解説
「サウダーヂ」の富田克也監督による、タイ人娼婦と日本人の逃避行を歴史を捉えながら追うロードムービー。バンコクの歓楽街で働き家族を支える娼婦のラックは、元恋人オザワと5年ぶりに再会。二人は失われた楽園を探すようにラックの故郷やラオスに向かう。タイ東北部のイサーン地方の伝統音楽を交え、ベトナム戦争の傷跡やタイの抵抗の歴史、二人の道行き、さらに欲望渦巻く歓楽街の群像劇を重層的に描く。第 69 回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に出品され、若手審査員・最優秀作品賞を獲得した。
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この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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「バンコクナイツ」のストーリー
タイの首都バンコクにある日本人が多く集まる歓楽街タニヤ通り。人気店・人魚のNo.1であるラックは、タイの東北にあるイサーン地方から出稼ぎに来て5年が経つ。日本人のヒモ・ビンとダイヤの首輪をさせた犬を抱え高級マンションで暮らす一方で、ラオスとの国境を流れるメコン川沿いのノンカーイ県に住む家族に仕送りをしていた。実母とは確執が絶えないものの、種違いの弟を溺愛している。ある晩、謎の裏パーティーで5年前に付き合った初めての恋人オザワと再会。元自衛隊員のオザワは、今ではバンコクで根無し草のように暮らしていた。そんなオザワに、元上官で今はバンコクで店を経営する富岡はラオスでの不動産調査を依頼。ラックとオザワはそれぞれ複雑な思いを胸に、バンコクを逃れるようにノンカーイへと向かう。
「バンコクナイツ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「バンコクナイツ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 フランス タイ ラオス |
製作年 | 2016 |
公開年月日 | 2017年2月25日 |
上映時間 | 182分 |
製作会社 | 空族=FLYING PILLOW FILMS=トリクスタ=LES FILMS DE L’ETRANGER=BANGKOK PLANNING=LAO ART MEDIA |
配給 | 空族 |
レイティング | |
公式サイト | http://www.bangkok-nites.asia/ |
コピーライト | (C)Bangkok Nites Partners 2016 |
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