解説
ギャグ漫画の巨匠2人による同名漫画を基にした、「紙の月」の吉田大八監督の人間ドラマ。6名の男女を受け入れるよう命じられる市役所職員・月末。不審な様子の彼らは新仮釈放制度により自治体が身元引受人となった元殺人犯で、やがて町の日常が狂い始める。2014年文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した原作を大きくアレンジ、関ジャニ∞の錦戸亮、「伊藤くん A to E」の木村文乃、「散歩する侵略者」の松田龍平らオールスターキャストを迎え、人間の本性に迫る。
この作品のレビュー
映画専門家レビュー
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映画評論家北川れい子狂言回し的な主人公役・錦戸亮の、一歩引いた演技に感心する。父親、同僚、幼馴染みなどの周囲の人たちだけではなく、元殺人犯たちにも、まず相手の意志を優先し、自分を押... もっと見る
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映画評論家松崎健夫コミュニティの「異質な存在」=「のろろ」が秩序を維持し、「異質な存在」=「元受刑者」が秩序を乱すという反定立。本作は現代社会を跋扈する“不寛容さ&r... もっと見る
「羊の木」のストーリー
さびれた港町の魚深市。市役所職員・月末一(錦戸亮)は、移住してきた6名の男女を受け入れるよう命じられる。しかし6人は言動に落ち着きがなく尋常ではない様子で、彼らの周囲には不審な同行者がいた。実はこれは受刑者を仮出所させ過疎化が進む町で受け入れる国家の極秘プロジェクトだった。6人の経歴は伏されたままだったが、月末は彼ら全員に殺人歴があることを知る。犯した罪に囚われながら、それぞれ居場所に馴染もうとする6人。そんなある日、港で死亡事故が発生。月末の同級生・文(木村文乃)を巻き込んで、町の人々と6人の心が交錯していく。
「羊の木」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「羊の木」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2018 |
公開年月日 | 2018年2月3日 |
上映時間 | 126分 |
製作会社 | 「羊の木」製作委員会(アスミック・エース=テレビ東京=ジェイ・ストーム=住友商事=ソニー・ミュージックエンタテインメント=ギークピクチュアズ=KDDI=講談社=テレビ大阪=ニッポン放送=朝日新聞社=GYAO!)(制作:アスミック・エース/制作協力:ギークサイト) |
配給 | アスミック・エース |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー |
公式サイト | http://hitsujinoki-movie.com/ |
コピーライト | (C)2018「羊の木」製作委員会 (C)山上たつひこ いがらしみきお/講談社 |
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