解説
死者の遺体を棺に納める【納棺師】の職に就いた男が、仕事を通じ、様々な死に向き合いそこに息づく愛の姿と向き合う姿を描いたヒューマン・ドラマ。第32回モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞するなど、世界的にも高い評価を得る。「シコふんじゃった。」の本木雅弘と、「秘密」の広末涼子が夫婦役を演じる。他出演者に山崎努、余貴美子、吉行和子など。監督は、「バッテリー」「秘密」の滝田洋二郎。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
-
【DVD】おくりびと
TVで観る
「おくりびと」のストーリー
所属していたオーケストラが解散して、失業したチェロ奏者の小林大悟(本木雅弘)。やむなく彼は妻の美香(広末涼子)と二人、実家のある山形へと帰った。その家は、2年前に死んだ母親が残してくれた唯一の財産だった。愛人を作った父が家を出たあと、母は女手ひとつで大悟を育ててくれたのだ。新たな職を探す大悟が行きあたったのは、佐々木(山崎努)が経営する葬儀屋での納棺師という仕事だった。死者を彩り、最期のときを送り出すという業務の過酷さに、大悟は戸惑いを隠しきれない。しかし、佐々木と事務員の百合子(余貴美子)の持つ温もりに惹かれて、大悟は「おくりびと」となった。美香にすら、その仕事の内容を明かせないまま…。故郷に戻った大悟は、幼い頃に通っていた銭湯で同級生の母親であるツヤ子(吉行和子)との再会を果たす。銭湯を経営するツヤ子は、廃業を勧める息子たちの声を押し切って、ひたすら働き続けていた。やがて、大悟の仕事を知った美香は、我慢できずに実家へと帰る。死者を扱う夫の業務が、どうしても納得できなかったのだ。それでも大悟は、納棺師を辞められない。唐突に倒れて、この世を去ったツヤ子の納棺も担当した。どこまでも自身の仕事に誇りを持つ大悟の気持ちを、ようやく美香も理解する。二人の関係は修復した。そんなとき、父の訃報が大悟のもとに届く。家庭を捨てた父親には深いわだかまりを抱いていた大悟だが、佐々木や百合子からの説得を受けて、死去した老人ホームへ美香と向かう。そこには、30年ぶりに対面する父(峰岸徹)の遺体があった。そして父が、決して大悟のことを忘れていなかったことを知る。堪えきれずに嗚咽する大悟の涙を、美香はハンカチで拭く。父の納棺を慎ましく行う大悟と、それを見守る美香。彼女の胎内では、大悟との間で芽生えた新たな命が動いていた。
「おくりびと」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「おくりびと」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2008 |
公開年月日 | 2008年9月13日 |
上映時間 | 130分 |
製作会社 | 映画「おくりびと」製作委員会(TBS=セディックインターナショナル=松竹=電通=アミューズソフトエンタテインメント=小学館=毎日放送=朝日新聞社=テレビユー山形=TBSラジオ)(制作プロダクション セディックインターナショナル) |
配給 | 松竹 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | ドルビーSRD |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
2009年4月上旬号 |
オスカー受賞監督 滝田洋二郎 アカデミー賞受賞凱旋会見 オスカー受賞監督 滝田洋二郎 アメリカにおける「おくりびと」の評価 HOT SHOTS オスカー「おくりびと」凱旋会見 |
2009年2月下旬決算特別号 |
特別カラー・グラビア 個人賞受賞者インタビュー 主演男優賞 本木雅弘 特別カラー・グラビア 個人賞受賞者インタビュー 監督賞 読者選出日本映画監督賞 滝田洋二郎 特別カラー・グラビア 個人賞受賞者インタビュー 脚本賞 小山薫堂 受賞者インタビュー 滝田洋二郎監督 受賞者インタビュー 小山薫堂 |
2008年9月下旬号 |
特集 「おくりびと」 滝田洋二郎監督 インタビュー 特集 「おくりびと」 作品評 特集 「おくりびと」 コラム 滝田洋二郎の技 |
2008年10月上旬号 | REVIEW 2008 「おくりびと」 |