座頭市御用旅
ざとういちごようたび Zatoichi at Large
解説
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
座頭市映画でオープニングロゴが東宝なのはやっぱり違和感があるなあ。
監督は森一生。「新源氏物語」ではあまりのつまらなさに批判したけど、この映画はなかなか面白く撮っている。製作が勝プロで大映の呪縛を離れてか、力のかけ方も相当だ。出演者も目新しく、大映ではこれだけ揃えないであろう、森繁久彌、三国連太郎、高橋悦史、大谷直子、石橋蓮司、蟹江敬三となかなかのくせ者達を集めた。石橋はATG、蟹江はにっかつロマンポルノのイメージ。高橋や大谷は東宝のイメージだ。石橋、蟹江はまだ若手で鉄五郎親分(三国連太郎)の三下の役だが、それ他の役者はそれぞれ独立した配役なので変にぶつかることなく演技ができたと思う。
森一生もウェキ叔父さんの話ではこの映画が最後で後はテレビ界に映っていったので、力のかけようも違っていたのだろう。画面から迫力が伝わってくる。
ただ、話の筋の中でこれはダメと思うところが、
・座頭市が鉄五郎の子分達に捕まるところ、子供が座頭市を「人殺し」と言い、それで剣を振るうのをためらって捕まってしまう。ここはダメでしょ。それに捕まったらなんで殺されないの?
・ラスト近くの殺陣のシーン、能か何かの舞台で斬り合いが行われるが、そこに油をまかれて滑りながら斬り合いをする。そして火をつけられて、座頭市が燃えながら鉄五郎を殺す。これもダメ。火をつけられたらすぐに舞台から飛び出し転がりながら灯を消して、同時に周りの敵を斬っていく、がいい。それに鉄五郎を殺すシーンだけ周りに捕り方がいないのは不自然。
・浪人(高橋悦史)との決闘シーンを最後に持ってきてしまった。これにより決闘シーンが映画から浮いてしまった。これがお八重(大谷直子)との別れのシーンと逆だったら一連の映画の中となるのに。
ダメなところと良いところを足して3.6点。これがダメなシーンがなかったらもっと高い点数だったのにもったいない。
「座頭市御用旅」のストーリー
「座頭市御用旅」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「座頭市御用旅」のスペック
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