解説
ライフ誌に掲載されたシャナ・アレクサンダーの「死の決意」という実話から、TV「ルート66」のスターリング・シリファントが脚色、同じくTV出身のシドニー・ポラックが処女作品として監督した。撮影は「シェーン」のアカデミー賞カメラマン、ロイヤル・グリグス、音楽はクインシー・ジョーンズが担当した。出演は「奇跡の人(1962)」のアン・バンクロフトと、「野のユリ」のシドニー・ポワチエのアカデミー賞コンビに「偉大な生涯の物語」のテリー・サヴァラス、TV出身のスティーヴン・ヒルなど。製作は原作者の夫で新聞記者から芸能界に入り、これが第1回作品のスティーブン・アレクサンダー。
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ユーザーレビュー
「いのちの紐」のストーリー
6月の夕暮れ。シアトル市立自殺防止協会に1人の女性から電話がかかってきた。そして、電話を受けた宿直のアルバイト学生、ニューウェル(シドニー・ポワチエ)の顔はみるみるうちに蒼白となった。女はインガ(アン・バンクロフト)という中年の女性で、夫マーク(スティーヴン・ヒル)との不和から、睡眠剤の致死量を飲んだというだけで、住所やその他一切のことははっきり聞きとれぬ状態だったからだ。この瞬間から、1本の電話線が女の命をつなぎとめるかぼそい糸になった。ニューウェルはインガと話を続けて、なんとかして住所を聞き出そうとつとめながら、一方では彼女の生命を救う手配をしなければならなかった。大ぜいの人間がニューウェルに加わって、インガの生命を救う戦いが始まった。すでに帰宅していたコバーン博士(テリー・サヴァラス)が協会に戻ってきた。さらに電話会社と警察が逆探知で、広い地図の中から女の居場所をしぼっていった。彼らの必死の努力にもかかわらず刻々と時間は迫り、ニューウェルにとって残された唯一の手段は、インガに勇気をふるいおこして、生きることの尊さを訴えることしかなかった。しかしながらニューウェルの声が大きくなればなる程インガの声は細く弱くなっていった。コバーン博士の後8分しかないという声をニューウェルが耳にした時、インガの声が聞こえなくなった。受話器を片手に、がっくりひざまずくニューウェルの側にいつしかマークの途方にくれた姿があった。その時、別の声が電話から聞こえてきた。警察からだった。インガがみつかり、まだ呼吸があるというのだった。インガは救われた。ニューウェルは喜んでいる人々のあいだで、複雑な感情を抱きながら、静かに彼の受持ちの電話に戻って、次の電話の受話器をとりあげた。
「いのちの紐」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「いのちの紐」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1966 |
公開年月日 | 1966年10月8日 |
製作会社 | アテネ・プロ映画 |
配給 | パラマウント |
レイティング | |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダード |
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