解説
アメリカの核戦略爆撃機がソ連攻撃に向かい、米ソ両国に核戦争の危機が迫るというSF映画。ユージン・バーディクとハーベイ・ホイラーの「未確認原爆投下指令/フェイル・セイフ」(創元推理文庫)に基づき、ウォルター・バーンスタインが脚色、シドニー・ルメットが監督した。製作はマックス・E・ヤングスタイン、撮影はジェラルド・ハーシュフェルド、美術はアルバート・ブレナー、編集はラルフ・ローゼンブラムが各々担当。出演はヘンリー・フォンダ、ダン・オハーリー、ウォルター・マッソー、ラリー・ハグマンなど。IP創立10周年記念作品。
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「未知への飛行」のストーリー
早朝5時30分、ブラック将軍(ダン・オハーリー)は、またもや悪夢に苦しめられて目が覚めた。アンカレッジでは、グレーディ大佐(エドワード・ビンス)率いる爆撃機の編隊が巡回飛行に飛び立った。そしてオマハの戦略空軍司令部では、ボーガン将軍の案内でラスコブ上院議員が、内部を見学していた。飛行中のグレーディ機に指令が入った。指令…、目標モスクワ。安全照合装置が故障し間違った指令を受信したのである。そして、グレーディ隊の5機はついにフェイル・セイフ・ポイントを越え、ソ連領内に侵入。フェイル・セイフとは進行制限地点のことで、ここを越えると、たとえ大統領といえども引き戻すことはできない。すぐさまペンタゴンとホワイトハウスに報告された。ペンタゴンではスウェンソン国防長官を中心に、政治学者のグレテシュール(ウォルター・マッンー)、ブラック将軍らが協議する。グレテシュールは「この際ソ連を徹底的に叩くべきだ。たとえソ連の反撃をうけてもまだアメリカには生存者がいるのだから」と主張。ブラックは、全世界的殺栽は防がなくてはならないと反論する。大統領はホットラインを通じてソ連首相に「領空侵犯は間違いであり、こちらではどうすることもできないので、ソ連側で射ち落してくれ」と頼む。オマハでは、ソ連側にグレーディ隊機の特徴を教えよ、と命じられたカシオ大佐が反抗し、MPにとり押えられた。グレーディ編隊機のうち4機は射ち落されたが、グレーディ機だけは攻撃をかわしてモスクワに到達。モスクワ上空で核爆弾が爆発する。米ソ両国の全面戦争を回避し、ソ連にモスクワ爆撃が機械の故障であることを納得させるため、大統領はブラック将軍にニューヨークの核爆破を命じた。こうして、電子安全照合装置の故障から、モスクワとニューヨークは核爆弾によって破壊されたのであった。
「未知への飛行」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「未知への飛行」のスペック
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