解説
引きこもりの青年が、国家機関との戦いの末に自立していく姿を描いたSF青春ドラマ。監督は、CX系テレビ・ドラマ『漂流教室』などの脚本家として知られる大森美香で、本作が初監督作。脚本は、清水友佳子による原案を基に、大森監督と高木登が共同で執筆。撮影を「PAIN ペイン」の鍋島淳裕が担当している。主演は、「スイート・スイート・ゴースト」の金子統昭。尚、本作はNTTブロードバンド配信用作品として製作された。DV作品。ビデオプロジェクターによる上映。
ユーザーレビュー
「CROSS」のストーリー
現在ではない現在。ゆとり教育が招いた知力の著しい低下を憂いた文部科学省は、クロス制度(14歳から35歳までを対象に、制限時間3分の間にクロスワードパズルを解かせる)という国民頭脳選抜テストを抜き打ちで実施。満14歳になると国民は眼球に3つの印(通称:チャージ)を与えられ、3回クロス解答に失敗しチャージを失うと、知能再開発対象者I.R.P..〈Intellectual Training Redevelopment Project〉(通称:アープ)として政府によって収容され、基本的人権を剥奪されることになっていた。渋谷区神南地区。現代病のひとつ”読物依存症“で引きこもりの青年・紘平は、知能開発庁のコンピュータにハッキングした罪で警察に追われていた。そんな彼を助けたのは、”移動式ナース“を生業とする兄妹・ジョーとサツコ。やがて3人は、紘平の持つ膨大な知識量を活かしてクロス解答の代行業を始めるが、紘平はそれを許さない文部科学省によって知能開発庁に連行され、クロスの問題作成員にされる。だが、そこで同じ作成員の少女・ミサキに恋した彼は脱出を計画。彼女を外界へと連れ出すことに成功するが、彼女は死滅装置によって命を奪われてしまう。悲しみに暮れる紘平。しかし、人を愛したことで引きこもりから脱することが出来た彼は、再び知能開発庁に戻るとクロス制度の実権を握る四方堂を殺害し、街へ戻って行くのだった。
「CROSS」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「CROSS」のスペック
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2002年10月上旬号 | 日本映画紹介/外国映画紹介 CROSS |