座頭市あばれ火祭り

ざとういちあばれひまつり
上映日
1970年8月12日

製作国
日本

制作年
1970
上映時間
96分

レーティング
ジャンル
時代劇 アクション

check解説

座頭市シリーズ二十一本目。脚本は「忍びの衆」の山田隆之と脚本初執筆の勝新太郎が共同であたり、監督は「兇状流れドス」の三隅研次。撮影は「座頭市と用心棒」の宮川一夫が担当。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
  • 【DVD】座頭市 あばれ火祭り

  • 【DVD】座頭市 あばれ火祭り 【期間限定プライス版】

  • 【DVD】座頭市 あばれ火祭り

TVで観る
2025年5月13日放送
BS12 トゥエルビ

この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     これまで三隅研次の作品を観てきて、話としてはちょっと、という作品でも映像として素晴らしい、間違いなかったでした。しかし、この作品は失敗したかな。所々に三隅研次らしい映像を見せてくれているが、さらに実験的な映像も差し挟んでいて、それが成功しているかというと、まあ失敗かな。実験的な部分を除いてもほぼありきたりな映像だった。まあ、猿も木から落ちることはあるよな。
     他の映画会社の俳優も含めてせっかくの俳優陣、森雅之、仲代達矢、大原麗子、吉行和子、西村晃とそうそうたる面々、そして撮影宮川一夫、音楽富田勲を使いながらこの程度の映画になってしまった。むしろ出し過ぎじゃないか。仲代、吉行の夫婦という設定もどうでも良いし、なくても良かった。森雅之が闇公方というのももったいない設定だ。西村晃で十分だったんじゃないか。で、西村晃の役をもっと下のバイプレイヤーで良かった。これだけの役者出すんだったらもっと重厚な映画でないと。
     一応、関八州を裏で仕切る闇公方と戦うという設定だが、肩書きだけでそんなに力を持っているようには見えなかったし。座頭市映画でなかなか広い風呂敷の映画は無理じゃないか。脚本に勝新がかんでいるが、勝新がこんなに風呂敷を大きくしてしまったのかな。
     仲代達矢の浪人も闇公方と絡まず、別に進んでいく。普通の筋だったら闇公方の御用浪人になるはずなのに、全然関係ないから話が2本立てになってしまった。大体、その浪人が座頭市を狙う根拠が弱すぎる。三船敏郎が「座頭市と用心棒」に出た時は、互いに引き分けだったが、仲代は斬られてしまうんだ。やっぱり、仲代は三船の下なんだなあ。それでも仲代の表情は良かったよ。
     森雅之は成瀬巳喜男の作品や溝口健二の「雨月物語」、黒澤明の「悪い奴ほどよく眠る」のように優柔不断で、ずるい色男のイメージなのでヤクザの首領みたいなのは合わない。大原麗子が東映の役者とは知らなかった。
     映画のタイトル、何が「あばれ火祭り」なんだろう。映画の最初、ダイニチ配給の絵を初めて見た。

「座頭市あばれ火祭り」のストーリー

喧嘩と聞いて助っとに加わったものの相手がただの百姓で、闇の年貢の強制的な取り立てと知った座頭市は、思わず仕込杖で子分たちを斬り捨ててしまった。ところが、その子分衆が、盲ながら関八州に睨みを利かす暗黒街の将軍、闇公方の組織につながるものであったから、座頭市を必ず消すようにという厳命は一夜のうち全国に伝わった。市はその夜、妾市で、もと旗本の若妻だったという女を助けた。銭金に物言わす卑しい商人の手に落ちたのが、市には我慢ならなかったのだ。だが、このあと土蔵の二階で共に一夜を過したことから市は夫の浪人からも、生命をつけ狙われる羽目となった。暗殺指令が出ているなどとは夢にも思わぬ市は、黒子の貸元の家に襲名祝いにいくのだが、黒子の子分に案内された湯屋で市はいきなり十数人の刺客に襲われた。湯舟に潜って辛じて第一撃をかわし、斬り伏せてしまうが長居は無用の殺生を重ねるだけと、市はふたたび旅に出る。町はずれには意外にも、襲名披露の祝い盆で隣りに坐り合わせて以来、探し求めていたお喜代が旅姿で市を待っていた。盲は愛に飢えている、腕の立つ男よりも女がいいと闇公方が放った刺客として市を殺す使命を帯びているが、市の献身的な愛情にほだされどうしても刺すことができなかった。お喜代の変心を知った闇公方は、親兄弟も同罪と、一度は後継者に指命した右の貸元を捕えて、お喜代の呼び戻しを図る一方、闇公方は市を策略に陥れるべく飛脚を送った。そうとも知らず、花火大会の招待を受けた市は、余興にと進められ、池の真ン中、浮き御堂のような盆ござにと進んでいくが、これが罠と気付いたときには、渡しの板は外され、迫った火槍を切り捨てたはずみに、池の表は文字どおり火の海となった。水に潜って対岸に這い上った市は、ものも言わず阿修羅のごとく暴れ廻った。狼狽した闇公方が右の貸元たちを人質にしたためさすがの市も仕込杖を手放さざるを得なかったが、次の瞬間、市の隠し持っていた火箸が見事に闇公方の首を貫いていた。翌日、市は河原で浪人と対決したが、浪人の気魄はすさまじく、勝負は相打ちのように見えたが、倒れたのは浪人の方だった。

「座頭市あばれ火祭り」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「座頭市あばれ火祭り」のスペック

基本情報
ジャンル 時代劇 アクション
製作国 日本
製作年 1970
公開年月日 1970年8月12日
上映時間 96分
製作会社 日活
配給 ダイニチ映配
レイティング
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ

関連するキネマ旬報の記事

関連記事一覧
1970年9月下旬号 日本映画紹介 座頭市あばれ火祭り

今日は映画何の日?

注目記事