解説
初めて書いた社説がもとで忍び寄る権力に対する女性論説委員の抗戦と、彼女を巡る人間模様を描くドラマ。監督は「水の旅人 侍KIDS」の大林宣彦。丸谷才一の同名ベストセラー小説(文藝春秋・刊)を原作に、脚本は野上龍雄、渡辺善則、大林の共同。撮影は坂本典隆が担当。主演の“女ざかり”南弓子には吉永小百合が扮するほか、豪華スターが共演している。スーパー16ミリ。
映画館で観る
TVで観る
ユーザーレビュー
「女ざかり(1994)」のストーリー
念願の論説委員になった新日報社の南弓子(吉永小百合)は、社会部出身の同僚・浦野(三國連太郎)を手助けする一方で、初めての社説を書いた。だがその社説は水子供養で儲けている、ある宗教団体の教祖を怒らせてしまい、そこから巨額の援助を受けていた政府与党の幹事長・榊原(岸部一徳)の圧力で、弓子は左遷を言い渡されることに。だが、彼女はきっぱり拒否。左遷が不首尾に終わると、今度は新社屋建設における国有地の払い下げに、待ったがかかる。彼女に想いを寄せる浦野の調べで事態の全貌を知った弓子は、愛人関係である大学教授・豊崎(津川雅彦)に相談、浦野をはじめ、彼女を助ける動きがあちこちで起こった。豊崎は自分の妻が榊原の妻と知り合いであるところから、弓子の一人娘の千枝(藤谷美紀)は恋人・渋川(風間杜夫)の叔父が政界にも顔がきく書家・大沼(片岡鶴太郎)である線から行動するが、いずれも弓子を助けることは出来なかった。意地でも引き下がりたくないと抗戦する弓子だったが、意外なところから、事態は解決した。弓子の伯母であり往年の映画女優・柳雅子(月丘夢路)が、現首相の田丸信伍(山崎努)の恋人であったのだ。こうして全てが解決し、浦野が定年退職を迎えた日、弓子もまた退社することを告げた。別れた夫が余命いくばくもなく、その看病を決意したのである。仕事にケリをつけ、浦野との、また豊崎との恋も終わったようではあるが、彼女はまた新たな“女ざかり”がやってくる思いを感じていた。
「女ざかり(1994)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「女ざかり(1994)」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1994 |
公開年月日 | 1994年6月18日 |
上映時間 | 118分 |
製作会社 | 松竹=テレビ東京=アミューズ=日本出版販売作品 |
配給 | 松竹 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1994年3月上旬号 | グラビア 《Talky Talk(News)》 「女ざかり」あでやかなる競艶 |
1994年4月上旬春の特別号 | 撮影現場訪問 女ざかり |
1994年6月下旬号 |
特集 女ざかり 吉永小百合を追って 特集 女ざかり 映画のなかの新聞記者 |
1994年7月下旬特別号 | 劇場公開映画批評 女ざかり |
1994年8月上旬号 | 日本映画紹介 女ざかり |