「かぞくのひけつ」のストーリー
大阪、十三の商店街。地元の高校に通う不動産屋の息子・賢治(久野雅弘)。彼は付き合って半年になる彼女・典子(谷村美月)と、キスどころか手を繋ぐこともできない。というのも、童貞にも関わらず性病を罹ったと思い込んでいるため。それでも積極的に治療することも、事実を突き止めることもできずにウジウジと悩む優柔不断なヘタレだった。ある日、女癖の悪い父・宏治(桂雀々)の近頃の行動に不審を抱いた母・京子(秋野暢子)の依頼で尾行をすることになった賢治。父の後をつけて居酒屋に入ると、愛人のゆかり(ちすん)と密会する姿を目撃。ゆかりの後を追った賢治は、宏治のことを諦めるように説得する。しかし事情を知ったゆかりは、宏治を離婚させると息巻く。翌日、賢治が実家の不動産屋に戻るとそこにはゆかりの姿が。素知らぬ顔でアルバイトに応募していたのである。宏治はその姿を見て逃げ出す始末。そんな状況にもかかわらず、相変わらずいい加減な行動を繰り返す宏治。京子と出席した法事の席をこっそり抜け出してゆかりに会いに行くかと思えば、途中で偶然出会った二人組みの女の子と意気投合。ゆかりそっちのけで二人組みと居酒屋へ繰り出してしまう。翌日、何食わぬ顔で帰宅した宏治に怒り心頭の京子は、離婚届を片手に家を出て行ってしまう。その場に居合わせた賢治とゆかりは慌てて京子を探しに出かける。両親のそんな姿を見て「なんで男と女は一緒になろうとすんねやろ」と一人つぶやく賢治。一方、典子は煮え切らない賢治の態度に不安を募らせ、次第にスポーツ万能で学年一のモテ男・立花に心惹かれていく……。