子連れ狼 死に風に向う乳母車

こづれおおかみしにかぜにむかううばぐるま
上映日
1972年9月2日

製作国
日本

制作年
1972
上映時間
89分

レーティング
一般映画
ジャンル
時代劇 ドラマ

check解説

“子連れ狼”シリーズ三作目。子連れ刺客、拝一刀と大五郎親子が柳生を討つべく、冥府魔道に生きる様を描く。原作小池一雄、劇画小島剛夕で『漫画アクション』連載中。脚本は「子連れ狼 三途の川の乳母車」の小池一雄、監督も同作の三隅研次、撮影も同作の牧浦地志がそれぞれ担当。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     子連れ狼シリーズの映画のオープニングロゴが東宝なのがやっぱり気になる。このような映画は大映映画の十八番だったからなあ。大映が潰れてしまったからしょうがないんだけど。監督も三隅研次だし。
     三隅研次の子連れ狼シリーズ、本作でやっと彼らしい映画になってきた。若山富三郎の子連れ狼も慣れてきた。なんかちゃんと観ることが出来た。今回は裏柳生の刺客達ともあまり絡みがないし、本筋に集中した展開になっていたのも良かったかもしれない。
     渡り徒士役を加藤剛が演じているが、加藤剛はこんな映画にはあわないかな。同じ渡り徒士役に山谷初男さんも出ている。こういうアクのある人は良いなあ。梅津栄さんも出ているんだよ。「仁義なき戦い」では土居組の親分や村岡組の親分をやった名和宏も女郎に売られていく女の付き添い役で出てくる。製作年は同じくらいなのにね。後は敵役の首謀猿渡玄蕃に山形勲。同じ悪役でも、山谷初男さんに山形産の役は出来ないよなあ。悪役のそれぞれの存在感を楽しみましょう。
     話の筋は、拝一刀が先程の女郎に売られていく女お松(加藤小夜子)を助けたために地元のやくざに落とし前をつけさせられて、それに耐えたところ、そのやくざの女親分(浜木綿子)が実は、で、悪党の猿渡玄蕃(山形勲)を殺しに行く。
     加藤小夜子が田舎娘っぽい役なんだけど、スチールなんか観ると可愛いよね。ウェキおじさんによると1979年に引退とのことで、わずか10年にも満たない活動期間だった。テレビドラマでも出ていれば良かったのに。絶体的に広末なんかより良かったと思うよ。
    子連れ狼シリーズ全体がそうだけど、メイクがきつめにしていて、それでいいのかな、とも思う。加藤剛なんか似合ってない。
     で、ラストなんだけど、あれはないよなあ。もう何でもありになっている。確かにスケール感はあるけど。ここで漫画になってしまった。
     このラストシーンで、浜木綿子さん、伊達三郎さん、もう一人が、拝一刀と猿渡一味の対決を崖の間から眺めているんだけど、やくざの格好なんで太股が出ている。色が白くて妙に色っぽいのだ。いくら親分とは言えあんな格好したら子分がたまらないよ。
     そうそう、今回、伊達三郎さん、斬られなかった。

「子連れ狼 死に風に向う乳母車」のストーリー

夏の暑い街道を、一子大五郎を箱車に乗せて元公儀介錯人拝一刀が歩いている。厳しい父と子の愛、明日の命も知れない孤独の旅をつづけて。街道脇の林の中で、三人の“渡り徒士”が旅の母と娘を犯し凌辱する。しかし“渡り徒士”たちの一人に折り目正しい武士がいた。孫村官兵衛。彼は真の武士道とは何かを求めつづけていた。“渡り徒士”とは参勤交代の時だけ各大名に雇わられる流れ者たちのことである。「渡り徒士にも武士としての誇りがある」と言い、母と娘、そして先の“渡り徒士”の一人を斬る。現場を目撃した一刀に官兵衛は立合を所望するが、一刀は真の武士たる官兵街の気持を知りその場を離れるのだった。宿屋に宿泊した一刀の部屋に、お松という娘が飛び込んで来た。お松は女郎として売られて来たのだが連れに来た文句松が突然襲いかかり、逆に殺してしまった、というのである。やがて、女郎を管理する忘八者がお松を引き取りに来た。その女元締酉蔵は、金で買われたお松を一刀に渡しては、忘八者としての面子がまるつぶれで、忘八者の責め折檻を受けた後ならば義理を果たせると言う。一刀はその責め折檻を身代りに受けてお松を救ってやるのだった。酉蔵は父の元掛川藩家老三浦帯刀を一刀に会わす。かつて、領主出羽守氏重は気狂いであったのだが、藩取り潰しを防ぐべく帯刀は秘密にしていた、にもかかわらず、御側要人猿渡玄蕃に裏切られてしまったのである。結果、帯刀は追放され、玄蕃は天領地の代官におさまり、実権を握り、私腹をこやしていた。酉蔵から玄蕃刺殺の依頼を受けた一刀は代官屋敷へと向かう。大五郎をオトリに川の中へ誘って水鴎流・斬馬刀で馬上筒の強者朽木六兵衛を斬り、まず玄蕃のドギモを抜く。早業で鳴る使い手の左門も、宙に飛ぶ一刀の胴太貫に斬られる。そして、一子大五郎を連れ代官に加勢している刈谷藩二百人の待つ池蔵ヶ原へ。一刀は、箱車に据えた連発銃を乱射、胴太貫を駆使し、次々と敵を血祭りにあげていく。そして、玄蕃の胸に、帯刀に代ってその怒りと怨念のこもった胴太貫を突き刺すのであった。

「子連れ狼 死に風に向う乳母車」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「子連れ狼 死に風に向う乳母車」のスペック

基本情報
ジャンル 時代劇 ドラマ
製作国 日本
製作年 1972
公開年月日 1972年9月2日
上映時間 89分
配給 勝プロ=東宝
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ

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