ソークト・イン・ブリーチ カート・コバーン 死の疑惑の映画専門家レビュー一覧
ソークト・イン・ブリーチ カート・コバーン 死の疑惑
1994年に亡くなったロックスター、カート・コバーン。私立探偵の独自調査に基づき、再現ドラマを交えて衝撃的な死の真相に迫るドキュメンタリー。監督は「ネイビーシールズ」で製作総指揮を務めたベンジャミン・スタットラー。ドラマパートに出演するのは「ファイナル・デスティネーション」のダニエル・ローバック、「アーティスト」のサラ・スコット。
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翻訳家
篠儀直子
日本のテレビでもよく放映されている、海外の奇怪な事件を再現ドラマや関係者の証言を交えて紹介する番組みたいなものが出てくるんじゃないかと思ったら、画面に多少お金がかかっているだけで、ほんとにそれ以上でも以下でもない映画だった。知っている人はみな知っているカート・コバーン謀殺説を、丁寧に説明する内容。建前としては一応「さらなる検証が望まれる」という結論に落としこんではいるけれど、「こんな一方的な語り方をされても……」という気持ちがやはりぬぐえない。
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ライター
平田裕介
他殺説を唱える探偵が録音したコートニーの音声の内容はたしかにファム・ファタールしているが、それっぽいのを厳選という感じ。カートは自殺する奴じゃないと証言する連中は、彼の故郷に暮らす古すぎる友人・知人たち。なんとも微妙だが、再現ドラマはしっかりと撮られていて、それにコートニー音声を被せることで生々しさとスリルが醸し出されている。陰謀はともかく、“なにか”があったのは伝わった。しかし、カリスマと呼ばれる人物は死んだ後も、こうして飽きさせないから凄い。
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TVプロデューサー
山口剛
ニルヴァーナのカート・コバーンの衝撃的な死は自殺か他殺か? 悪女の典型のような妻コートニー・ラヴに雇われるが、いつしか彼女に疑惑を抱き最後まで真相究明につとめる私立探偵が面白い。元警官の実在した人物で、ぶっきらぼうで頑固な中年男だが、ボガートの演じたマーローやスペードの原型はこんな人物かと思わせるリアリティがある。ドキュメンタリーと称しているが、アーカイブ映像以外は役者が演じている。完全なフィクションにした方が面白かったような気もする。
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