家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。の映画専門家レビュー一覧
家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。
インターネットの質問サイトで話題となった投稿を基にしたコミックエッセイを「神様はバリにいる」の李闘士男監督が実写映画化。結婚3年目のサラリーマン・じゅんが帰宅すると、玄関で妻のちえが死んだふりをしていた。それ以降、ちえは奇行を繰り返し……。出演は「64 ロクヨン」の榮倉奈々、「俳優 亀岡拓次」の安田顕、「神弓 KAMIYUMI」の大谷亮平、元宝塚歌劇団の野々すみ花。脚本をTV『コウノドリ』の坪田文が務める。
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評論家
上野昻志
結局、と言ってしまうと、一言ですんじゃうんだけどね、榮倉奈々が、次々と趣向を凝らして死んだふりをするところが見所と。ほかに、何があったっけ? まあ、後輩の結婚生活の維持に、それなりの配慮をしているように見えた男の妻が、容易に解消できない鬱屈を抱えていたとか、榮倉奈々の父(螢雪次朗)が妻を亡くして落ち込んでいるときに、娘の、後につながるような振舞いに助けられたとか、それなりに話は盛り込んでいるけれど、何故か横に流れていって、深みに達しないのだ。
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映画評論家
上島春彦
無知な私は原作を知らなかったが、その方が楽しめる。初めは、正直これで二時間もつのか不安だったものの、挿入される色々な夫婦のエピソードが効果的、スムーズに進む。特に主人公の同僚夫婦のフラストレーション描写が(ありそうで)怖い。どっちも良い人なのにね。主人公がバツイチで互いの結婚の意思を数年ごとに契約更改みたいに確認する、というバカ正直さも可笑しい。もっともそれがストレスの原因だったりするわけだが。漱石と?外の文芸総覧ネタも深い。私もたまに読みます。
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映画評論家
吉田伊知郎
こんなものまでと呆れないのは、最低限のルールさえ守れば好きに話を作れる企画ゆえ。結局、絵解き以上のものはなく、各日ごとのオムニバス形式にしてオチにその日の死んだふりを見せるなり、作劇に工夫が欲しかった。最初は日本人ではないのかと思ったほど妻の言葉がたどたどしく、この行為の裏にあるものを創作すれば広がりが出ただろうが、思わせぶりなだけだった。昨年入籍した身としては、妻が毎日バカバカしいことのために無駄遣いしていたら確実に喧嘩していたと思う。
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