解説
テレビ版スーパーマンの主演俳優ジョージ・リーブスの死をめぐり、ハリウッドの光と闇を描いたサスペンス・ミステリー。監督は、本作が長編映画初監督となるアレン・コールター。出演は、エイドリアン・ブロディ、ダイアン・レイン、ベン・アフレック。ベン・アフレックは本作でヴェネチア国際映画祭最優秀男優賞に輝いた。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
1950年代、ハリウッド、スター、映画会社、私立探偵、警察、ゴシップ、それにギャングと暴力を足せば、もうジェイムス・エルロイの世界だ。なんかその時代感を感じさせて良かったねえ。
映画は実際にあったジョージ・リーヴスというスーパーマン役者の自殺?から題材を取っているので、この事実をひっくり返すのはさすがに難しいだろう。だから結論も曖昧になってしまった。それに暴力がなかったのが少し拍子抜けかな。映画タイトルも「ハリウッドランド」じゃ何を描きたいのかわからないものね。ていうか結論がないから、あの頃のハリウッドを舞台にした映画だよ、と言うことか。
私の映画を観る技術不足のせいか、探偵のルイス・シモが捜査するシークエンスとジョージ・リーヴスがスーパーマンとして活躍しているシークエンスが、時間軸が違っていることが判らず、最初は並行した事象だと思っていた。だんだん見進めていくうちに、2つのシークエンスの時間がずれていることが判るのだが。
ジョージ・リーヴスの自殺?を入り口として、ハリウッドの裏側、ギャング、暴力をもっと描いてくれればもっと面白くなったのに。残念。雰囲気は良かったのになあ。
ちなみにエルロイ原作の「L.A.コンフィデンシャル」は傑作映画だよね。エルロイの文庫本の後書きか何かでどなたかが「狼たちの街」がエルロイの世界観に似ていると書いていた。
「ハリウッドランド」のストーリー
1959年6月16日、人気テレビシリーズ「アドベンチャーズ・オブ・スーパーマン」の主演俳優であったジョージ・リーブス(ベン・アフレック)がハリウッドの自宅で死亡した。彼の頭部には弾痕が残されており、ロサンゼルス市警は銃による自殺と断定、捜査を打ち切っていた。ジョージ・リーブスの母ヘレン・ベッソロ(ロイス・スミス)は愛する息子の死を“自殺”だと信じられず、私立探偵ルイス・シモ(エイドリアン・ブロディ)を雇って独自の調査を依頼する。妻と別居状態にあり息子とはほとんど会えず、仕事は小さな浮気調査だけという冴えない日々に嫌気のさしていたシモは、1日50ドルの“スーパーマン俳優の死亡調査”という派手な仕事が舞い込んだことに、大きなやりがいを感じていた。彼はまずリーブスの遺体が安置される場所に赴き、検死担当者を買収して遺体と遺品を確認。身体に残された複数の打撲痕と、“あなたに夢中 T.M”と記された腕時計を発見する。腕時計にヒントがあると考えたシモは時計屋を調査し、その時計が大手映画会社MGMの重役エディ・マニックス(ボブ・ホスキンス)の妻トニー(ダイアン・レイン)から贈られたものだということを調べあげる。リーブスはパーティで知り合ったトニーと激しい恋に落ち、彼女を通じてあらゆるものを手に入れていたのだった。新しい家を手に入れ、新しい仕事として「アドベンチャーズ・オブ・スーパーマン」の主役の座を手に入れる。しかし、驚異的な人気番組のスーパーヒーローに祭り上げられたリーブスは、次第にフラストレーションやコンプレックスを感じるようになる。また、トニーとは別に婚約していた女性、レオノア・レモン(ロビン・タニー)との関係も狂いはじめるのだった。
「ハリウッドランド」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ハリウッドランド」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | サスペンス・ミステリー |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2006 |
公開年月日 | 2007年6月16日 |
上映時間 | 126分 |
製作会社 | バック・ロット・ピクチャーズ プロダクション |
配給 | ブエナ ビスタ |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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2007年6月下旬号 |
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