解説
野望を持って社会に挑戦した青年の、情熱、孤独感、焦燥、そして破滅に至るまでの生きるための闘いを描く。脚本は「濡れた荒野を走れ」の長谷川和彦、監督は「鍵(1974)」の神代辰巳、撮影も同作の姫由真左久がそれぞれ担当。
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「青春の蹉跌」のストーリー
A大学法学部に通う江藤賢一郎は、学生運動をキッパリと止め、アメリカン・フットボールの選手として活躍する一方、伯父・田中栄介の援助をうけてはいるが、大橋登美子の家庭教師をしながら小遣い銭を作っていた。やがて、賢一郎はフットボール部を退部、司法試験に専念した。登美子が短大に合格、合格祝いにと賢一郎をスキーに誘った。ゲレンデに着いた二人、まるで滑れない賢一郎を背負い滑っていく登美子。その夜、燃え上がるいろりの炎に映えて、不器用で性急な二人の抱擁が続いた。賢一郎は母の悦子と共に成城の伯父の家に招待された。晩餐の席、娘・康子と久しぶりに話をする賢一郎。第一次司法試験にパスした賢一郎が登美子とともに歩行者天国を散歩中、数人のヒッピーにからまれている康子を救出したことから、二人は急速に接近していった。第二次試験も難なくパスした賢一郎は、登美子との約束を無視して、康子とデートをした。やがて第三次試験も合格。合格すること、それは社会的地位を固めることであり、康子との結婚は野心の完成であった。相変らず登美子との情事が続いたある日、賢一郎は康子との婚約を告げたが、登美子は驚かず、逆に妊娠五ヵ月だと知らせた。あせる賢一郎は、登美子を産婦人科に連れて行き堕胎させようとするが医者に断わられる。不利な状況から脱出しようとする賢一郎だが、解決する術もなく二人で思い出のスキー場へやって来た。雪の中、懸命に燃えようとする二人の虚しい行為。一緒に心中しよう、と登美子が言う。雪の上を滑りながら賢一郎は登美子の首を締めていた。登美子の屍体を埋めた斜面に雨が降る……。賢一郎と康子の内祝言の宴席。賢一郎は拍手の中、伯父や康子を大事にしていく、と自分の人生感を語るのだった。賢一郎は再びフットボールの試合に出た。野性に帰った動物のように駈け廻った。その時、二人の刑事がグラウンドに近づいた。賢一郎は何処へも逃げることができず、ボールを追って走った。タックルを受けて地面に叩きつけられる。その上に何人ものタックラーが重なった。ボールを抱えたまま、動かない賢一郎……。
「青春の蹉跌」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「青春の蹉跌」のスペック
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