「決闘の大地で」のストーリー
暗殺集団“悲しき笛”に属するその寡黙な戦士(チャン・ドンゴン)は、幼い頃から厳しい修行に明け暮れ、人生のすべてを闘いに捧げて生きてきた。ついに最強の刺客を打ち倒した彼は、敵対勢力を皆殺しにするという目的を達成するが、最後のひとり、乳母車で無邪気に笑う赤ん坊をどうしても殺めることができなかった。戦士は敵一族の姫君であるその赤ん坊を背負って長い旅に出る。それは“悲しき笛”を敵に回すことを意味する掟破りの行為だった。船で海を渡った戦士は、旧友が住んでいるはずの異国の町ロードにたどり着く。そこは砂漠に建設中の観覧車がそびえ立つ小さな町。旧友がすでに死んだと聞かされた戦士は、他に行くあてもなく、旧友が経営していたクリーニング店を引き継ぐ。人口わずか50人のロードに戦士を迎え入れたのは、サーカス団を率いるエイトボール(トニー・コックス)、ナイフ投げのじゃじゃ馬女リン(ケイト・ボスワース)、酔いどれ男ロン(ジェフリー・ラッシュ)など、ひと癖もふた癖もある住民たち。天涯孤独の戦士はこの町に奇妙な居心地のよさを感じ、ぎこちなく赤ん坊を育てながら日々の仕事に勤しんでいく。そんな中、戦士は、リンが幼い頃、冷酷なコロネル大佐(ダニー・ヒューストン)に最愛の家族を殺されたことを知る。やがてクリスマスが訪れ、ロードの住民たちが酒と歌に酔いしれる中、砂漠でダンスを踊った戦士とリンは初めてキスを交わす。だがその夜、大佐率いるならず者一味が突然ロードに現れ、無法の限りを尽くす。娼婦に成りすまして大佐に接近したリンは復讐の機会をうかがうが、逆に囚われの身になってしまう。必殺剣の封印を解いた戦士は、目にもとまらぬ立ち回りでリンを救出、しかしその剣の啼き声は戦士の抹殺をもくろむ“悲しき笛”の首領(ティ・ロン)の耳にも届いていた。一度撤退した大佐一味の報復攻撃が迫る中、戦士のもとで結束を強めたロードの住民たちは、命懸けの闘いを決意する。やがて大佐一味との全面戦争が勃発、砂漠の大地に轟音が響き渡ったそのとき、恐るべき“悲しき笛”の魔手が戦士に迫ってきた……。