解説
世界規格となったVHSの開発の裏で活躍した、名も無き技術者たちの姿を描いたヒューマン・ドラマ。監督は、本作が初監督作となる佐々部清。佐藤正明によるノンフィクション『映像メディアの世紀 ビデオ・男たちの産業史』を基に、「金田一少年の事件簿」(西尾大介監督作)の西岡琢也と佐々部監督が共同で脚色。撮影を「ホタル」の木村大作が担当している。主演は「釣りバカ日誌12」の西田敏行。第26回日本アカデミー賞優秀作品賞、優秀主演男優賞(西田敏行)、助演男優賞(渡辺謙)、優秀音楽賞受賞、第15回日刊スポーツ映画大賞石原裕次郎賞受賞作品。
ユーザーレビュー
「陽はまた昇る(2002)」のストーリー
70年代前半、それまで右肩上がりだった日本経済が初めてマイナス成長に陥った。そんな中、家電メーカー業界8位の日本ビクター本社開発部門に勤める開発技師・加賀谷に、事業部長として赤字続きの非採算部門である横浜工場ビデオ事業部への異動と大幅な人員整理の厳命が下る。だが、人材こそ何よりの財産と考える加賀谷は、ひとりの解雇も出さないために極秘のプロジェクト・チームを結成。本社に悟られぬようにしながら、家庭用VTRVHSの開発に着手する。ところが数年後、家電メイカーの雄・ソニーがベータマックスを発表。足踏み状態の続くビデオ事業部は崖っぷちに立たされるが、それでも彼らはVHSに夢と希望を託し開発を続けた。そして、遂にベーターマックスを超える録画が可能な試作機が完成する。しかし、その時既にベータマックスは国内規格として採用されようとしていた。このままでは、自分たちの努力が水泡に帰してしまう。そこで加賀谷は大阪へ向かい、親会社である松下電器相談役・松下幸之助にVHS方式の採用を直訴。果たして、加賀谷の願いは聞き入れられ、その結果、ひとりの解雇者も出さずにVHS方式のプレイヤーの販売にこぎ着けることに成功するのだった。その後、加賀谷は脳梗塞で倒れた妻の世話のために、定年を前に退職を決めた。最後に彼が工場を訪れた時、従業員たちはVHSの人文字で彼を送った。
「陽はまた昇る(2002)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「陽はまた昇る(2002)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2002 |
公開年月日 | 2002年6月15日 |
上映時間 | 108分 |
製作会社 | 「陽はまた昇る」製作委員会(東映=JVCピクチャーズ=東映ビデオ=シチエ=加賀電子=日本出版販売) |
配給 | 東映 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | ドルビー |
公式サイト | http://www.toei.co.jp/hiwamatanoboru/ |
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