解説
海に浮かぶ船の上で二人きり暮らす老人と少女の、至上の愛の物語。監督は「サマリア」と「うつせみ」で同じ年に世界3大映画祭の監督賞2冠(それぞれベルリン、カンヌ)に輝いたキム・ギドク。出演は「サマリア」のハン・ヨルム、「清風明月」のチョン・ソンファン、「四月の雪」のチョン・グクァン。
ユーザーレビュー
「弓」のストーリー
広い海の上にぽつんと浮かぶ1隻の漁船と、寄り添うように揺れるボート。そこは老人(チョン・ソンファン)と少女(ハン・ヨルム)の2人だけの世界だった。どこからともなく少女を連れてきてから10年、老人は少女のためだけに生き、大切に育ててきた。彼女が17歳になったら、2人は結婚式を挙げる。老人はボートで釣り客を運び、漁船を海釣りに開放していた。そして客の間で評判が高いのは“弓占い”だ。ひとつ間違えば命を落としかねない占い方法だが、少女と老人は信頼の絆で結ばれていた。ある日、少女が釣り客の1人である大学生らしき青年(ソ・ジソク)に、ひと目で恋をした。初めて老人に反発する少女。何度も船に足を運ぶ青年。少女の家族が捜索願を出していることを調べた彼は、少女を家族の元へ返すよう言う。怒りを露わにする老人に、青年は少女の未来を占うよう迫る。心が乱れ、手元が狂いそうになりながらも矢を放つ老人。占いの結果を聞いた青年は、少女を外の世界へ連れて行くと宣言する。翌朝、少女を乗せてボートが船を離れていくが、老人はボートにロープを結び、その先を自分の首に巻きつけていた。老人が苦痛に耐えられなくなったその時、異変に気付いた少女が船へ舞い戻る。老人のただならない想いを全身で感じ取った少女は、誰にも祝福されなくても、運命をも超える強い絆があることを知るのだった。老人と少女は婚礼の儀式を行う。最後に老人は、少女をボートに寝かせると、弓を奏で始める。心地よい調べに眠気に襲われる少女と、少女の顔を愛おしそうに見つめる老人。突然、老人は大空に矢を放ち、海の中へと消えていく。その思いがけない行動が、老人と少女を永遠の絆で結ぶのだった。
「弓」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「弓」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 韓国 |
製作年 | 2005 |
公開年月日 | 2006年9月9日 |
上映時間 | 90分 |
製作会社 | キム・ギドク・フィルム |
配給 | 東京テアトル=ハピネットピクチャーズ |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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