「オードリー」のストーリー
大森優子(笠原美香)は郊外に住む18歳。文化祭を目前に控えた高校3年の秋。同じクラスの石塚絵里(梶原ひかり)と小浜志保(小田島渚)と共に真夜中、校舎の屋上へ忍び込んで、明け方までおしゃべりするのが日課だった。そんな優子は親友の二人にも打ち明けていない、密かな片思いをしている。相手は同じクラスの遠山健太(暮浩平)。普段はまともに話をする機会もないが、優子の視線は常に健太に向いている。どうにか発展させたいと思いながらも踏み出せない恋の悩みを、優子は人気教師で茶道部の顧問・宮本(水野祐樹)だけに相談していた。だがある日、絵里が遠山のことを気になると言い出し、さらには数日後の文化祭で告白すると打ち明けてきた。内心気が気ではないが、口では絵里の恋を応援すると言ってしまう優子。しかも、絵里から「文化祭までの間、遠山と付き合って、彼の好みをリサーチして」ととんでもない頼みごとを持ちかけられる。絵里と志保に押し切られ、優子は思いもよらぬ形で遠山と付き合うことになり、期間限定の恋が始まった。最初はぎこちなかった二人だが、メールをしたり、一緒に学校をさぼったり、初めて手をつないだり……少しずつ本物のカップルのようになってきた。遠山と一緒にいられる幸せを感じつつも、複雑な心境の優子。頼りにしていたはずの宮本にも、「先に自分の気持ちを言い出した石塚の勝ちだ」と言われ落ち込むばかり。ずっとこのままでいられたら、と思っても文化祭は確実に近づいている。何も知らない絵里からも「文化祭までには別れてね」と忠告されてしまう。遠山にも絵里にも本当のことを言い出せないまま、高校生活最後の文化祭は二日後に迫っていた……。