解説
処女の生血を吸わなければ生き永らえぬドラキュラ伯爵の苦悶を描く。製作はカルロ・ポンティとアンドリュー・ブランスバーグ、監督・脚本は「悪魔のはらわた」のポール・モリセイ、監修はアンディ・ウォーホル、撮影はルイジ・クヴェイラー、音楽はクラウディオ・ジッツィが各々担当。出演はジョー・ダレッサンドロ、ウド・キアー、アルノ・ジュエギング、ロマン・ポランスキー、マキシム・マッケンドリー、ステファニア・カルシーニ、ドミニク・ダレル、ミレーナ・ヴィコティク、シルビア・ディオニシオなど。
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「処女の生血」のストーリー
ルーマニア貴族の末裔であるドラキュラ伯爵(ウド・キアー)は、処女の生血を吸わないと生き永がらえぬという実に奇妙な体質と、棺の中でしか眠れぬという不気味な習性を持っていた。中世の名残りを病的なまでにとどめ、死の匂いに浸りきったこの館では、最後の肉身である妹が棺の中で永遠の眠りについたとき、執事アントン(アルノ・ジュエギング)の勧めで、ドラキュラ伯爵はルーマニアの館と広大な領地を留守にして、ローマに旅立った。進行深いイタリアの片田舎なら、求める処女が多くいるだろう。一刻も早く処女の生血を吸わないと命が保てぬのだ。とある田舎町についた二人は村人(ロマン・ポランスキー)に教えられたイタリアの没落貴族で4人の娘を持つディ・フィオリ侯爵(ヴィットリオ・デ・シーカ)の館を訪ねた。アントンが、主人ドラキュラ伯爵が早急に花嫁を望んでいる旨を告げると、表面は優雅な暮しを保つものの、台所は火の車の侯爵夫人は大喜びだった。ディ・フィオリ侯爵夫妻の4人の娘、エスメラルダ、ルビニア、サフィリア、ペルラは当然処女ばかりだと思っていたが、ルビニアとサフィリアの二人は、夜ごと下男のマリオ(ジョー・ダレッサンドロ)とのセックスに溺れていた。そんなこととは夢にも思わないドラキュラとアントンは翌日から侯爵の家に泊まることになり、棺が運び込まれた。血の気の失せた蒼白な顔、菜食主義、車椅子の使用、ドラキュラの奇妙な挙動に気味悪がっていた娘たちも、熱心な母の勧めに従い、まずサフィリアがドラキュラの部屋を訪れた。ドラキュラは彼女に処女かどうかを迫り、娘が処女だといった瞬間、その喉に喰らいついて生血を吸った。しかしドラキュラは悶え苦しみ、口から鮮血を吐き出した。処女でない女の血を吸うとひどい苦しみに襲われるのがドラキュラのもう一つの体質だった。続くルビニアも生贄となったが非処女だったため、ドラキュラは濁血を吐いて苦しみのたうちまわった。二人に煮え湯を呑まされたドラキュラは、次にオールドミスの淑やかな長女エスメラルダと14歳の初々しい末娘ペルラに接近していったが下男のマリオはその奇怪な行動に疑問を抱いた。ある夜、マリオはドラキュラの操り人形となった二人の姉にドラキュラの部屋へ連れていかれようとしていたペルラを救った。彼はその場で強引にペルラの処女を奪うと亡霊と化したサフィリア、ルビニア、そしてペルラに早く逃げるように指示した。ドラキュラ伯爵は斧を持ったマリオに追われて館の中を狂ったように逃げ廻った。だがドラキュラは、マリオに両腕を斧で叩き落とされ、さらに中庭で倒れたところをモモの付け根から両脚を斬られた。胴体だけをピクピクさせていたが、マリオが心臓に斧を突き刺すと断末魔の叫び声をあげた。そのとき長女のエスメラルダが駆け寄り、打ち込まれた斧の柄に身を投じた。4人姉妹の中でたった一人の処女、それが長女のエスメラルダだった。
「処女の生血」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「処女の生血」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1974 |
製作会社 | ブライアン・ストーン・ピクチャーズ・プロ |
配給 | 東映洋画 |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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