解説
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ミャーノフ大佐
子連れ狼シリーズの映画のオープニングロゴが東宝なのがやっぱり気になる。このような映画は大映映画の十八番だったからなあ。大映が潰れてしまったからしょうがないんだけど。監督も三隅研次だし。
三隅研次の子連れ狼シリーズ、本作でやっと彼らしい映画になってきた。若山富三郎の子連れ狼も慣れてきた。なんかちゃんと観ることが出来た。今回は裏柳生の刺客達ともあまり絡みがないし、本筋に集中した展開になっていたのも良かったかもしれない。
渡り徒士役を加藤剛が演じているが、加藤剛はこんな映画にはあわないかな。同じ渡り徒士役に山谷初男さんも出ている。こういうアクのある人は良いなあ。梅津栄さんも出ているんだよ。「仁義なき戦い」では土居組の親分や村岡組の親分をやった名和宏も女郎に売られていく女の付き添い役で出てくる。製作年は同じくらいなのにね。後は敵役の首謀猿渡玄蕃に山形勲。同じ悪役でも、山谷初男さんに山形産の役は出来ないよなあ。悪役のそれぞれの存在感を楽しみましょう。
話の筋は、拝一刀が先程の女郎に売られていく女お松(加藤小夜子)を助けたために地元のやくざに落とし前をつけさせられて、それに耐えたところ、そのやくざの女親分(浜木綿子)が実は、で、悪党の猿渡玄蕃(山形勲)を殺しに行く。
加藤小夜子が田舎娘っぽい役なんだけど、スチールなんか観ると可愛いよね。ウェキおじさんによると1979年に引退とのことで、わずか10年にも満たない活動期間だった。テレビドラマでも出ていれば良かったのに。絶体的に広末なんかより良かったと思うよ。
子連れ狼シリーズ全体がそうだけど、メイクがきつめにしていて、それでいいのかな、とも思う。加藤剛なんか似合ってない。
で、ラストなんだけど、あれはないよなあ。もう何でもありになっている。確かにスケール感はあるけど。ここで漫画になってしまった。
このラストシーンで、浜木綿子さん、伊達三郎さん、もう一人が、拝一刀と猿渡一味の対決を崖の間から眺めているんだけど、やくざの格好なんで太股が出ている。色が白くて妙に色っぽいのだ。いくら親分とは言えあんな格好したら子分がたまらないよ。
そうそう、今回、伊達三郎さん、斬られなかった。
「子連れ狼 死に風に向う乳母車」のストーリー
「子連れ狼 死に風に向う乳母車」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「子連れ狼 死に風に向う乳母車」のスペック
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