解説
現実のパリの町を背景に、俳優志望の妙な青年が繰り広げる型破りな不条理コメディ。監督・脚本は処女作『ラヴ・ストーリーは普通悪い終わり方をする』(日本未公開)でジャン・ヴィゴ賞を獲得、第2作の本作がカンヌ映画祭<ある視点>を受賞したアンヌ・フォンティーヌ。製作は『夢のシネマ、東京の夢』(吉田喜重監督、特別上映・テレビ放映のみ)を製作したフィリップ・ジャキエと「タンゴ」のブリジット・フォール、フォンテーヌの夫でもある「タンゴ」「キャリントン」のフィリップ・カルカソンヌ。全編パリの各所で即興的にロケ撮影した軽やかな映像が印象的。出演は『ラヴ・ストーリーは普通悪い終わり方をする』にも出演し、本作で注目を集めたジャン=クレティアン・シベルタン=ブランほか。また「タンゴ」などの人気スターティエリー・レルミットが自分自身の役で特別出演している。
ユーザーレビュー
「おとぼけオーギュスタン」のストーリー
ポルトガル系二世のオーギュスタン・ドス・サントス(ジャン=クレティアン・シベルタン=ブラン)は俳優志望の32歳。シュラ夫人(ノラ・アビブ)の配役事務所を訪れた彼は、ある映画のホテルのフロアボーイの役のオーディションを受けることになる。彼は普段は一日3時間38分だけ消費者金融社にパート勤務している。上司(クロード・ペシェ)に同僚の告げ口をしてうまく取り入り、なかなか巧妙に立ち回って仕事を楽しむ毎日。彼は役作りのために高級ホテルでフロワボーイの一日見習いをする。寝室の掃除を見学して、メイドで中国人移民のキャロリーヌ(ステファニー・チャン)に一目惚れするオーギュスタン。そしてオーディションの日が来た。人気俳優のティエリー・レルミット(本人)を相手に一場面を演ずる(ちなみに「タンゴ」でレルミット自身の演じた場面)オーギュスタンは目茶苦茶緊張し、台詞をさんざん吃ってしまう。しかし緊張すれば緊張するほど厚かましくなる彼は、レルミットから演技の秘訣まで聞き出し、強烈な印象を残す。果して翌日、採用の電話が入る。だが最初は乗り気だった彼は、その日は予定があると断ってしまった。そして映画に出られるはずだったその日、田舎の畑のなかでウサギの伝染病に関する農林省の広報CMを撮影するオーギュスタンの姿があった。
「おとぼけオーギュスタン」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「おとぼけオーギュスタン」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | コメディ |
製作国 | フランス |
製作年 | 1995 |
公開年月日 | 1996年5月11日 |
上映時間 | 61分 |
製作会社 | セピア=シネア作品 |
配給 | アルシネテラン配給(アルシネテラン=TBS共同配給) |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | ヨーロピアン・ビスタ(1:1.66) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | モノラル |
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