まる。この狂言回しが現代と多喜二の時代を行ったり来たりしながら話が進んで行く。この狂言回しが現在の多喜二の記念碑を紹介しているのだが、そこにあたかも観光客の様に訪問している人達がいるが、これは仕込みだろう。と言うか、仕込みは当たり前なんだけど、あまりにも仕込みが見えすぎて引いてしまう。
小林多喜二は戦前、非合法化されていた共産党の党員だったが、その党の活動があまり描かれていない。どのくらいの組織でその中で多喜二はどのくらいの意味を持っていたのかがあまり判らない。なんか喰い不足なんだなあ。
映画の中で歴史上の人物が出てきて、そこは面白い。宮本顕治、百合子夫妻、中野重治、その妻の原泉子(後の原泉)、蔵原惟人、志賀直哉などなど。特に後の原泉の映画を多く観ている私としては楽しかった。
それにしても役者たちが出てくるわ、出てくるわ。やっぱり今井正だから皆出てくれたんだろうなあ。中野良子さん、久しぶりに見たなあ。可愛かったんだ。たくさんの人が出ているけど、やっぱり北林谷栄がダントツに上手かったね。
「小林多喜二」のストーリー
「小林多喜二」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「小林多喜二」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 伝記 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1974 |
公開年月日 | 1974年2月20日 |
上映時間 | 119分 |
製作会社 | 多喜二プロダクション |
配給 | 多喜二プロダクション |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | カラー/スタンダード |
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