最も普通の恋愛の映画専門家レビュー一覧

最も普通の恋愛

「江南ブルース」のキム・レウォンと「エターナル」のコン・ヒョジンが共演したラブコメディ。元カノに未練タラタラのジェフンは、職場に新しく入ってきた同僚ソニョンが彼氏と別れる現場を目撃する。真逆の恋愛観の二人は、次第に気になる存在になっていく。出演は、「EXIT イグジット」のカン・ギヨン、「監獄の首領」のチョン・ウンイン。
  • 映画評論家

    小野寺系

    社内恋愛を描いた作品とはいえ、長篇映画の尺のなかで、主人公たちや登場人物のほとんどが恋愛や結婚、浮気に絡んだことしか頭にないように見える世界観は異様。恋愛の先にしか自己実現はないと言っているかのようだ。また、飲み会のシーンの多さは驚異的。ノミニケーションに高い価値を置いている観客ならば、毎晩浴びるように酒を飲んで管を巻く主人公たちに感情移入できるかもしれない。前進を続ける韓国映画にも、まだまだ保守的なロマンスの需要があると意識できる一作だ。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    画面から酒気が漂い出るくらいしょっちゅうお酒を飲んでいる彼らの、どこが“最も普通の恋愛”なの? 見終わってまずこう思ったが、考えてみれば、主人公が失恋直後の、傷も痛みも癒えていない男女で、二人が出会い恋に発展する物語なのだから、一筋縄ではいくまい。彼らにはこれが最も普通なのだろうと納得。特段ドラマチックなエピソードで展開するわけではないが、コン・ヒョジン演じる恋の幻想などすっぱり捨てた女がときおり発揮するしおらしさ等、細部の描写には好感がもてる。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    甘さ控えめ、程よい苦みの大人のラブストーリーで、SNS社会における恋愛というテーマが妙に強調されているがゆえに逆説的に男女の恋愛の普遍性が表出した不思議な感触もあり、ここに今泉力哉的なエグみが加味されればかなり面白くなるのかもしれないが、それはそれで失う魅力もあるのだろうから、このくらいの塩梅がジャンル映画としては丁度いいのかもしれない……が、本音を言ってしまえばこんな美男美女の恋愛を心から応援できるほど自分は人間が出来ていない……のが悲しい。

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