「裏切りの闇で眠れ」のストーリー
フランク(ブノワ・マジメル)は、仲間のジャン=ギイ(オリヴィエ・マルシャル)とともにパリの闇社会で危険な商売を請け負っている。その冷静な頭脳と非情な仕事ぶりは、暗黒街の帝王クロード・コルティ(フィリップ・コーベール)の信頼を得るに充分であった。出所するアラブ人のラルビ(トメル・シスレー)を従兄のイシャム(メディ・ヌブー)が出迎える。彼らが身内のジョニー(イシェム・サイビ)らとともに乱痴気騒ぎに興じていると、そこへクロードが現れ、ショバ代を払わないジョニーにしめしをつけろと従兄弟を脅す。クロードの命を受けてラルビとイシャムはコカインの取り引き現場である駐車場へ向かうが、相手の裏切りによって銃撃戦となる。クロードは取り引きを仲介した男を惨殺、フランクに裏切った相手の殺しを依頼する。フランクとジャン=ギイは、裏切り者の居場所を突き止め、男を射殺した。いつまでもショバ代を払わないジョニーにクロードがリンチを加えたその夜、クロードと情婦ベアトリス(ベアトリス・ダル)の家に警察が踏み込む。偽造車検証が見つかり、クロードは逮捕された。1年後。イシャムとラルビはクロードを出し抜いての商売に意気軒昂であった。フランクはジャン=ギイの妻ロール(アンヌ・マリヴァン)の浮気を目撃、彼女に「今直ぐ止めろ」と忠告する。クロードの仮釈放の日が近づく中、クロードの用心棒ムラッド(アラン・フィグラール)が何者かに殺される。その後、ロマ系のギャング、ルブラン一家の店でクロードの手下リッキー(リュドヴィック・シェンデルフェール)が、ルブランの息子を撃ち殺し、自らも命を落とす。出所したクロードはフランクを呼び出し、ムラッドの報復とルブラン一家との手打ちを頼む。フランクは手打ち金30万フランを手に、ルブラン一家のもとへ向かうが、一緒に行くはずのジャン=ギイが現れず……。