ギミー・デンジャーの映画専門家レビュー一覧
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批評家。音楽レーベルHEADZ主宰
佐々木敦
「パターソン」でもイギー・ポップのことが話題になっていたが、これはイギーこと本名ジム・オスターバーグ自身が、ザ・ストゥージズの歴史を淡々と飄々とクールに語るドキュメンタリー。ジャームッシュとイギーは、限りなく肯定的な意味における「反知性主義」という点で似ていると思う。過去を振り返りながらも懐かしむわけでなく、死んだ仲間がいても殊更に哀しみに暮れてみせるのでもない、やたら超然とした態度の内に唯一無二の感性が覗く。ライヴ映像があまりないのが残念。
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映画系文筆業
奈々村久生
シニア層のドキュメンタリーは時間との闘いだ。撮影開始からほどなくして被写体を失った中村高寛監督の「禅と骨」がその後たどった迷走と、撮影中にバンドメンバーが他界しアニメを用いた本作が自然と重なる。ドキュメンタリーにおけるアニメの役割はもっと考える必要があるかもしれない。アナーキーなライブ映像、自ら語りまくるイギー、伝説のバンドには似つかわしくないエピソード。長年の友情に裏打ちされたジャームッシュの危なげない手つきがしかしイギーの人間性を中和している。
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TVプロデューサー
山口剛
ドラッグ、酒、セックスがらみのゴシップは避け、ひたすら音楽に集中して迫るジャームッシュの知的なアプローチは、ロックの世界に残したイギー・ポップの偉大な足跡を巧みに引き出し、私のようなロックに不案内な者にもわかりやすく俯瞰してくれる。このコンビならではだろう。無愛想な口調で語られるエピソードも面白い。上半身裸で犬の首輪だけつけたあのステージ衣裳はハリウッドのB級歴史劇のエジプトの王様からとったと言う。ヴィクター・マチュアかユル・ブリンナーか?
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